今日は、ゴスペラーズの「ひとり」を、英訳してみました。

この曲、ずっと、英語にしてみたかったのよ。

本当に愛し始めると、「愛してる」って言えなくなる。。


それを、私は、実感したのよね。1年前ぐらいかな。。

それまでは、どっかの真似事のような恋愛表現を多用して、彼にしょっちゅう、スウィートなラブレターを書いていた。

だけれど、本当に、彼を愛してしまってからは、何も書けなくなったのよ。

どんな素敵な文章を書いても、この想いの丈を、伝えきれない。
どこか物足りず、薄ら寒いように思えて・・・。


そして、そんな大袈裟なことを、軽々しく書くことが、すごく無責任なように思えて、何も書けなくなっちゃったのよ。。


その時、この曲の「愛してる~って」の冒頭の意味を、真に理解したので、この恋の記念に、訳しておきます。

本当に素敵な歌で、大好きです。





ひとり / ゴスペラーズ
The One / The Gospellers
(作詞&作曲;村上てつや
/ Lyrics & Song; Tetsuya MURAKAMI)


「愛してる」って最近 言わなくなったのは
Recently, the reason I ceased to say "I Love You"
本当にあなたを愛し始めたから
Is because I've started loving you sincerely
瞳の奥にある小さな未来のひかり
Deepest in your eyes, there's a tiny of future light 
切なくて愛しくて吸い込まれてく
It's painful but sweet to me, and I'm being drawn into it 

たった一つのこと 約束したんだ
Just the one thing, I did promise you
これから二度と 離さないと
That I will never let go of you again
たった一人のため 歩いてゆくんだ
Just for the one person, I will walk through my life
あなたに二度と 悲しい歌
聴こえないように
As I shall never bring sad songs
To your ears again


不思議な気持ちさ 別の夢追いかけたあなたが
今僕のそばにいるなんて
What a wonderful feeling,
That though you chased another dream,
Now.. you're just right here by my side

うたがってた三月 涙が急にこぼれた
In March when I doubted you, I broke into the tears
許し始めた五月 わだかまりも夏に溶けてく
In May when I've just forgiven you,
Distrust was melting away into the Summer


たった一つのこと 約束したんだ
Just the one thing, I did promise you
これから二度と 離さないと
That I will never let go of you again
たった一人のため 歩いてゆくんだ
Just for the one person, I will walk through my life
あなたに二度と 悲しい歌
聴こえないように
As I shall never bring sad songs
To your ears again


前に恋してたあなたとは 今はもう別の人だね
Now..., you're quite another one 
From who I used to love

こんなに静かに激しく あなたのこと愛してる
This much peacefully but passionately,
I am loving just you


たった一つのこと 約束したんだ
Just the one thing, I did promise you
これから二度と 離さないと
That I will never let go of you again
たった一人のため 歩いてゆくんだ
Just for the one person, I will walk through my life
あなたに二度と 悲しい歌
聴こえないように
As I shall never bring sad songs
To your ears again...



以上です。

この曲が醸し出す、それぞれの表現がもつイメージと、本当に愛し始めたときの心境を思い出して、適した英語を、選んでみました。


幾つか、こだわりポイントを・・・。

「愛してる」って最近 言わなくなったのは
Recently, the reason I ceased to say "I Love You"
本当にあなたを愛し始めたから
Is because I've started loving you sincerely

cease to do は、~しなくなる
 と言う意味
stop よりも、詩的かと思って。。

The reason why S + V is because~;
Sが、Vしたのは、~だからだ


The reason と why は、どちらか1つは、省略ができる。
(The reason だけでも、why だけでもいい。)

