江戸前のすし(寿司・鮨・鮓) /究極の仕入れ・仕込み・レシピ -2ページ目

江戸前のすし(寿司・鮨・鮓) /究極の仕入れ・仕込み・レシピ

http://sushi.boards.net/ の管理人(元料理人)です。

◆商業目的ではありません。 ご安心ください。
◆主として、ホームページ更新情報を書いていきます。
◆返信できません。

オニオコゼ (以下、「オコゼ」)は、江戸前のすし店ではあまり使われません。
私もすしネタ(タネ)として特別に推奨するわけではなく、活け物を薄造りにするのが主でしたが、我が家では淡白な白身魚の中で最も人気があり、したがって頻繁に使ったので、この魚について触れないわけにはいかないという思いがあります。

また、上物のオコゼを一番美味しい時期に食べている人が意外に少なく、フグの代用品くらいにしか思っていない半可通もけっこういて、この魚が不当に評価されることも多いため、ぜひとも取り上げたいと思いました。

私はフグも大好きで、トラフグだけでも使いたかったのですが、両親はフグを食べない主義なので、残念ながら使えませんでした。
オコゼにもフグにも、それぞれに素敵な持ち味があり、私には甲乙つけることが出来ません。

俗に毒のある魚は美味しいなどと云いますが、オコゼの背ビレには毒棘があります。
私が働いていた日本料理店ではオコゼを使っていましたが、幸い職場でも家でも毒棘を刺すことはありませんでした。
築地場内には、水槽にいるオコゼを素手で捕えたり、背ビレを持ったりする強者がたくさんいましたが、刺されたことのある人も多いらしく、いくつかの仲卸しの方々から、その悲惨な体験を聞きました。
刺された手は腫れ上がり腕全体に長時間激痛が走ったとか、何日も肩が上がらなかったとか、とにかくかなり強い毒のようです。(いずれの方も病院に行かずに応急処置だけで済ませたそうなので、余計に苦しんだと思います。)
万が一刺してしまった場合は、すぐに対応可能な病院で治療を受けてください。

オニカサゴも美味しい魚ですが、やはり背ビレに毒棘があり、オニカサゴを釣りに行った時に同じ船に乗っていた釣り人が刺され、激痛に苦しむ姿を目の当たりにしたことがあります。
オコゼもオニカサゴも、死んだ後でも背ビレには毒がありますので、くれぐれも気をつけて扱ってください。

1.仕入れ (築地場内)

続きはこちらで↓ ※商業目的ではありません。
http://sushi.boards.net/thread/48/oniokoze-okoze-edomae

↓↓↓クリック、よろしくお願いします。m(_ _)m
 
人気ブログランキングへ
光もののうち、使用頻度は低かったものの、触れておくべき重要なネタ(タネ)を取り上げます。

◆キス (シロギス, 白鱚)

シロギス(以下、「キス」)は伝統的な江戸前のすしネタですが、
一部の老舗系のすし店以外では、長いことあまり使われませんでした。
最近は、若手・中堅の名店でもよく使われています。

子供の頃から、東京湾で陸からも船の上からもよく釣った魚で、とても愛着があります。
釣った数は、父の分と合わせれば、軽く1万匹を超えるでしょう。
身質がとても上品で、日本料理でもよく使われる魚です。

旬は春から初夏にかけてですが、夏の産卵期後、
秋深まる頃にはだいぶ身質が回復し流通量も増えてくるので、その時期にも使われます。
春から初夏と秋から初冬あたりがすし店で主に使われる次期です。

江戸前のすしでは、通常カスゴマアジと同様に背開きで、天ぷらやアジフライのような形に卸します。
光をとばさないよう塩水を使うこと、
ならびに卸し方はカスゴと同じ(片身づけの場合、尻ビレを外す処理は無し)ですので、カスゴのページを参考にしてください。
私は、尾は使わないので切り落としました。(一般的)

