金(ゴールド)は地政学的リスクに強く反応するため、これまでの中東やウクライナの情勢で高騰してきましたが、状況が小康状態に入ると反動で下落することも考えられます。今後のゴールド市場の動向を見極める上で、以下のポイントが参考になるでしょう。
1. 中東情勢
- イスラエルとパレスチナの状況は、表面上は小康状態に見えても、予期せぬ緊張が再燃する可能性があるため、中東情勢が再び不安定になると金価格が急騰するリスクもあります。
- しかし、現段階で大規模な戦争が抑制されている場合、金は「一時的な避難先」としての魅力が薄れる可能性があります。
2. ウクライナ情勢
- ロシアとウクライナの紛争が長期化しているため、世界経済やエネルギー価格に影響を与え続けていますが、戦況が大きく変動しない限り、地政学的リスク要因としてのインパクトは減少していると言えます。
3. 米国大統領選挙
- 2024年の米国大統領選挙に向けて、政策が大きく変動する可能性があります。特に民主党と共和党の政策に応じて、ドルの強弱が影響を受け、それが金価格にも波及する可能性があります。
- 共和党政権になる場合は、金利引き上げを再開する傾向が強いため、金利上昇で金価格にとっては逆風となることが予想されます。したがって、選挙情勢がドルの強化方向に動けば、売り時のサインと捉えることも可能です。
4. FRBの利下げ見込み
- 現在は利上げペースが緩やかになりつつあり、2024年後半には緩やかな利下げも予想されています。これが実現すればドルの弱体化を招き、インフレヘッジとしての金の価値が再評価される可能性も高まります。
- したがって、利下げ前にドル安が加速し金が上昇する場合は、売りの検討材料となるでしょう。
まとめ
- 売りのタイミング候補としては、①米国大統領選でドル高材料が出ること、②FOMCが利下げに向けて具体的な声明を出す前後のタイミングが考えられます。
- また、短期的に中東やウクライナのリスクが解消され、相場が一段落したタイミングで利益確定の売りも選択肢です。
ご自身の投資目的やリスク許容度も踏まえつつ、これらの要因を注視し、計画的な売りを検討されると良いでしょう。
投資は、自己判断でお願い致します。