これまで一人でバンドを支えてきたDG(Dave Grohl)に理解者ができたことで、作り出す音もパフォーマンスも変わってきます。

 

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5.バンドとしての力

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さて3rdアルバムでバンドの形も固まったFoo Fightersですが、衝撃的な事件が起こります。

 

2001年頃、このアルバムのツアー中に愛すべきドラマーのテイラーがヘロインのオーバードーズ(過剰摂取)で生死の境を彷徨います。

ガリガリなのにパワフルなので怪しいと思ってました(失礼

 

 

同じころ、DGは新作のレコーディングがうまくはかどらず、Foo Fightersのフロントマンでいることに対してもフラストレーションが溜まり、他のプロジェクトに目が行っています。

 

まずは悪友(Learn To FlyのPVで仲良くなった) ジャック・ブラックの「Tenacious D」

面白いんだけど、DGの必要性は無くね?という個人的感想。

https://www.youtube.com/watch?v=KLr8gnYpVsg

この赤い悪魔はDG…

 

Killing Jokeの「Killing Joke」(2003)

ちなみに「The Colour And The Shape」のボーナストラック「Requiem」という曲はKilling Jokeの曲です。

 

「QUEEN OF THE STONE AGE」(QOTSA)

DGとNirvana時代からの旧友、ジョシュ・オム(Josh Homme)のバンドにドラマーとして参加します。

↑これホントにDG?何かちっちゃくね?

183cmのDGが相当小っちゃく見えるジョシュの巨体193cm…

 

ジョシュはElvis好きなのが伝わってくる見た目のギターボーカルさんで、後に「Them Crooked Vultures」というバンドをDG、ジョン・ポール・ジョーンズ(John Paul Jones、ex:Led Zeppelin)のトリオで結成します。

(不幸なことに、ジョシュのバンド「Eagles of Death Metal」がテロの犠牲になったというのは記憶に新しいですね…)

 

ここでDGはとっても楽しそうにドラムを叩いています。実に彼らしい叩き方、フィルの入れ方、曲の盛り上げ方で。印象の残し方が実に上手い。。

Queens Of The Stone Age - No One Knows

https://www.youtube.com/watch?v=s88r_q7oufE

日本にも来ました!

Queens of the Stone Age - live in Japan with Dave Grohl, 2002

https://www.youtube.com/watch?v=gIvQweqP0XI

 

 

しかし!こんだけ掛け持ちしてるDGもインタビューではこう語ります。

「もしGuns N' Rosesから叩いてくれ!と言われても断るだろうね、だって音楽性とか作品に共感できないし、友達じゃないから」って。

ガンズを断るのは正解…

 

 

そんな中、2002年3月にはFoo Fighters名義で「The One」というシングル曲が発表されます。

これは「Orange County」という映画のサントラ用に書き下ろされた曲で、アルバム未収録ですね。

PVはまたお友達のジャック・ブラックの演技をDG(Dave Grohl

)が真似をして芝居のオーディションを受ける、という青春ラブストーリーですが、短髪のDGがカッコいいことしか頭に残りません。。

https://www.youtube.com/watch?v=1pMYC9Et5d0

バンド感はあまりないですね・・・

 

 

DGが外で活動の幅を広げると当然、残されたメンバーは「ちょっ…俺らは…どうすr」となるわけですね。そしてメンバーも他で活動を始めたり再開したりしていきます。

テイラーはEric Avery(Jane's Addiction)とのユニット、ネイトは在籍していた「Sunny Day Real Estate」のメンバーと活動、クリスも「Me First and the Gimme Gimmes」の再開、とそれぞれ活動していきます。

 

 

なんかバンドがバラバラに……ザワ……ザワザワ…

 

 

Foo Fightersは2002年4月にライブが決まっていました。

そのためにリハーサル開始ということで久々に集まったメンバーですが、以前のようにモチベーションは上がりません。

 

