野村克也が亡くなって以降、
◆「WBCで侍ジャパンの優勝は難しい」
◆岡本のお立ち台「最高です」6連発に
「なんだ?あれは」
日本時間21日にマイアミのローンデポ・パークで行われるWBCの準決勝でメキシコと対戦する。
3大会ぶりのV奪回へあと2勝と迫っているが、
元巨人OBで西武、ヤクルトで監督を務めた“球界大御所”の広岡達朗氏は
「ハッキリ言って優勝は難しい」との見解を示した。
「大谷とダルビッシュはまだ未調整」
球界大御所の目には東京ドームの熱狂も“空騒ぎ”に映ったらしい。
「相手は全部格下。野球は何があるかわからないが普通にやっていれば負けない相手だった
。5連勝を鵜呑みにしてはならない。加えてチケットが転売されて何十万円にもなっていたのは問題だろう。
WBCを開催する意義からは逸脱している」
とめる豪華広岡氏は「大谷とダルビッシュもまだ未調整」と手厳しい。
「本来のシーズンへ向けての調整をせずに投げているのだから仕方がない。
大谷は数球素晴らしいストレートがあったが、納得のいくボールが少ないので
ゲームを作るためにスライダーに頼り、
ダルビッシュも、制球、スピード、フォーム共にまだ固まっていなかった。
それでも抑えたのが2人の技術であり歴然とした対戦相手との実力差だ」
お立ち台では2安打5打点の岡本が「最高です」を6連発。
巨人での恒例パターンで観衆を喜ばせ、途中、素に戻りかけて、
また「最高です」と言い直して、大受けしていたが、広岡氏には理解できない。
「なんだあれは?もっとちゃんと話すべき」
辛口の球界大御所だが、大谷が3回に成功させたセーフティーバントは高く評価した。
「勝ちたいという一生懸命さが見えた。この姿勢こそ彼がメジャーで成功している理由のひとつだろう。
結局は、大谷とダルビッシュに引っ張ってもらってドームの熱狂が生まれたのだと思うが、
ここから先の戦いはそうはいかない。
大谷一人じゃ勝てない」
準決勝の相手はメキシコ、そして、その難関を勝ち抜いた先の決勝には、
米国そして、すでに準決勝進出を決めているキューバのいずれかが待ち受ける。
「投手陣は佐々木と山本がいい。佐々木のストレートは走っていたし打者に向かっていく姿勢が良かった。
メジャー相手にどれだけ通用するか楽しみだし、山本にも安定感がある。第2先発としては今永がいい。
ストレートが伸びていて滑るはずの公式球を見事に操っていた。
だが、計算が立つのは、この3人だけ。」
「吉田のバットスイングはメジャーと遜色がなく、自分の状態をチェックする力があり、選球眼が素晴らしい。
問題は、これだけのメンバーの打線をどうつなぐか。そこが日本らしさ。
ここまでの戦いでは日本らしさというものは出ていない。
相手が相手だけに栗山監督の仕事も、どう打順を組むか、どう投手を配分するかだけで采配をふるう場面もなかった。
ここから先は彼の采配がポイントになってくる」
広岡氏は、「選手に丸投げ」の野球で世界一の座を奪回することは難しいと見ている。
「今回のWBCの日本での盛り上がりは、日本の野球界の底辺を拡大することにつながっていくとは思う。
もちろん今季のプロ野球にもつながる。
それだけに東京ドームから環境もガラっと変わるアメリカで、どんな戦いをするのかを楽しみにしている」