「本当に」 っていうのは、really でもいいんだけれど、何だか違うのよね。。

愛の深さが、浅い気がして・・・。
私は、心から、真の意味で って言う意味だと思う。

truly と迷ったけど、間違いなく って言う意味じゃなくて、
sincerely 誠意をもって、心から、真摯に、真剣に という意味の言葉を選んでみた。

「始まる」は、PCなどの機械の起動と、事業の開業を除いて、begin と start のどちらを使ってもいいらしい。

でも、基本として、それぞれの反対語は、

begin 始まる → end  終わる
start  始まる → stop  止まる、やめる


愛する事は、終わらない・・・なので、多分、
愛する事をやめる に対応する、start が妥当かと思う。


瞳の奥にある小さな未来のひかり
Deepest in your eyes, there's a tiny of future light 
切なくて愛しくて吸い込まれてく
It's painful but sweet to me, and I'm being drawn into it 

tiny ってのは、とっても、ちっちゃい っていう意味。。

「吸い込まれていく」
のは、すごく難しい。。

光の誘因力で、ブラックホールみたいに、何かの力で、心が吸い寄せられて、彼女を愛さざるを得ない・・・。

そんな感じじゃない

だから、スポンジのように、吸収するのではないと思うのよね。。
掃除機や息のように、空気を吸い込む のでもない気がする。

彼女の瞳の奥の光に、心が惹きつけられる っていうことだと思うので、

draw 人 into/to 物; (人の心を)魅力で引き付ける

と言う意味がある表現を選んでみた。


たった一つのこと 約束したんだ
Just the one thing, I did promise you
これから二度と 離さないと
That I will never let go of you again

ここは、こだわりポイント。

※ promise したのは、we じゃなくて、I だった・・・。


僕は、絶対に、君を行かせない。
 I'll never let you go.   

じゃなくて、let go of は、

今、僕が掴んでいる君を、絶対に離さないよ!
 っていう意味

let go of ;(今、掴んでいるものから)手を離す 

Don't let go of the rope! 
そのロープから、手を離すな!

I never let go of your hand.
僕は、絶対に、君の手を離さないよ。

そして、

たった一人のため 歩いてゆくんだ
Just for the one person, I will walk through my life
あなたに二度と 悲しい歌 聴こえないように
So that I shall never bring sad songs To your ears again

walk through my life
は、
僕の人生が終わるまで、一生、歩んでいく と言う意味 

次が難しい。。超難関。。

最初、reach を使いたかったのね。。

(物) reach to one's ears;
(噂などが)人の耳に届く 


未来への強い意志・義務 だから、shall を使いたかったのよ。。

でも、無生物主語だと、shall が使いにくい。。

だから、reach  の表現が使えず、I を主語にして、使えるフレーズを探していたら、これになりました。

bring music to 人; 人に、音楽を届ける


私が、今後、悲しい歌を、あなたの耳に、二度と、届けることがないように・・・
 

としてみました。 

悲しい歌が、彼女に聴こえる
= 僕が、彼女を悲しませることで、
彼女に、悲しい音楽を聴きたい気分をさせてしまう 


要は、彼側の立場に立つと、こういうことです。

僕は、絶対に、君に悲しい想いは、させないよ
一生懸けて、君を愛するよ、幸せにするよ


という、愛の意志  なのです

だから、悲しい歌が、君の耳に入らなければいいね~ とか、

君が聴こえないように、音量を下げとくよ~とか、

そんな彼女の趣味趣向、環境的、物理的な意味じゃないってことです。

だから、やっぱり、主語は、I じゃなくてはならない訳です。

shall の強い意志、義務感 
が、生きてくるのです。

彼の自分自身への、愛の決意・誓いなんですから!!


※追記
「~ように」ですが、As は、比較・程度なので、違った。

ここは、目的だから、so that でした。。

後ろが肯定文だと、後ろから、~するように
否定文だと、後ろから、~しないように と訳せる。

※追々記
いやいや、So that の後ろに、shall は、おかしいということになり、
やっぱり、理由の As に戻した。

Because や、For でも良かったんだけれどね・・・。

そして、そして・・・、

不思議な気持ちさ 別の夢追いかけたあなたが 今僕のそばにいるなんて
What a wonderful feeling, that though you chased another dream,
Now you're just right here by my side


この文は、日本語のフレーズに合わせるのが難しくて・・・。
思い切って、感嘆文にしてみました。。

What a pity that節! ~するなんて、何と残念なことだ!
 

that 節
の中に、接続詞は入れられるらしいので、you の主格関係代名詞じゃなくて、副文にしてみた。

「不思議な」 は、strange, odd, mysterious, wonderful, magical, amazing, miraculous など、色々あるのですが、

strange
 が、どうしても、私には、ネガティブなんですよね・・・。
奇妙で、変、おかしな感じ?

