
南国とは言え肌を突き刺すような冷たい風が吹いている。
写真に写っているのは『ちりめん漁』の漁船。
2隻で1組。
くっついたまま漁場に向かい漁場に着くと網を張りながら離れていく。
まるで人生を供に歩んでいく夫婦みたいだ。
漁れたちりめんはすぐに傷んでしまうので高速船に積み替え
港に隣接する加工場ですぐにお湯で茹でられそのまま天日干しにされる。
その昔、仕事でこの船に乗った時
生でちりめんを食べさせてもらった事がある。
網からあがったちりめんをそのまま手ですくい海水の塩味だけで食べさせてもらった。
もちろんここでしか生では食べられない。
船の上でご飯にかけてもらったのだが
これがまたうまい!
ちりめんの甘さとほんのり海水の塩味が効いた味が何とも言えない。
何杯でもご飯がいけそうだ!
これも海に生きる男達の特権だろう…
そんな事を思い出しながらさっきから腹がぎゅるぎゅる鳴ってる。
あぁ、また食べたい…
静かな漁港で俺の腹の音も漁船のエンジンの音にかき消されるいじきたない朝だった。