やや小さ目の片身づけサイズ(片身で1カン)が多く使われ、その場合は骨抜きを省略することもできますが、
大き目のキスを使う場合、骨抜きは必須となります。
私は、片身づけサイズでも、幅がありふっくらとしたものを主に使いましたので、必ず骨を抜いていました。

キスのすしにも色々とありますが、私が好んだ仕込みは以下の通りです。

続きはこちらで↓ ※商業目的ではありません。
http://sushi.boards.net/thread/47/shirogisu-sayori-recipe-edomae

↓↓↓クリック、よろしくお願いします。m(_ _)m
 
人気ブログランキングへ
アジ科の魚カイワリは、一般的には知名度が低いですが、釣り人の間ではその美味と共に良く知られています。
料理人の間では、ヒラアジと呼ぶことも多いです。
ただし、地域によっては、ヒラアジは別の種類のアジを指します。

子供の頃から、父と東京湾口や外海で釣りをしている時に、外道(狙った魚以外)でよく釣れました。
釣れるのは小さなものがほとんどなのですが、たまに大きなサイズが釣れた時には、思わずガッツポーズが出ました。
大型のカイワリは、とても美味しいからです。

もしも 「青もの」 という分類項目を設けなければ、「白身」 に分類しておけばいいのですが、このサイトでは 「青もの」 を分類項目の一つとしており、持ち味がシマアジに近いので、とりあえず 「白身」 ではなく 「青もの」 に分類しておきました。
でも、少し違和感があります(笑)

江戸前のすしの定番ネタ(タネ)ではなく、すし店では見たことも食べたこともありませんが、江戸前のすしに合うので紹介させていただきます。

1.仕入れ(築地場内)

続きはこちらで↓ ※商業目的ではありません。
http://sushi.boards.net/thread/46/kaiwari-hiraaji-edomae

↓↓↓クリック、よろしくお願いします。m(_ _)m
 
人気ブログランキングへ
老舗系の江戸前のすし店では、頑なにウニを使わないところもありますが、今や多くのすし店で1年中使われる定番ネタ(タネ)です。

ウニのすしと云えば、かつては軍艦巻一辺倒でしたが、今はウニのみの握りや、イカ ・ イクラ ・ マグロのトロ ・ 子持ち昆布 ・ ゆば ・ キュウリ等と組み合わせたり、塩 ・ カンキツ果汁を使ったりと様々です。

日本の食用のウニにも色々ありますが、東京のすしの名店では、
キタムラサキウニ ・ エゾバフンウニ ・ アカウニの3種が主に使われていると思います。
私も、最終的にはこの3種に落ち着きました。

築地では、バフンウニ系のウニを「赤ウニ」、ムラサキウニ系のウニを「白ウニ」と呼んだりしますが、ここでいうアカウニは別の種類のウニです。

以前、東京のすし店ではアカウニは使われず、築地での扱いもなかったようですが、若手・中堅のすしの名店が、こぞって産地直送の唐津産(佐賀)のアカウニを使いだしてから広まり、後に築地場内でも扱われるようになったようです。

私に初めてシマアジを食べさせてくれた姉は、ウニが大好物でした。
シマアジで恩返しすることは出来ませんでしたが、姉が病気で亡くなる少し前、彼女が一番好きなキタムラサキウニの上物で作った軍艦巻を、思う存分食べてもらいました。
ウニといえば、その時の姉の笑顔を思い出します。
私にとって、かけがえのない思い出です。

1.仕入れ (各地, 築地場内)

続きはこちらで↓
 ※商業目的ではありません。

http://sushi.boards.net/thread/45/uni-edomae

↓↓↓クリック、よろしくお願いします。m(_ _)m
 
人気ブログランキングへ
カンパチは、シマアジに次ぐ青ものの高級魚。
養殖が盛んで、スーパー等でもよく見かけますが、
天然物は小さなものを除き、一般にはほとんど流通しない希少な魚です。

