「熟成」って言葉がぴったりな再演でした。
あえて作り込まないっというか、作り込んで後で削っていくっというか、強調せずに染み込んでいる、っというか、
特にそれを感じたのは、小池徹平さん=L
漫画アニメ映画で描かれていたあの独特過ぎる描写、
例えば椅子の座り方とか、モノを持つときにつまむようにするとか、猫背で歩くとか、、、
それらが誇張されることなく演じられていて、わざとらしさを全く感じさせない演技が見事!
歌も「進化している」っと言うと簡単すぎるけど、
歌詞の細かいニュアンスで声を変えて、ロングトーンのクレッシェンドもそれはそれは心地よく
これぞミュージカル~な感じがとっても好き。
、、、再演「1789」のロナンが楽しみになってきました(^ ^)
夜神月=柿澤勇人さんも文句なし
少し硬質な声で特に大きな声を出す事なく「怒り」を表現し、
新世紀の救世主を名乗るときを見事に奢った声で歌い上げて、
佇まいと声一本で夜神月を体現させていました。
妹の夜神粧裕(やがみさゆ)役=高橋果鈴さんから 「♪理想のヒーロー」を歌われたとき、
あえての無表情を照れ隠しなのか客席に対して背を向けるシーンが印象的。
、、、そういえば、今回の演出は客席に対して背中を見せる事が多かったように感じた。
こちら側にその表情を想像させるため?
全く違う演出の意図?
ストーリは初演よりわかりやすくて
特にキラ逮捕のために来日したFBI捜査官ジョン・タイラーから、捜査官12人全員を名前をデスノートに書かせるシーンは、
前回の演出がイマイチわかりにくかったから(映画を見ていたから、どんな風にデスノートが使われていたかわかったくらいなので)、パーカーのフードを目深に被って目を見せない夜神月のニヤリを笑った顔と相まってゾクゾクした。
、、、そしてこのシーンから、夜神月というか「キラ」になる声と表情の変化も、オーバーじゃないけどはっきりわかる
弥海砂(あまねみさ)役 =唯月ふうかさんは、
両親を目の前で殺されて、その犯人はなぜか無罪で釈放された時、
デスノートで殺してくれた「キラ」に対する思いの深さ+幼い愛(と言ってしまっていいのかな、、、)が愛おしく見える。
警察に第二の「キラ」として逮捕され、十字架状の道具に張り付け拘束されながらでも、キッチリ歌いきるなんて、
見事!の言葉につきます
その拘束された場面で、もう一人 超絶見せ場があったのが
死神「レム」の 濱田めぐみさん
拘束されて身動き出来ない弥海砂の顔に優しく優しく触れて、
その手を体を沿わせるように下に下ろしていって、足元にうずくまり裸足を愛おしく撫でながら歌う「♪愚かな恋」
(8月29日 公開された映像より切り取り)
その歌にグズグズもらい泣きをしました
、、、後からお聞きした話で、ほぼ最前列で観た方の証言
「濱田さんがポロポロ泣きながら歌っていたよ」
その状態で、全く音程も音質も影響を受けないってどれだけの腹筋と背筋と声帯で支えているんだろう?
最高に素敵なシーンでした。
死神ディーク 役=俵和也さん
パンフレットも書き換えができていないくらい突然の代役。
歌の演技も安定していて、
ま、
前回の吉田鋼太郎さんほどの遊びはなかったけれど、正統派はデュークが好き
舞台中心が盆で回るので、寝転がったままの登場してゆっくり上半身をおこして、ニカっと笑って「ディークだ」って自己紹介するあたりクスクス笑えて、
「退屈」と「おもしれ~」のセリフだったり、表情がたくさんあって楽しかった。
最後、
夜神月はLをデスノートで自殺に追い込み、
デュークがデスノートに「夜神月」と書き、そして40秒後救世主「キラ」は死ぬ!
、、、暗転!終演!
客席全体が、呆然として、言葉もでなくて、とてつもない虚無感に襲われる
、、、まさか死神ディークが夜神月を殺すなんて!
、、、ディークは「つまらなくなった」と言った!
全ての事は、ただ手のひらの上で遊ばされていただけ?
そして割れんばかりの拍手と満場のスタンディングオベーション
結局、
死神の一時の気の迷いで、デスノートは落とされ、夜神月はその気まぐれの中で「神」になり、死んでいった、、、
主演の扱いじゃないよ~っと思ったけど、よく考えたら題名は「デスノート」だった(苦笑)
もともと
それに振り回された人たちの狂乱狂瀾を見てただけの事。
なんだかんださ〜
「長く生きているものには勝てない!」 よね、
「死神」しかり、刀剣乱舞の「三日月宗近」しかり!
、、、混戦妄想失礼しました
もう一回観たいです
(言い訳)
パソコンさんの機嫌が悪くてフォントが揃わない事、ごめんなさい