『テミスの不確かな法廷』、とても、とても、面白かったです。
NHK総合のドラマ10(毎週火曜10時~10時45分 全8話)、現在は第4話(1/27)まで放送されています。次回は2/3で、明日です。
ところで、タイトルにある " テミス " ですが、 テミスとは、ギリシャ神話で語られている「法の女神」だそうで、劇中でも登場します。
それと原作ですが、たぶんと云うか、当然と云うか、司法関係者だと思ってはいましたが、原作の "直島翔さん" は "元司法記者" でした。裁判官、検察官、弁護士、を描くには、元司法記者は、なるほどなぁ~、思ったりしました。
それで、第4話なのですが、タイトルは「伝説の反逆児」。 この反逆児とは、安堂判事捕(松山ケンイチ)の上司で、出世街道から外れ、地方支部回りの、部長判事門倉だったのです。演じるのは遠藤憲一。
と、云う事で、第4話の主役は、安堂(松山ケンイチ)ではなく、門倉(遠藤憲一)となります。
この部長判事ですが、第1話から第3話までは、定年まで残り2年を日々平穏に過ごし、定年後は "公証人" のイスを願っているだけの、"長いモノには巻かれるタイプ" の判事に見えたのです。
でも、しかし、"癖のある遠藤憲一" が演じているのですから、何処かで、きっと、ぶち切れて、一泡吹かせる、と思って見ていました。
そして、そして、第4話は、運送会社の死亡事故の原因をめぐる裁判。死亡したドライバーの娘が、原因は不法な長時間労働であると、会社を訴えた裁判。
運送会社の背後に国の息がかかった外郭団体の影がちらつき、同期に任官した判事で、現在、最高裁事務総局長から「悪目立ちするな」と警告され、その場では、それなりに受け入れ、定年後に、公証人への任命を懇願するのでした。
因みに、公証人ですが、平均で約1,500万~2,000万円の年収があり、弁護士とか、検事とか、裁判官とかの、かなり、かなり、美味しい再就職先のようです。任命権は法務大臣だそうです。
それで、運送会社の死亡事故裁判ですが、長時間労働の実態を法廷で証言すると通告してきた証人を、会社側が口止め料を渡し証言を撤回せるのです。
部長判事門倉は、会社側による証人の買収、最高裁事務総局長からの警告を受け、原告が不利として、原告に和解を提案するのです。
そこで、原告側の女性弁護士から『あなたは私の憧れだった"沖縄軍事基地による環境汚染訴訟" "北陸原発運転差し止め訴訟" を愚直に真実を追求して正しく裁いた。それが牙を折られ、落ちるとこまで落ちたのですね』と、涙ながらに告げられます。
※因みに、上記2件の訴訟は最近のもので現在判決はでていません。
この二つの訴訟に対しての、門倉の判決により、出世街道から外され、定年まで地方裁判所まわりをさせられているのです。
門倉は『裁判官はロックでは生きていけないんだよ』と返答。若かりし頃の門倉は、ロックな生き方をしていたのです。忌野清志郎の『雨あがりの夜空に』を、任官37周年の記念パーティーで歌うシーンがあります。
このパーティーで、同期で出世した最高裁事務総局長から、係争中の裁判に対しての警告を受けるのです。
運送会社が、政治家を動かし、最高裁事務局長を使って、裁判に介入してきた事に、係争中の弁護士から私の憧れだったと告げられた事に、原告の娘による法廷証言で「ただ真実が知りたい」との涙ながらの訴えに、門倉のロック魂に火が付くのでした。
裁判官は、法律のみ基づいて判決を下すのです、がァ、実態は、世間の情勢に、そして、そして、時の政権の政策に忖度し、判決が下されています。
最近では、安倍総理暗殺事件の地裁判決がありましたが、山上被告の犯行に至る経緯はまったく無視され、殺害行為のみに言及した判決が下りました。統一教会と安倍や自民党との関係に、裁判所は触れたくなかったのです。
そもそも、政治的問題に触れる事案には、ほとんどの裁判所は、裁判官は、知らんぷりで、すっ呆けてしまうのです。
司法、行政、立法、三権分立は、現実には存在しません。司法と行政は政権与党が握り、人事と予算で司法を動かせるのです。そして、最悪なのは、自民党長期政権により、その体制はより強固となっています。
まあ、ちょっとばかし、横道に逸れました。兎に角、この裁判、一度は買収された証人が、安堂(松山ケンイチ)の行動により、長時間労働の実態を法廷で証言し、原告の勝利で終わります。めでたし、めでたし。
触れるの忘れましたが、主演の安堂判事(松山ケンイチ)は、発達障害・・・ASD(自閉スペクトラム症) と ADHD(注意欠如多動症)・・・ を周囲に隠している裁判官として描かれます。
それで、その演技ですが、これが、あの "ローソンのCM" でお馴染みの店員のお兄さんとは思えぬ、名演技。
発達障害の方をこれまでの人生で、一度も関わったことはありませんが、松山の演じる挙動が、とても、とても、それらしく見えるのです。まあ、症状については専門家の考証がされているとしても、名演技。
兎に角、発達障害の症状として「こだわり」が強調されています。いつも行く喫茶店で、いつものカウンターに座り、いつも、いつも"ナポリタン"を食べるのです。
安堂(松山)は、法律だけにこだわり、建前どおりに、法律に則り事件を裁くのです。病理的な要因で正しい判決がなされるのでした。
門倉(遠藤)は、時の権力に迎合せず、忖度せず、法律に則り、思想的な要因で事件を裁きました。
思想的要因は、地位とか、名誉とか、金銭とか、いろいろな雑念の、しがらみの影響を受けます。
病理的要因は、地位、名誉、金銭とか、いろいろな雑念の、しがらみの影響とは無縁です。
原作者の "直島翔さん" は "元司法記者" でした。記者時代に、思想的、病理的、双方の裁判官による判決を見てきたのでしょうか?
それとも、裁判の公正・中立・不偏不党 は、病理的要因の裁判官によってしか、保障されないと考えている?
それとも、法律のみをインプットしたAIに任せる?
まあ、兎に角、ふつうに働いても、労働力の再生が不可能な時代、 裁判も、そして、世の中も、病んでいるのかもね?
ホント、大変な時代です。
オジサンは、なんとか、逃げ切れそうですが、私より若い世代は逃げきれないかもね?
本日は、かなり、かなり、アルコールの力で綴っています。
はい、それでは、これで、本日の認知機能低下防止対策を終わります。
それでは、また。