モッチリ・ネットリしていて少し硬めの身質は、よく羊羹(ようかん)に例えられます。
東京のすし店でもよく使われますが、上物を使うすし店は限られます。

カンパチ ・ ヒラマサ ・ ブリは外見が似ていますが、見慣れればすぐに違いが分かるでしょう。
当然味わいにも明確な違いがあります。
でも、日本の食の評論家には、
カンパチ ・ ヒラマサ ・ イナダ(ブリの若魚)の味の違いさえ分からないようなレベルの人達が多いように感じます。
当然、彼らには淡白な白身魚の食べ分けも出来ないでしょうし、
他の食材や料理の味も香りもきちんと理解できないでしょう。

実際、彼らからはプロフェッショナルらしきものを感じたことがありません。
素人同然の単なる能書き、宣伝、賞賛、バッシングに終始しています。
日本には素晴らしい食材があり、優れた料理人がたくさんいる反面、
食の評論家のレベルは、あまりにも低すぎると思います。
食の評論家に、魚の食べ分けをさせるテレビ番組があれば視てみたいと思います(笑)
もっとも、メジャーな評論家は、恐れて出演しないでしょうが。


1.仕入れ

続きはこちらで↓ ※商業目的ではありません。
http://sushi.boards.net/thread/44/kanpachi-edomae

↓↓↓クリック、よろしくお願いします。m(_ _)m
 
人気ブログランキングへ
江戸前のすしでは、卵焼きを「玉子焼き」又は「玉(ぎょく)」と称するのが普通です。

東京の江戸前のすし店の玉子焼きの材料は、概ね以下のように分類できると思います。(混合型もあります。)

a.卵+ダシ+調味料

b. 卵+ダシ+調味料+具 (クルマエビアナゴ ・ ウニ ・ 小柱 ・ ミツバ 等)

c. 卵+調味料

d. 卵+調味料+すり身 (シバエビ ・ 小さいクルマエビ ・ シロエビ ・ 淡白な白身魚 ・ 小柱 等)又はおぼろ

e. 卵+調味料+すり身 (シバエビ ・ 小さいクルマエビ ・ シロエビ ・ 淡白な白身魚 ・ 小柱 等)+イチョウイモ(関東での呼称は大和イモ)又はツクネイモ  ※イチョウイモが圧倒的に多い。


aとbは普通巻いて焼かれ、c ・ d ・ eは普通巻かずに焼かれます。
最も多いのはaで、いわゆる関東風の甘いダシ巻き卵です。(巻かずに薄焼きにするすし店も稀にあります。)
名店のほとんどは、伝統的なd又はeです。
江戸前のすしの世界では、狭義には、伝統的なすり身を入れて巻かずに焼くもののみを玉(ぎょく)と呼ぶようです。
私がここで紹介するのもdとeです。

dは薄焼き、eは厚焼きにするのが普通です。
より多いのはeで、高級店のほとんどはeです。
dは江戸時代又は明治初期から続く老舗やその出身者の店に多いようです。

多くのすし店でdとeの玉子焼きを食べ、自分でも何度も試ましたが、
すしネタ(タネ)として私が評価するのはdの薄焼きです。

dは、シャリとの相性がとても良く、自分好みの味にして握ると、とても美味しくなります。
玉子焼きだけで食べるよりも、シャリと合わせた方が断然美味しいと思います。

反面eは、あまり言われないことですが、そのまま食べるととても美味しいのに、握るとシャリとの相性があまり良くないため、美味しさが半減してしまいます。
イチョウイモ(又はツクネイモ)のせいです。
eの玉子焼きを出すすし店で、“オマカセ”で食べると握られず、
“オコノミ”で注文すると「握りますか?」と必ず聞かれるのは、お客の多くが握らない方を好むことに加え、すし店側でもシャリとあまり相性が良くないことを自覚しているのが本当の理由だと思います。
eの玉子焼きをあえてすしにするならば、シャリに具を混ぜ、そのシャリを玉子焼きで巻く昔風のやり方の方が良いと思います。