もっと、七不思議的な、運命のいたずら的な、信じられない、驚くべき というような意味を探していたのです。そうすると、やっぱり、wonderful なのかな。。

「気持ち」 feeling は、複数形の 感情じゃなくて、
多分、感覚、印象、感じ だから、単数形 なはず。

「疑う」は、doubt と suspect の二つがあるけど、この意味の違いは、何度覚えても忘れる・・・。

doubt は、ないことを疑う
suspect は、あることを疑う

doubt = 信用できないと、疑う、確信できない
人間性を疑う、言葉の真偽を疑う、
彼は、来ないんじゃないかと、疑う(よくわからない)

suspect = 罪があると、疑う、疑わしい所がある

浮気したんじゃないか、嘘をついたんじゃないかと疑う、
病気なんじゃないかと、うすうす気が付く(心当たりがある)


「突然、涙がこぼれる」は、suddenly を使ってもいいんだけれど、

burst/break into tears; 突然、泣き出す と言う意味がある。

burst だと、爆発する感じ?
break だと、泣き崩れるぐらい?


多分、突然、感情が爆発して、泣き叫ぶ訳じゃないと思ったので、break にしておいた。


あと、「わだかまり」 とは、何かと考えると、不信感 なんじゃないかと。。
だから、Distrust にしてみた。


前に恋してたあなたとは 今はもう別の人だね
Now..., you're quite another one 
From who I used to love


「前に・・・」と言っているのに、語順の関係上、Before にできない。。
英語と日本語の語順のロジックが・・・。

S is quite another person*/a different person* from~
Sは、~とは、全くの別人だ

*person, man, one 何でもいいです。

another には、an が不要。

前に恋してたあなた 
= who I used to love  かつて私が愛していた人

名詞(人)なら、from の後ろも、名詞(人)に揃えなければならない。

S is a different one from who I used to love
Sは、私が、かつて愛していた人とは、まったく別の人だ

形容詞なら、from の後ろも、形容詞(程度)に揃える

S is quite different from how I used to love
Sは、私が、かつて愛していた感じとは、まったく違う



こんなに静かに激しく あなたのこと愛してる
This much peacefully but passionately, 
I am loving just you


そして、「静かな愛」 っていうのは、物音ひとつしない静寂(quiet)じゃなくて、

穏やかで、心にネガティブな発想、不安で苦しむことのない、「平和な心」 

そう思ったので、peacefully にしてみました。

(単に、quite different と、quiet が紛らわしいという点も、懸念した。。

gentle だと、優しく温かい感じの「静か」よね。。

でも、ここは多分、

彼女に対する「疑念」とか、「わだかまり」が消えて、彼の心に、平和な愛が訪れた。

前後関係から、これが、一番しっくりきた。

そして、

I'm just loving you でなく、I'm loving just you なのは、

just は、直後の言葉を、強調するから!

彼女が、昔とは、全く別人になったから、静かに激しく、愛することができたのです。

だから、「愛すること」じゃなくて、「あなた」を強調してみました。

そんな君だから、僕は、愛するんだ 
 っていうことです。

何故、現在進行形かと言うと、I do love you にしても、字足らずだから・・・。

あと、今、まさに愛している感 が出るしね 


こんな感じかな。。

また、気付いたら、ちょくちょく変えるかもしれません。。

こんな風に、誰か、私を、本気で愛し始めてくれる人が欲しい・・・。