皆さん、こんばんは。本日も診療終了後に更新いたします。
大分県臼杵市唐人町、陶山歯科医院院長の陶山直昭です。


昨日は天皇誕生日祝日でしたが、大分県歯科医師会館
AM 10:00から開催された、大分県スポーツ歯科学会主催の
スポーツマウスガード講習会に、出席してまいりました。

先月だったか…数年前は私と同じ、臼津歯科医師会に所属し
今は大分市「タカサゴデンタルオフィス」を開業されている
近藤剛志先生から誘われて、今回出席させていただきましたが
近藤先生は、大分県唯一スポーツ歯科認定医であります。
(「タカサゴデンタルオフィス」のホームページはコチラ)

実は私も大分県スポーツ歯科学会に入会しており、これまでも
何人かの患者さんに、マウスガードを作ったことがありますが…
それは文献等を見ながら製作した、自己流のものだったんです。
このように、ちゃんとした講習を受けたことはなかったもので
やっぱり自己流ではいかんと…本講習会は絶好の機会でした。

マウスガード研修会2013-B
(2種類の自分用のマウスガードを製作しました。)

今回は自分の模型で、マウスガードを作ったわけなんですが…
製作に入る前、日本大学松戸歯学部スポーツ健康歯科教授
川良美佐雄先生が、スポーツ歯科概論の講義を行ないました。
この講義は、本当に自分のこれまでの概念を覆すものでした。

我々はスポーツ選手は、物を投げたり持ち上げたりする時に
「歯を噛み締めている」というイメージを、持っているんですが
ハンマー投げ室伏広治選手や、ヤンキースイチロー選手
投げたり、インパクトする瞬間は、噛み締めていないんです。
重量上げの選手が、雄叫びを上げながら持ち上げている場面を
見たことがある人も多いと思いますが、実は噛んでいません。

川良先生によると、下顎の固定が瞬時に行なえることが大事で
それには顎二腹筋という筋肉が、重要な関与を担うそうです。

マウスガード研修会2013-C
(この日に使用した機械は、当医院のものに比べて最新型!)

野球選手の中には…打つ瞬間にを出している方もいますが、
それは無意識のうちに、下顎を固定しているためのようでして
こうして考えると、スポーツ歯科学というのは奥が深いもので
まだまだ未解明な部分が多いと思いますし、面白い分野です。

スポーツマウスガードは、もちろん外傷の予防に不可欠ですが
楽に顎を固定出来る作用もあり、顎関節の負担も減るんです。
川良先生によると、装着しても運動の仕事量最大仕事量には
あまり関係ないそうですが…先に述べた顎二腹筋の負担が減り
その選手が持っている能力を、発揮しやすくなるそうなんです。
また衝撃による脳震盪を予防する効果も、あるみたいですね。

昨日は2種類のマウスガードを、実際に作ってみたわけですが
特に最後の仕上げのやり方等、たいへん参考になりました。
近藤先生からは、いろいろと細かい極意や使用器具について
教わりましたが、こういうことは文献にも記述されておらず
やはり実際に講習に出なければ、分からないものであります。

マウスガード研修会2013-A
(最後の仕上げ…文献にも書いていない裏技です。)

これで少しは、私が作るマウスガードの精度も…ちょっとは
マシになったのではないかと思いますので、乞うご期待!