熱い男テイラーと熱い男DGがそこで衝突してしまいます。

そこでDGは「だったら辞めるか?」と強気に出るわけです。

その頃DGは御年33歳、厄年でもなくそろそろ落ち着いてもいい年頃なんですけどねぇ…

 

DGは「次のライブでうまく行かなかったらもうアレだかんな!」と言って突き放したその次のライブが2002年4月 の「Coachella Music and Arts Festival」です。

つい先日Guns N' Rosesが復活のライブを行い、DGが骨折した時の玉座を使用した場所ですね!運命の場所なんです、あそこは!みなさん朝夕はコーチェラ方面に供物を。

 

Foo Fighters: All My Life @ Coachella Music and Arts Festival 4/28/2002

https://www.youtube.com/watch?v=uWf0UHRi_CE

供物のおかげでライブの手ごたえも良く、ライブ後にテイラーと話し合って充実感も得られたDGご一行はStudio 606でアルバムを録りなおして制作を加速させます。

 

良かった良かった。。。

 

 

 

「One by One」(2002/10)

結果的には全米3位を勝ち取り、成功を手に入れたアルバムです。

DGが「ライブでやれる曲を作るんだ!」と気合を入れて作ったアルバムらしいので、今もライブで演奏される曲が多くあります。

 

<全曲解説>

1.All My Life

 あーかっこいい。あーかっこいい。

 https://www.youtube.com/watch?v=xQ04WbgI9rg

 構成シンプル。リフもシンプル。でも熱量高い。耳に残る。

 あーかっこいい。テイラーも安定の高露出度。

 ちゃんとロックバンドっぽいPVにやっとなってきたのも嬉しい。

 これもメンバーが固まった成果なんでしょう。

 (これがギタボでやってみたいけどサビの叫びが常人にはできないのよね…)

 あーかっこいい。

 この頃のDGさんはこの透明ギター(Dan Armstrong Lucite Guitar)を好んで使用、ギブソンのシグネチャーモデルが出る前ですね。

 

2.Low

 またジャック・ブラックと共演かよ。。。

 おいおい悪ふざけの始まりだぜ。。。。。

 https://www.youtube.com/watch?v=ySlZdASmGCM

 

 ですが、ワタクシ数あるFoo Fightersの曲の中で一番好きと言っていいのがこのへヴィな曲です。

 半音下げドロップDチューニングなのにメインのコードはGとそんなに低い音を使っているわけでもない。普通なら解放弦のDでドロドロにするところでしょうに、その辺がオシャレだなーとか。

 タムを多用したリズムとか、色気のある歌いまわしとか。全体に漂うスリリング感とか。

 疲れた時とかに聞きたくなる曲No.1(2015年度自社ランキング)です。

 

3.Have It All

 今作はアグレッシブに攻める曲が多いですね~

 1stの頃のコード感に戻った感がありますね、ちょい外しな粗いへヴィな感じの。

 でも今のFoo Fightersらしさは失っていないような空間の作り方。

 

4.Times Like These

 これも売れた曲ですね~、全米シングルチャート5位。

 PVはグリーンバックの前で演奏するサイケデリックな万華鏡イメージ。

 https://www.youtube.com/watch?v=rhzmNRtIp8k

 ワタクシはこのバージョンでの記憶。YouTubeで見つかりませんでした。。

 http://www.artistdirect.com/video/foo-fighters-times-like-these/48513

 別バージョンのアコースティック版。珍しく鍵盤も弾いてます。

 https://www.youtube.com/watch?v=05pTY9_Q7Rc

 

 当時DGは「これ俺書いた曲の中で一番いい曲だわ~、コーヒーちょうだい」と言っていたとか。(コーヒーのくだりは後々…)

 

 エピソードとして、アメリカ大統領選でGeorge W. Bushがこの曲を使おうとしてたんですね。

 ですが政治に巻き込まれることが嫌でブッシュを軽蔑すらしていたDGは、ブッシュのライバル、John Kerryの選挙キャンペーンに曲を提供しました。恐ろしい男…

 

 