私は、dの玉子焼きはすしネタ、eの玉子焼きはおかず(正月のおせち料理等)として区別しました。

1.仕入れ

続きはこちらで↓ ※商業目的ではありません。
http://sushi.boards.net/thread/43/tamagoyaki-gyoku-recipe-edomae

↓↓↓クリック、よろしくお願いします。m(_ _)m
 
人気ブログランキングへ
マコガレイは、大分県日出町の「城下かれい」で有名なカレイです。
江戸前のすしでは伝統的なネタ(タネ)ではありませんが、一定レベル以上の東京のすし店では、今や夏の定番という感じです。

子供の頃から、父と東京湾で頻繁に釣った魚なので、個人的にとても愛着があります。
東京湾の釣り人達は、小さなものを「から揚げサイズ」、大きなものを「お刺身サイズ」と呼んでいました。
実は小さなものでも、身が活きているうちならば、刺身でもけっこう美味しく食べることが出来るのですが、活け締めしても活けの身質を保てる時間はわずかで、また生きたまま持ち帰るのは、よほど準備していない限り難しいため(小さなものは生命力が弱い)、から揚げなどで食べることになるわけです。

東京湾では「お刺身サイズ」がなかなか釣れないのですが、子供の頃は、イシガレイと共に、船からも陸からも、今よりは多く大型のもの(と云っても2キロに満たない)が釣れました。
段々と「お刺身サイズ」が釣れる頻度は落ちてしまい、最後に大型を釣ったのは父が羽田沖、私が富津沖でしたが、両方ともとても美味しかったのを今でもはっきりと覚えています。

1.仕入れ (築地場内)

元々マコガレイは高級魚ではなかったはずですが、今や活けの上物は大変な高値です。
築地場内では、夏のマコガレイの相場は冬のヒラメと同格で、入荷が少なくなる真夏には上回ることも珍しくありませんでした。
漁獲量が激減したこと、流通の発達により活けのマコガレイの美味しさが広く知れ渡ったこと、活けの白身に良いものが少ない夏に使えること、すし店の需要が激増したことなどが原因でしょう。

マコガレイは、活けでなければ真価が発揮されません。
当然、活けを狙います。

続きはこちらで↓ ※商業目的ではありません。
http://sushi.boards.net/thread/42/makogarei-karei-edomae

↓↓↓クリック、よろしくお願いします。m(_ _)m
 
人気ブログランキングへ
東京の江戸前のすし店で昔から使われてきたタコは、マダコです。
ミズダコやイイダコを使うすし店も中にはあります。

ミズダコは、それなりに漁獲量があり、カットされても元気に動く腕が安く販売されるので、若い頃によく使いました。
従来、江戸前のすしではあまり重要視されてきませんでしたが、
最近は東京の高級すし店でも、好んで使っているところがあります。

イイダコは、子供の頃から東京湾でよく釣りました。
子持ちの時期にすしにしてみたかったのですが、いざ仕入れようと思っても使いたいと思うようなイイダコが見つからなかったので、できませんでした。
東京でイイダコを使うすし店がほとんどない理由の一つも、同じかもしれません。

以下は、マダコについてです。
マダコの丸い部分を胴(俗に頭)、目のあたりを頭、8本あるのを腕(俗に足)と表記します。

1.仕入れ (明石, 築地場内)

マダコは、同じ産地でも産卵期の違いにより、大きく分けて、夏に旬を迎えるものと、冬に旬を迎えるものとがあります。
したがって、きちんと選別していけば、ほぼ年間を通じて質の良いものが入手でき、そのため1年中マダコを使うすし店もあります。

