先日、ガンで亡くなった伯父の家族から

「形見をあげるから取りに来い」と電話があった。

ダンボールが2個と丁寧にビニールに包まれたナゾの物体。


伯母から「これをもらってくれるのはすすむ君しかいないのよ」と

渡されたブツとは…


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 なんと、伯父が大好きだった鉄道模型。

線路の幅が9mm程の小さな小さな鉄道模型だがこれでもちゃんと電気で動く。

耳をすませるとかすかではあるが「タタン、タタン…」と音がする。

生前、伯父がこっそり作っては遊んでいたらしい。

 うちの家系では珍しく几帳面な性格だったので丁寧に作り込んである。

伯父が小学校に上がる前にこんなエピソードがある。


 ある日お花の先生をしていた親父の実家で伯父がいないとお隣さんや生徒さんを

巻き込んで大騒ぎとなった。

祖父や親父が血眼になって伯父を捜すと、

道路に描かれた尋常ではないほど長大な列車の絵。

その絵を辿る事数百メートル先端に無心になって列車の絵を描く伯父がいた。

列車の絵はとても丁寧に描いてあり、道行く人も絵を避けて歩いていたという。

あまりにも上手に描いてあったので、祖父や親父は怒るどころか絶賛したらしい。



 伯父が絵を描く事や模型が大好きだったのもこの話を聞いて納得できる。

性格が几帳面という以外、何か俺と似ているこの伯父さん。

『なんちゃって鉄ちゃん』というのも親父より伯父の影響が大きかったのかもしれない。

葬式の時、偶然にも俺が『なんちゃって鉄ちゃん』という事がバレてしまった。

そこでこの模型たちを引き取ったというわけだが

線路に並ぶ蒸気機関車を1時間でも2時間でも眺めていても飽きがこない。

今にも石炭の燃える匂いがしてきそうだ。

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 同じ様に伯父もこの模型を眺めていたと思うとなんだか切なくなった。

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 伯父の想い出を乗せて小さなくろがねたちは今日も元気に走るのであった。

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