5.Disenchanted Lullaby

 アルペジオから始まり、重ねたコーラスとこのダークな感じがたまりません。そして中盤からの叫び。

 素晴らしいところは、ほとんどB7のワンコードで、音符も8分音符しかでてこないところ。

 「ダダダダ  ダダダダ タトト (ウン)ダダダダ  ダダダダ」キメが文字化しやすい!シンプルなのにフックのあるDGらしさですね。

 

 直訳すると「幻滅の子守唄」。サバス感…

 

 

 

6.Tired Of You

 この曲はギター弾き語りの曲ですが、ギターを重ねてくれているのはあの大御所QueenのBrian Mayです。

 Rock and Roll Hall of Fameで一緒になったDGとQueenのメンバーは、DGの「ずっと前から好きだったんです~!ご一緒できるなんてファッ○ンアメージングです~♪」と言って近寄り、その後もウェンブリーでのライブでゲストに来てもらったり、テイラーがQueenの曲を歌ったり、密に交流していきます。

 DGの大物ころがしの面が本領発揮といったところでしょうか。

 

 

7.Halo

 ようやくこのアルバムで優しい感じの曲が出てきた、という感じですね。この曲調はアルバムWasting Light(2011年)などにも脈々と繋がるDGの王道でもあります。

 しかし白玉(全音符)が多い曲ですわ、サビの「は~~~ろ~~~~」のバックとか。すき間を詰め込みがちな昨今、これで間を持たせて聴かせられるのはさすがとしか。

 

 

8.Lonely As You

 このアルバムで思うのは、コーラスの重ね方にオシャレ感が出てきたというところですね。「One more time for the last time~」のとこなんか最大3声重なっているようです。

 これもメンバー固定のいい影響でしょうか、歌えるメンバーがいるのは強い。

 

 

9.Overdrive

 ライブ向きのドライブ感のある曲です。これ聞きながら東名をドライブしたいな~

 「Overdrive we're going life or death~♪」危ない危ない…安全運転で…

 バスドラ踏みっぱなしでドラマーは大変です。。

 

10.Burn Away

 これはDGによるとラブソングだそうです。

 Breathe for me from now on ,Breathe for me when I'm gone

 Burn out beyond ,Out beyond the sun

 直接的な表現をあえて避けているようなところも感じられますが、全てをカートに結びつけようとする周囲の影響もあるのでしょうか。 それがかえって普遍的な歌詞になり、息の長い曲になるという良い効果も出ているように感じます。

 

11.Come Back

 スペーシーな曲でアルバムの最後を迎えます。やはり長音符が多い。

 DGは「All My Lifeで始まりCome Backで終わるこのアルバムの構成は、通して聴くと 恋が始まり愛に救われるような、そんなアルバムになったよ。は、恥ずかしくなんかないんだからね!」と言っているとかいないとか。

 

 

 

ちなみに初回Bonus版には以下の曲が入っています。

1.Walking a Line

 https://www.youtube.com/watch?v=ApR2uw3QGEo

2.Sister Europe (The Psychedelic Furs Cover)

3.Danny Says (Ramones Cover)

4.Life of Illusion (Joe Walsh Cover)

 https://www.youtube.com/watch?v=ORsvJHG5aZk

5.For All the Cows (Live In Amsterdam 29 Feb 2000)

6.Monkey Wrench (Live In Melbourne 2 Feb 2000)

7.Next Year (Live In Melbourne 2 Feb 2000 (Chinese/U.K. Version Only)

 

 

 

このアルバムのヒットにより、Foo Fightersはロックバンドとして力をつけ、その地位を確立させます。

 

ですがDG自体はこのアルバムに対して「最初はいいけど、長く続かない」と自分で言っちゃってる評価の低い作品です。俺は好きだぞ!!

 

 

大御所とのコネもでき、演奏する会場もだんだん巨大化していき、フェスではトリを任されることも多くなり、自分たちも想像していなかったすごいことになっていくのです…

 

 

 

<次回予告>

6.結実