特に有名な産地は、瀬戸内海の明石と下津井(岡山)、三浦半島の佐島です。
最も美味しいサイズは、2.5キロくらいで腕がズングリと太ったものです。
2キロに満たない小さなものは風味に欠け、3キロ以上になると大味で評価は低くなります。
私は、明石のものを産地直送で、佐島のものを築地場内で仕入れました。

明石

マダイでもお世話になった明石の仲買のご主人に、ズングリとした2.5キロ前後の上物を、活け締めし内臓とスミ袋をとってから送っていただきました。
明石のマダコは、卵や子を含め、料理人時代に仕事で使っていたのでよく知っているのですが、本当にすごいと思います。
明石は、マダイをはじめ他の魚介類もすごいのですが、マダコの質は、ずば抜けていると思います。
明石の上物が手に入りやすいのは夏です。

築地場内

築地場内には、明石や下津井の上物はありませんでした。
仕入れたのは、佐島産のズングリとした2.5キロ前後の上物。
活け締めし内臓とスミ袋をとっていただいてから、持ち帰りました。
佐島の上物が手に入りやすいのは冬です。
佐島産のマダコも、なかなかのものです。
でも、私の経験では明石産とはかなり差があります。
佐島はマダイでも有名ですが、明石産と比べた場合、マダイの差よりもマダコの差の方がずっと大きいと思います。

ただし、明石産は産地直送で、佐島産は築地経由なので、公平な比較ではありません。
マダイもマダコも、佐島産は生け簀で築地に運ばれ、築地に着いた後も生け簀に入れられ、活け締めまでの時間が明石産よりも長く、受けるストレスも大きいので、味と香りを落としてしまいます。

2.仕込みと供し方

既に茹でられたマダコを使うすし店も多いですが、一定レベル以上の東京のすし店では、自店で調理しています。
生かそれに近い形で使われることもありますが、普通は茹でダコか煮ダコにします。(煮ダコの方が多いと思います)
※ここでは、「茹でダコ」はダシ・ 醤油 ・ 日本酒などで味をつけないもの、煮ダコは味をつけるものとして定義しています。

両方とも紹介させていただきます。

続きはこちらで↓ ※商業目的ではありません。
http://sushi.boards.net/thread/41/tako-madako-recipe-edomae

↓↓↓クリック、よろしくお願いします。m(_ _)m
 
人気ブログランキングへ
姉がOLになって初めて迎えた6月、
「ボーナスもらったから、シマアジのおすしを食べに行こう!」
と、私を誘ってくれました。
会社の人が連れて行ってくれたすし店で、とても美味しいシマアジのすしをご馳走になったから、そこで食べようという嬉しい誘いでした。
私はまだ学生で、シマアジを食べたことはありませんでしたが、
釣りが趣味で魚には詳しかったので、シマアジがどれほど貴重な魚なのかを知っていました。

姉は、電話でシマアジがあるかどうかを確認した上で予約し、その日の夕食は2人ですしを食べることになりました。
連れて行ってくれたすし店は、銀座の高級店。
出されたシマアジは、もちろん天然物、房総(千葉)の上物です。
二人とも、シマアジをたくさん食べたので、すごい値段になっただろうと思います。
でも、とても美味しかった。
こんなに美味しい魚があるのか、と驚きました。

何かと私を可愛がってくれた姉は、私が築地通いをする以前に、二人の娘を残し、病気で亡くなりました。
私のすしを姉に食べさせることは出来ましたが、シマアジで恩返しすることは出来ませんでした。
でも、築地通いをしていた頃、すしの日にはいつも近くに住む2人の姪が食べに来てくれたので、姉に食べさせるようなつもりで、2人にシマアジを握りました。
そして、とても喜ばれました。

シマアジは、我が家の大の人気ネタ(タネ)でした。
父もシマアジの握りが何よりも好きだったので、
生きている間に、食べられる間に、出来るだけ食べさせてあげたいと思いました。
だから、他の魚介類以上に、シマアジの仕入れには気合いが入りました。

