本が好きだ。

子供の頃からずっと好きだった。
最初は母親が買ってくれた本を片っ端から読んでいた。そのほとんどは最初、母が兄に読ませようとしたものの、全く読まれずに放置されたものを自分が読み漁るようになっただけだった、ということは後になって分かったことだけど笑。

母親の好みは、いわゆる名作よりも児童文学だったらしく、今思うとちょっとひねりの効いたものが多かったように思う。他にはなぜか偉人伝も多かった。エジソン、リンカーン、キュリー夫人、野口英世、、何か意図があったどうかは分からないが、貪るように読んだ。

そのうちに図書館に通うようになる。
徒歩で行けるところにはなかったので、バスに乗れるようになると、バス一本で行ける図書館に通って今度は怪人二十面相シリーズのとりことなる。少年探偵団の小林少年が誘拐された時に、七つ道具の一つを使って、道におはじきのようなものを落として目印にするところなど、ワクワクして読んでいた。

中学生になると学校の図書館でも借りて読み、自分で本屋で選んでも買うようになる。塾の友達が面白いと言って読んでいた星新一を読んだら、これがもう面白くて面白くて!一冊ずつ文庫を買って何度も読んでいたのは中学2年の頃だったか。

その後、兄の影響で清水義範を読むようになる。「蕎麦ときしめん」「国語入試問題必勝法」などは、表紙の折り返し部分が切れそうになるくらい読んだ。

面白い本が増えると、それを分かってもらいたくなる。漫画でも本でも同じだけれど、こんなに面白い本があるよ、と言って、友達にも、本当だ、面白い!!と言ってもらいたいのである。自己顕示欲の表れか。

・・・しかし何故か失敗の記憶が多い。
一番最初は、短大の時。
何を勧めたのか忘れたけれど、これほんとに面白いよ!!と言って貸したものが、ものすごく薄い反応で、おざなりな「ありがとう」の一言と共に返ってきた時のガッカリ感。

そのトラウマがあって、どうも人に無邪気に本を薦めることができない(本当にテイストが合う、と分かってる人はべつだけど、それでもちょっと手探り感はあるのだ。笑)

でもその反対に、人から本を薦められるのは大好き。自分が知らなかったために、目に入らず、選ぼうとしなかった本を紹介されて、それが面白かった時の嬉しさと言ったらない!(ただ、稀に面白くない時もあるので、返す時の自分はやはり曖昧な薄い笑みを浮かべているに違いないけど)

世の中にこんなに沢山の本があるんだなぁ、、すごいよなぁ、、と本屋の通路で、思わず立ち止まって深呼吸してしまうこともある。本屋に行くのも大好きだ。未知との遭遇。

さて、今も友人から紹介された本を読んでいる。面白い!!
面白いと思った気持ちや、どこでそう思ったか、の箇所を伝えたい!と思ってもタイミングを逃して熱量が落ちることもある。記録が必要だな、、と読書ノートを買ってみたものの、書くタイミングさえも逃している。
今日こそ書こう。
本との出会いも一期一会的なら、頭の中に浮かんだ感想も一期一会。

今日と一年後では感じることが絶対違うから。

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