昨夜、同僚二人と飲みに行った。
先々週一人で行った職場近くのバーである。
22時頃また洋服屋さんの2代目が来た。
私たちはソファーで飲んでいて、2代目はカウンターに座った。
当然、2代目と私たちが会話をすることはなかった。
しかし2代目は時折、明らかに私たちの気を惹こうと、大きな声で興味をそそりそうな話をした。
そして私たちの反応を窺うようにチラチラ見た。
先々週感じたことではあったが、どうやら2代目は私のことがお気に召したらしい。
よくあることである。
私は昔、手相占い師から飲み屋のホステスが天職だと言われた。
そのときは進学校の生徒に何を言ってるんだと信用しなかったが、社会人になって確信した。
私は誰とでもどんな話題でも会話をすることができるのだ。
友人との間では“特殊能力”と呼んでいる。
先々週その特殊能力を発揮して癖のある2代目との会話を成立させた。
2代目は父親から店を引き継いだものの思うようにいかず、自信喪失から虚勢を張っていた。
男性にはよくあることだ。
私は彼の自尊心をくすぐり、気分よく美味しいお酒を飲ませた。
彼は帰り際に、こんなに自分を正しく理解してくれる人は初めてだと満足そうに言った。
簡単に言うと、彼は私に惚れたのだ。
私も惚れられて悪い気はしない。
洋服屋さんを経営しているのでオシャレだし、年齢もそこそこ近い。
ただ…疲れる。
先々週1時間話しただけで、ぐったりした。
付き合うとしんどいとわかっているが、ちょっと気になり始めている自分がいる。
今後の展開を期待する一方で、自制心がきかなくなることが恐怖だ。