1.仕入れ(築地場内)

淡白な白身の最高級魚はホシガレイ、青ものの最高級魚はシマアジです。
値段は、マダイヒラメよりもずっと上です。
残念ながら、流通しているシマアジのほとんどが養殖物か蓄養物。
天然物として流通しているものの多くも、蓄養物です。
蓄養物は、天然物を獲って育てたものだから、元天然物ではありますが、それを天然物として流通させるというのはひどい話です。
高級店以外の東京のすし店で、天然物として出されるシマアジも蓄養物が多いはずです。
(蓄養物と知らずに使っている場合もあると思います。)

初夏になると、築地場内のそこら中の仲卸しが、シマアジを扱います。
私は、産地で締めた上物のシマアジを探していました。
でも、あちらこちらに並ぶシマアジを見ていても、小さなもの以外には、天然物らしきシマアジが見つかりません。
シマアジを並べている仲卸しの方に、
「天然物を探してるんですけど、ありませんか?」
と聞くと、
「ここにあるのは天然物ということで入荷してくるんですけどね。でも全部蓄養ですよ。」
と、とても誠実な答えが返ってきました。

「シマアジ?天然物?いいのがあるよ!」
と、知らない仲卸しの従業員が声をかけてきたこともあります。
見せてもらうと、絵にかいたようなバリバリの養殖物。
未だにこんなひどいヤツがいるのか、と驚きました。
築地場内で見た、最悪の仲卸しでした。
私の知る限り、ほとんどの仲卸しは誠実ですが、中にはひどい仲卸しもありますので、気をつけてください。

いくら探しても見つからないので、活魚を仕入れることにしました。
産地としては、天然物が漁獲されると、破格値のつく活けでの出荷に躍起なのです。
ちなみに、活けのシマアジも、そのほとんどが養殖物か蓄養物です。

活魚でお世話になっていた仲卸しは、トップクラスの仲卸しでしたから、天然物の活けのシマアジを扱っていました。
私は、最高のシマアジを確実に手に入れたかったので、その仲卸しのご主人に具体的な条件を提示し(値段の制限無し・最高値での買い取り)、おかげさまで素晴らしい活けの天然シマアジを手に入れることが出来ました。
「今日は入荷がありませんでした。」
とか、
「気に入ってもらえそうなものがなかったから、やめておきました。」
ということも度々ありましたが、漁獲量を考えるとやむを得ないことでした。

シマアジの旬は、夏から秋にかけてで、名産地での漁獲のピーク(といっても極少)は夏です。
1.5~2キロくらいが特に評価の高いサイズ。
私の好みは、1.5キロ前後です。
大きすぎると大味で、小さすぎるとシマアジらしさに欠けるので、最低1キロは欲しいところです。
入荷が極めて少ないため、サイズに幅を持たせ、仲卸しのご主人には、目安として1~2.3キロを指定し、後はご主人の目利きに委ねました。

名産地は房総半島(千葉)、特に勝山(鋸南町) ・館山など内房南部、最南端の野島崎周辺(外房南部)ならびに、勝浦など外房南東部で素晴らしいものが漁獲されます。
私が築地通いをしていた頃は、既に幻に近かったのですが、入荷があった時は必ず競り落としてくださり、その日築地で一番のシマアジを使わせていただきました。
漁獲量は極少で、美味しさも値段も別格です。
次いで紀州(和歌山)や房総以外の関東近海のものです。
ただし、伊豆諸島周辺のものは、島ものと呼ばれ評価は下がります。
九州や四国からの入荷もありましたが、評価は更に下でした。

仲卸しも、高級すし店・高級日本料理店も、上物のシマアジの仕入れに命がけです。
でも、私も命がけでした。
グルメごっこなどしているつもりは、さらさらありませんでした。
もう長くは生きられない父のために、絶対に誰にも負けたくありませんでした。

