顕微鏡受精をすれば大丈夫。私たち夫婦には何も問題はないのだから、と思っていた。
でも、その問題がないことが問題だった。つまり問題はあるのだろうけど、今の医療じゃ解明できない何らかの問題があるってことなんだろうから。
先生が「とっても綺麗な胚だよ」って毎回言ってくれるのに、結果数値がゼロが続くと、私には無理なのかもしれない、他の道も今から考えておいた方がいいと思い、ここ1年、半年調べたり考えていた。
最初は、私にはそんな責任重大なことは無理だ、その子に可哀想な思いをさせてしまうかもしれない、と思ってその道はないと思っていたけれど。今はまずは話だけでもききたいと思っている。
それが、養子縁組という選択。
養子縁組にも長い長い道のりがあって、自分が親に選ばれるかはわからない。不妊治療と同じ様にきっと大変で、幸運なことに親になることができたとしても、その先はもっともっと大変なのかもしれない。
だから最初は尻込みしていたけれど、じゃあ、一生夫婦だけで生きていくのかと考えた時に、私にはその選択肢はないと思った。
これまで与えられた仕事はちゃんとこなしてきたけれど、その職場で上を目指したいとか、そういう野望を抱くことはなかった。私にとって幸せな家庭の方が、キャリアよりも魅力的だったからだろう。
子どもの時から、大きくなったら結婚して子どもをたくさんもって、賑やかな家庭にしたいと思っていた。自分の家庭がそうではなかったから。
だからやっぱり、夫婦だけの道を選んだら、それはそれで楽しい時もあるけれど、私の場合は人付き合いがさらに下手になるんだろうと思う。子どもがいる人たちが羨ましいから。その場ではやり過ごせても、家に帰ると悲しい気持ちになる。それを一生続けるのだろうか。
私は養子縁組または里子に前向きだ。
でも夫は養子縁組には前向きではない。
