③報告
この話は、
僕とMさんという2人が歩道での行き違いから、トラブルに発展した件です。
事件性はありません。
事実がどうだったのかは、僕とMさんは分かっています。Mさんが周囲に嘘を言っている事は、ご本人だって分かっておられると思います。
結論から言うと、
全ての捜査を終えた数ヶ月後に、僕は起訴される事なく、検察庁からも来なくて良いと言われ、結末を迎えました。
そこに至るまで、紆余曲折はありますが、事実は一つしかない、こちらとしては事実を変える事はできません。当然の事ですが。
しかし、
事実を捻じ曲げたストーリーは出来上がっていた、と認識しています。事件を作る為のやり取りだったと、そう思います。
N警察署の担当取調官は、
最後の最後まで、僕が怪しいと印象づけた調書と現場写真.(何故か少し離れた場所の)防犯カメラ映像などを数多く集め、私は意義のある仕事として徹底した捜査を行いましたという形を作り、その結果「証拠はないけど、こいつ怪しくないですかぁ?」と思える報告を検察に提出したようです。
彼はその仕事において(平等ではない方向性で)かなりの努力を積んで、ベストを尽くしたのだと思います。
一方で、トラブルの当日から
僕の店の店長は、僕には何も言わずに後始末にわざわざ走って下さったのですから、本来なら僕は彼に感謝しなくてはなりません。
しかし今になっても、年数が経っても、本当に残念ながら素直に彼には感謝できないのです。
もちろん、僕に反省すべき点は多々あります。
はじめに、Mさんと当たった、当たってないと言いあった時に、僕の方から警察に電話して対処していれば、そんな酷い話にはならなかったと、後日いろんな人に言わましたが、確かにその通りだと思います。ただそれでも、Mさんがどう行動されたのかは分かりませんが、少なくとも始めに店長や会社の他の人に、余計な労力を使わせるような事はなかったと思います。
僕がすぐに1人で警察に連絡し、自分とMさんとが警察へ行き、対応して頂いて、間で店長やら誰やらという事なく、自分の事として早く対処すべきだったと思います。
後でそう、つくづく思いましたが、その時には何も考えず、こちらは当たってないのだからと、全く雑な対応だった事は、始まりの原因です。
ただ、ただ、、
その後のMさんの言動には明らかな嘘があり、対応してくれた筈の、店長の豹変と疑問が残る言動の数々…、は、こちらからすれば常軌を逸脱しており、それらを基に警察官の強引な取調べが始まった、と考えざるを得ません。
当日、Mさんはすぐに警察に電話をしたそうです。(たぶん事件にはならなかった為に)納得できずその後、A新聞社の本社に電話します。
そこで又アクシデント。
本社の人は、その場所を隣の店舗の管轄だという、間違いをMさんに教えてしまいます。
そしてMさんは、隣の店舗に怒鳴り込みに行ってしまいました。
当然そこに僕は居ませんし、連絡を受けた店長が1人で伺い、それを知らなかった僕は「逃げていた」事にされたのでした。
「上司は来てくれたけど、当の本人が来ないで逃げている」と、Mさんと警察官に更に印象を悪くしてしまったという事です。
何故、店長までもが、僕が「逃げている」ようなシュチュエーションにしてしまったのか?当日は僕が電話に出なかったのではなく、誰からも電話がなかったのが事実です。
連絡さえあれば当然、僕が行って話をします。
誰でもそうすると思います。
当事者でなければ話が分かりません。
Mさんと警察官も居たのだから、当然、当事者を呼ぶように言ったのではないか、と思います。
実際、「なぜ来なかった!」「来ないとあかんやろ!」と、警察官はいきなり怒ったのですから。僕は訳が分かりませんでしたが。。
警察からすると、僕が分かってて来なかったと思っているのだから、その時に、本人を呼んでくれと、店長に促したのではないかと思います。
しかし、
何故か、店長が拒んだのではないか?面倒だったのか、1人で充分だと思われたのか、理由は分かりませんが、、。
「本人は来ません」と。
Mさんと店長と警察官
当事者が欠けた状況で、何が話し合われたのか?