仲卸しのご主人のおかげで、素晴らしいシマアジが手に入ると、涙がにじみました。
時間の経過と共に衰えていく父の姿が、父の主治医から聞かされる絶望的な話が、頭の中を駆け巡りました。
そして、父に対して、こんなことしかしてあげられない悔しさが、こみ上げてきました。
父は何も言わなかったけれど、父が自分の人生の最後に見たかった私は、こんなことをする私ではなかったはずです。
もっと立派な私を、父は見たかったはずです。
でも、こんなことしかできない……

家族の前では、いつも明るく楽しく振る舞っていたけれど、
本当は絶望的な思いに耐えながら築地に通い、すしを握っていたのだと、今だからこそ素直に認めることができます。
この文章を書いていても、涙があふれてきます。
あの頃の私のすしは、とても悲しいすしでした。
愛情と絶望と後悔のすしでした。

2.仕込みと供し方

続きはこちらで↓ ※商業目的ではありません。
http://sushi.boards.net/thread/40/shimaaji-edomae

↓↓↓クリック、よろしくお願いします。m(_ _)m
 
人気ブログランキングへ
一般にイワシと呼ばれるものには、マイワシ・ウルメイワシ・カタクチイワシと3種ありますが、以下はマイワシについてです。

伝統的な江戸前のすしネタ(タネ)ではありませんが、シャリとの相性はとても良いです。
大衆魚の代表といってよい魚ですが、東京の高級すし店でも使っているところがあります。
ただ大きいだけの普通のマイワシを使って、高い料金をとる高級店もありますが、私が使ったのは別物です。

1.仕入れ

流通するマイワシのほとんどが、外洋で漁獲されるものですが、内海で漁獲されるものもあります。
梅雨時あたりから東京湾内で漁獲されるマイワシの中には、大型でツチノコ(死語?)のような体型のものがあります。
ツチノコは少し大げさですが、胴体がズドーンと太っているため、頭がとても小さく見えるのです。
これを狙います。

このタイプの内海のマイワシと、普通のマイワシの味覚上の最大の差は、脂の質にあります。
脂はたっぷりとのっていますが、しつこくなく、マイワシ特有の臭みが希薄なのです。
ただし、漁獲量が極めて少ない上に、とても美味しいので、キロあたりの単価は、完全に高級魚クラスです。

若い頃は、上物を扱う地元の鮮魚店で、東京湾産の素晴らしいのを、たまに仕入れることが出来ましたが、その後は手に入らなくなりました。
私が築地通いをしていた頃は、東京湾産のズングリしたのをごく稀に見かけましたが、残念ながら生で使いたいと思うレベルではなかったので、仕入れることはありませんでした。
魚自体は新しかったのですが、網での漁獲の際に受けたダメージが大きかったようで、使うまでに血合いの色を赤く保つことが出来ないと判断しました。

マイワシは元々足が早い上に網で漁獲されるため、鮮度が落ちていくのがとても早いです。
鮮度抜群で、ウロコがたくさんついたものを仕入れ、持ち帰る際は氷をたくさん使い、静かに運んでください。

私が使ったことのある内海のマイワシは、東京湾産だけなのですが、
他の内海でも場所によっては、同じような素晴らしいマイワシが獲れるのではないかと思います。
見つけたら、ぜひ試してみてください。

2.仕込みと供し方

塩とで締めたり、炙ったりする仕込みもありますが、内海の上物は生で握るのが一番だと思います。
生で食べる場合、血合いがきれいな赤色でなければ、食べる気になりません。
とにかく足が早いので、鮮度を保持するために細心の注意を払います。

続きはこちらで↓ ※商業目的ではありません。
http://sushi.boards.net/thread/39/iwashi-maiwashi-edomae

↓↓↓クリック、よろしくお願いします。m(_ _)m
 
人気ブログランキングへ