金曜の夜、洋服屋の二代目に申し訳ないことをした。
そのことが気になって、お詫びを言いたくて、昨日お店に行った。
しかしスタッフの方が側にいて、二人きりで話すことができなかった。
金曜の夜、二代目は経営において、野球で言うところの“バント”を続けて、たまに二塁打を打って、その結果、点を取りたいと言った。
私は、「バントなんてサラリーマンにやらせとけばいいのよ! 経営者なんだからホームランを狙うべきよ!」と言った。
隣り合わせた男性やバーのマスターも私に同意し、二代目は孤立無援になった。
その直後だろう、二代目は「終わり終わり! もう終了だ!」と言って帰り支度を始めた。
怒ってはいなかったが、落ち込んでいるように見えた。
二代目が帰って30分くらいして、私も店を出た。
昨日は一日中家にいて、そのときのことを思い出して考えていた。
二代目の点の取り方は、経営者として当然のことだ。
自分一人で会社や店をやっていて、家族などもいなければ、常にホームラン狙いでもいいかもしれない。
しかし、家族がいて、従業員がいるとなると、そうはいかない。
経営者としてではなく、一人の男として考えても、常にバントでも構わないだろう。
相撲に置き換えてみても、横綱や大関になれなくても、長く相撲を取り続けられることは立派なことである。
我が憧れの安美錦関は、序ノ口から幕内の今まで一度も優勝したことがない。
しかし、通算勝利数や三役復帰年齢などでベストテン入りの記録を持ち、現在も更新中である。
安美錦関の相撲人生はバントの連続と言ってもいい。
もちろん二塁打(三賞受賞)やホームラン(金星)も打つ。
そう考えると、二代目の経営方法は正しいし、堅実で当たり前なことだ。
私が間違っていたと二代目に伝えたかったが、今更だよね。
それを言ったところで、どうにもならない。
わかってはいるが、悩んで今夜も眠れない(笑)