僕にとっては、この方が不気味です。
店長は、代表としての責任を背負って1人で行って下さったのかもしれません。しかし、、
その後の彼は何の説明も僕にはせずに、電話対応で警察官に「当たったかどうかは曖昧です」と180度豹変したとも取れる証言をしてしまいます。
それ以前に電話で警察官に
「あいつが1人でやりました、あいつは元々頭のおかしな子です……、だからあいつは何をするか分かりませんよ!」
と発言したのは、僕の聞き違いでも何でもありません。大きな声で興奮してそう言いました。
一体、どういう会話だったのか?
その後の彼は、本当に思い詰めた表情でまともに話そうとせず、奥さんに何か聞かれても、キレて怒鳴り散らすという有り様でした。
おそらくその時、僕が聞いても、逆切れするかごまかしただろうな、、と思います。
あれから、何年も経ってしまいましたが、、
彼には本当のことを話して頂きたい、あれは何だったのか?どういう意味なのか?
どうか僕に話しに来て下さい。
しかし実際には、
電話で警察とのやり取りが済んでから、
店長は僕に、一切、口を開く事さえなくなったのでした。。。
話を戻します。
…………………
電話口で警察官と話した後、
僕は夕刊配達に出て、配達途中に考え考え、、
警察に行くしかないし、すぐにでも行きたいと思うのですが、電話に出た警察官が担当であれば、同じ事を言うだろう「警察でどうこうはできないから、お互いに話し合って欲しい」と、
それなら行って帰って来るだけになるし、店長は間に入って解決してくれてるのか?何なのか?警察官との間で「民事不介入」などと、まるで話を奇妙にまとめてしまっている…し、
そもそも、「警察でどうこう出来ない」と介入しないなら、何であの警察官は電話して来たのだろう、、と
考えは堂々めぐりをするだけでした。
配達が終わる頃、携帯に電話があり
出ると今度は、
店長の弟さんからでした。
「こないだの件を話し合う」ので終わり次第、店に帰るようにとの事でした。
当新聞販売店は、家族経営で
まず社長がいて、奥さんが事務をしていて、長男が店長(僕の上司に当たる)、次男(弟さん)が社長経営の別店舗で働いている、という形です。
社長は外に出ている事が多く不在で、僕の店では息子さんである店長を中心に、僕を含む正社員4人とアルバイト.パートスタッフが毎日働いていました。当然、何かあれば店長に報告するのが普通であり、弟さんは同経営とは言え、他の店舗にいるので直接関わる事はありませんでした。
店に帰ると、店長は何処かへいなくなっており、
代わりに、その弟さんが居ました。
弟さんは、
「とにかく本社に報告を出すから」と書類に必要事項を書くよう指示しました。
その書類は、見た事はありましたが、事故の後に保険会社へ送ってもらう書類のはずでした。
確かに本社を通して保険会社に渡るのですが。。
さすがに「これを出すと交通事故だという事になるでしょ、事故ではないんですよ。
これを出すなら、先に警察に行ってないとダメなんじゃないですか?」と言うと、
「いや、もうコッチ先でいいから。事故ではありません、と書き添えて、状況はありのまま書いてくれたら良い。とにかく報告をしたいから。」
「しかし、まるで当たったと認めたように思われますよ。絶対に当たってませんから。」
「絶対に当たってません、も書いといて。」
弟さんの方が、割とぶっちゃけた性格をしており、やり方も順序も逆になってしまったが、この際はもう書いて出した方が良いか…?警察官は話し合えなどと言うのだから…、
「報告して、間に入って貰った方がええやろ。」
「確かにそうですね。話し合いなどできませんからね。」「そうそう」と、
僕はなるべく大きな字で分かるように
「これは事故ではありません。私は絶対に当たっていませんが、起きた事を報告し、間に入って頂く為に、書類を提出致します」
という様な事を書き添えました。
その日は、それを提出し、通常の仕事を終えて帰宅しました。
さて翌日、、、
出社すると「警察から電話あったから」と。
「すぐに来てくれって。当日乗ってたバイクと自賠責保険証を持ってすぐに行ってくれる?」
と奥さんに言われました。
「昨日、本社に書類を出した所ですが。」
「また何か、相手が警察行ったらしいわ。とにかく行かなあかんわ」と。
僕としては、正直ホッとしました。
とにかく行って、事実はMさんの言ってる事と全然違う、全て話して疑いを晴らそう、すぐに分かってもらえるはずだと。
原付バイクに乗り、信号待ちで青空を見上げ
「真実が明かされる日が来たのだ!」
と意気揚々と
僕は、N警察署に向かったのでした。。
つづく