福岡に視察に行ってきました。 | 須山たかし オフィシャルブログ Powered by Ameba

福岡に視察に行ってきました。

20日、21日と府中市議会の建設環境委員会の視察で福岡に行ってきました。
初日は大牟田市のエコタウンを、二日目は柳川市の堀割の取り組みを見させて頂くという日程でした。

先ずはエコタウン。
エコタウンとは、産業から出る廃棄物を他の分野の原料として活用し、廃棄物をゼロにすることを目指した事業。
それぞれの地域の特性に応じて地域の振興を図りながら環境と調和したまちづくりを推進するものです。

大牟田市の特色としては、RDF(Refuse Derived Fuel 廃棄物固形燃料)といって、可燃性の廃棄物を燃料として発電をする技術です。
要は集めたゴミをそのまま焼却して廃棄するのではなく、発電する燃料にしようということ。
ゴミを収集した段階で燃えるゴミを細く破砕、乾燥、圧縮をして固形燃料にします。
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左側の可燃ゴミを破砕・乾燥・圧縮して右側のRDFに
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出来上がったRDF

生成する際に乾燥をきちんとやらないと燃えづらいのでこの工程はとても重要だそうです。
また、ゴミを破砕する際に異物(燃えないゴミや大型で破砕出来ない物)が混入していると破砕機が刃こぼれを起こしてしまい、修理に何百万単位のお金がかかるとのことです。しっかりと分別をしないといけませんね。

このRDFを燃料に隣接する大牟田リサイクル発電所で発電を行っています。
エコタウンにはその他にも、市民の皆さんの交流・学習促進、リサイクル活動支援、情報受発信を目的とした「市民交流学習センター」や、環境関連技術の開発及び企業化の支援を目的とする「環境技術研究センター」が一体となった複合施設、エコプラザ等、有明海を見下ろす美しい街は環境に優しいまちづくりをしていました。


二日目の柳川市では「掘割」の取り組みを視察させて頂きました。
1987年、僕の尊敬する高畑勲さんが監督をされたドキュメンタリー映画「柳川掘割物語」でもこの掘割を取り上げられています。

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(府中市立図書館にもありました!)

かつて先人たちが作ったこの用水路は地盤の強化や治水にも役立っていました。
しかし戦後、街に上水が完備されると段々とその役割が忘れられていき、ゴミや排水にまみれ、一時は「ドブ川」にまで成り果て、埋立の計画まで持ち上がることになります。
そんな時、埋立計画を進めるため新設された都市下水路係の広松伝係長が開発に待ったをかけました。
広松係長はかつて清流をたたえていた頃の堀割を取り戻すため、住民の方と膝を突き合わして説得をし、、市長に直談判をし、堀割の必要性を訴えました。
その結果、市長は埋立計画を破棄し、住民と一緒に堀割の浄化活動が始まり、終には水郷柳川のシンボルとして堀割が復活をします。
役所の一職員が国の補助金まで付いた事業を覆した。住民の皆さんと一緒になって、かつての美しいまちを取り戻すという情熱、自分のまちに対する愛情が行政をも動かしたのです。
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ずっと歩いていても飽きない川辺


現在、柳川市は大和市、三橋町と合併しても、この堀割を美しく残しています。
住民の皆さんと市の職員の方々が定期的に清掃を行い、維持管理に努めており、川辺の散歩や川下りを楽しむ観光客も沢山足を運んでいます。

この2市の視察を通して、改めてまちづくりは行政だけでも住民の方たちだけでも出来ないということを痛感しました。
行政と住民が手を携えて他人任せにせず、一緒に自分たちのまちを創ることが必要です。

私たちの府中市もこれから府中駅南口の再開発がスタートします。
美しいケヤキ並木と大國魂神社、歴史あるこのまちに溶け込む再開発事業となる様に、市民の皆さんとともにまちづくりをしていきましょう!

2市の皆さん、本当にありがとうございました!



おまけ
柳川の堀割のそばで擦り寄ってきたネコ。かわいい
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