皆さん、おはようございます。久々にに更新いたします。
大分県臼杵市唐人町、陶山歯科医院院長の陶山直昭です。


先日…私の息子であるナオヒロが通う、臼杵市立東中学校
保健体育委員会が作成した小冊子を、見せてもらったんです。
「『歯と口』について知ろう、学ぼう」というタイトルで…
17ページに渡って、たぶん委員会の生徒達が自分達で調べて
まとめたものなんですが…拝見して、とても驚かされました。
歯科医師の私から見ても…これが実に良く出来ているんです。

各ページを夫々の委員が担当したみたいで…手書きのページと
パソコンで打ったページが、混同したりなんかしておりまして
それが手作り感が満載で、ご愛嬌という感じがいたしますが…
歯牙の解剖学(図解入り)唾液の働きむし歯の進行について
食品に含まれる砂糖の量歯周病の解説ブラッシングの仕方
むし歯や歯周病が全身に及ぼす影響…と、実に充実した内容で
更に治療法として、ブリッジインプラント治療についてまで
夫々の利点や欠点を比較して、詳しく説明されているんです。

陶山歯科医院・徒然日記-東中学校小冊子2
(「歯と口のことについて知ろう、学ぼう」の表紙)

興味深い項目もありまして…同校の生徒達のむし歯の総本数を
部位別にまとめた表が掲載されていまして、それによりますと…
右下の第一大臼歯(下顎第一大臼歯)が最もむし歯が多く、また
下の歯に比べて、上の歯の方がむし歯本数が多い傾向があって
その理由について、生徒があれこれと考察しているんです。
これは面白かったですし、実に的を得た見解を述べています。

また「大分県のなんでもランキング」というページがありまして
鶏肉消費量マルショク・サンリブ店舗数が、全国第1位だと
いうことも初めて知りましたし、砂糖消費量全国第7位
上位にランクされていることから、県内の子ども達のむし歯
究めて多いという原因の一つだと、改めて納得した次第です。

この冊子の最初のページには、今年の学校歯科健診の結果が
各生徒に対して伝達されていまして、全校生徒にこの冊子が
配布されているのでしょうが、もし同校に子どもやお孫さんが
通っている保護者や祖父母の方等が、いらっしゃいましたら
是非とも読んでみて下さい…本当に良くまとめられています。

私が中学生だった頃は、あまりむし歯歯周病のことなんか
現在のように世間一般では、取り上げられていませんでした。
学校内においても、例えば保健の授業等で口腔内のことに関し
学んだ記憶は全く無く、重要視されていなかったと思います。

陶山歯科医院・徒然日記-東中学校小冊子1
(かなり詳しく、図解入りでまとめられています。)

最近は、口腔内の疾患が全身に影響を及ぼすことが認識され
TV等でも、口の中の健康について取り上げることが増えて
我々が子どもの頃に比べて、国民全体にも浸透してきました。
まだまだこれから…といったところですが、地域の中学生が
こうして取り上げてくれたことは、誠に嬉しかったですね。

ただし…この冊子には、フッ化物に関する記述はありません。
とても重要な項目ですし、むし歯予防には不可欠なんですが
今の学校事情から考えると、全校生徒に配布する冊子の中に
そこまで言及することは、出来なかったのかもしれません。