幼児期の自閉症の子たちと接しながら、

小学校の二年生になったミハの成長をいつも感じます。

ミハは幼児期の診断を受けた頃から比べると

本当に随分と成長してくれています。


診断を受けた頃、受動タイプだったミハには

パニックというものがあまりありませんでした。

「本人が怒っていないからといって、納得してるとは思わないように」

医師が私に釘を刺した言葉です。

子供の本当の気持ちを読み取ってあげなさい。

そう言われたのだと思います。

「イヤだ」という気持ちを表現することすら知らない子。

自閉症の子にはまず拒否することを教えてあげて。

拒否することを認めてあげて。


言葉が出始め「ヤダ」を覚えてから

「こわい」ということも増えました。

苦手なものを避けれるようになったということです。

その頃感覚統合療法を受けていてOTから

言葉をポジティブに言い換えることを勧められました。

「こわい」→「ドキドキするね」

「ヤダ、きらい」→「苦手かな」

親からの声かけを替えることで語彙も増え、

端的な言い方でなく微妙な表現も覚えていきました。


保育園年長の頃、担任の先生が

行事の時は事前に会場を見せるということをして下さってました。

事前に知っていると安心できる。

ミハ自身がそう感じて覚え始めた頃だと思います。


小学校一年生、学校に慣れてくると

先生に「不安だ」と言うことが多かったようです。

自分の気持ちを伝えることができる。

だから先生はその不安な気持ちにうまく対処してくださっていました。

そのうちに、行事など自分から「どんなことするの?」と聞けるようになったり、

交流級の先生にも事前に授業の予定を聞きにいけるようになりました。

「知っていると安心」ということを認識し、

不安な気持ちに対処すること、自分で人に聞く

ということが身についてきたときでした。


そして、二年生。

新しくかわった担任の先生にも

「不安だから付いてきて」と言えたそうです。

人にヘルプが出せるようになった。

本当に大きな成長です。


人に聞く、お願いする、

大人に言えば助けてもらえる。(信頼関係)

コミュニケーションの中でもこういう部分は

ミハとかかわってくれた今までの先生たちによって

積み重ねられたものだと思います。


拒否するスキル。

苦手や不安に対処するスキル。

人にヘルプを出すスキル。

確実にスキルアップしています。



まだまだ苦手なこともあるし、

身につけていかなくちゃいけないこともある。

経験がモノをいう子だと思います。

また少しずつ少しずつ成長が積み重なっていくでしょう。