灰色の雲が空を覆い尽くし、雨粒が音を立てて地面を叩いていた・・
少しずつ春の足音が聞こえてきた季節の午後。
競馬場の喧騒も、降りしきる雨の音に溶け込みながらかすかに響いていた。
フィオライアと呼ばれる花売り娘は、
その雨の中でも大切な花束を胸に抱え、濡れるのも気にせず競馬場を歩いていた。
「雨の日こそ、私の花がみんなの心を晴れやかにできる日なの。」
そう言いながら、彼女は満面の笑みで花を差し出していた。
そんな彼女に目を留めたのは、調教師の知り合いの幸弘だった。
「雨の中でそんな笑顔を見せるなんて、大したものだな。」
幸弘が声をかけると、フィオライアは微笑んで言った。
「お花は雨でも輝きを失わないんですよ。それに、雨は恵みの象徴ですから。」
その日から、幸弘は彼女の明るさと強さに惹かれていった。
ある日、幸弘の知り合いの厩舎に新しい競走馬がやってきた。
その馬には「フィオライア」と名付けられた。
彼女が持つ花の名にちなんだ名前だ。
「君みたいに、雨の中でも力強く輝ける馬にしたいんだ。」
幸弘の言葉に、フィオライア(花売り娘)は少し恥ずかしそうに微笑み、
「それなら、この子のためにたくさん応援しますね。」と答えた。
3月16日、フィオライアが初めて出走するオープンレースの米子城ステークスの日も、
天気は雨だった・・・。
雨粒がコースを濡らし、泥が跳ねる中、
フィオライア(馬)は重たい地面に足を取られながらも懸命に走っていた。
観客は息を呑み、幸弘は懸命に彼女の名を叫んだ。
「がんばれ、フィオライアちゃん!」花売り娘も声を張り上げた。
その声に応えるかのように、フィオライアは最終コーナーを回り、
ゴールへ向けて全力で駆け抜けた。
歓声が雨音とともに響き渡る中、幸弘は花売り娘のもとへ駆け寄った。
「フィオライアは雨でも光を失わない。それは、この馬もあなたも同じです。」
彼女の言葉に、幸弘は静かに頷き、小さな花束を受け取った。
雨はようやく上がり、空には美しい虹がかかっていた。
二人と一頭の絆は、まるでその虹のように輝いていた・・・。
【フィオライア】(牝4)
◆フィオライアは、2023年の10月1日の中山3レースの新馬戦で
デビューして2着になりましたが、その後、骨折が判明して治療に専念して、
2024年5月19日(日)の新潟2レースで復帰して、
スピードを生かして、見事に快勝しました~♪
6月9日の函館8レースでは、2着になり、
8月25日の札幌9レースの小樽特別では、1番人気で見事に快勝しました~♪
この小樽特別の勝ちタイムの1分8秒2は、
当日の重賞レースのキーンランドカップの
2着のエイシンスポッターと同じタイム好タイムでした♪
その後、9月21日の中京の賢島特別も快勝して、
12月1日の中山の南総ステークス(芝1200m・3勝クラス)で
勝ち馬とコンマ5秒差の5着に好走しました~♪
そして今年、2月1日の小倉メインの巌流島ステークスで快勝して
オープン入りしました♪
◆フィオライアは、
高松宮記念(G1)やセントウルステークスやシルクロードステークスなどの
短距離の重賞で活躍したファインニードルの産駒で、
母も、短距離1200メートルのレースで5勝したフルールシチー。
そして、母父は、スプリンターズステークス(G1)などを快勝して
短距離界の王者として君臨したサクラバクシンオーです♪
◆オープンレースの米子城ステークスは、強敵も多く出走しますが
皆さん 3月16日(日)の阪神メインの米子城ステークスの
4番フィオライアの応援を宜しくお願いしま~す♪