出雲詣でを詠んだ和歌を見付けた。
「やはらぐる光や空にみちぬらむ
雲に分け入る千木の片そぎ」
(夫木抄、寂蓮)
意味は、仏がわが国の神として垂迹(すいじゃく)した、その知徳の光が、空いっぱいに満ちているのだろう。
出雲大社の神殿の千木は、高々と天に聳え、雲にまで突き入っている。
やはらぐる光とは、和光垂迹を言い、仏が知恵の象徴である光を和らげて、煩悩の塵に交わり、衆生を救済するとした「和光同塵」の考え方を敷衍し、本地垂迹(ほんじすいじゃく)・神仏同体をこのような言い方で現した…らしい。
千木の片そぎとは、千木は屋根の両端の材木が棟で交差して高く突き出した部分。
片そぎは、千木の片端を縦に切り落としたもの。
寂蓮が訪れた頃、出雲大社の神殿は千木の先端までの高さが48メートル程あったらしい。