以前からずっと考えていたことがある。

 

静岡県、特に中部の静岡市には杉山姓が多い。

小・中学校のクラスメイトには大概杉山君・杉山さんがいた。1クラスに3人の杉山姓の子がいたこともある。

 

子供の頃は、ただ漠然と杉山姓は鈴木や佐藤と同じく多い苗字なんだろうな位に思っていた。

 

実際、静岡県民の苗字は多い順に①鈴木、②渡辺、③山本、④望月、⑤杉山、⑥佐藤、⑦伊藤となっている。

なんと、全国的には上位が常連の佐藤さんや伊藤さんよりも杉山さんや望月さんの方が多いのである。

 

ところが、その後東京で学生時代を過ごすようになると、杉山姓がそれほど多くはない(全国では85番目くらいらしい)ことに気付いた。

 

さて現在、全国に約20万人の杉山さんがいらっしゃるがその内の約5万人(25%)は静岡県民だという。

何故、これほど静岡県に杉山姓が多いのか?

 

『杉山』姓を名乗っているからには、(杉山さんのご先祖さまは)スギ山を所有していたり、スギ山の麓に暮らしているなど、きっと『スギ』とその地形にご縁のある方々だったに違いない。

と、勝手に思っていた。

 


・・・閑話休題・・・

先日「第一三共ヘルスケア」の調査で、都道府県別の花粉症発症率が発表された。

 

☟なんと静岡県民の発症率が全国一だというではないか

静岡県民の74%が花粉症の発症経験があるらしい。

特に発症率が高い都道府県は、静岡県の他に、山梨県、岐阜県、千葉県などが70%を超えている。


☟地元TV局のニュース番組でも各局ともにこの件を取り上げていた

☝︎なんと全国民の二人に一人、静岡県民の四人に三人が花粉症だということになる❗️

もはや国民病とも言える花粉症🤧


☟また地域別では静岡県を含めた東海地方の発症率が最も高い

 

んっ⁈これはもしかして・・・

『杉山姓が全国一多い』ことと、『スギ花粉症の発症率が全国一多い』ことはなにか因果関係が存在するのではないか⁈

地形的にスギ山が多かったとしたらどうだ⁉️

ひょっとすると、この仮説が実証されたら静岡県の郷土史における『民俗学的な大発見』になるかもしれないぞ(^。^)

 

そこで調査を開始した・・・

スギ花粉症発症率が高い静岡県、山梨県、岐阜県、千葉県などはスギ山(スギの人工林)も多いのか?

 

☟平成24年3月末林野庁資料を見ると


11万haの静岡県は全国で17番目、12万haの岐阜県は14番目だが、山梨県と千葉県の県別順位はかなり下位の方であった。

ということは、花粉症発症率とスギ人工林の植林分布は必ずしも一致しないということか⁉️

う〜む🤔

 スギの人工林面積が多い県は①秋田県、②宮崎県、③岩手県、④青森県、⑤福島県の順で多く(上位はほとんど東北地方と九州地方)、東海地方の県は上位にない。

う〜む、う〜む🤔

どうやら発症率とスギ林の面積との関係は薄そうである。

 

そもそも、スギの植林が大々的にに行われだしたのは戦後のことである。

1950年代からの高度経済成長の中で木材需要が旺盛となり、成長が早く真っ直ぐ伸び、加工がし易いスギの木を全国的に広く植林していった。


静岡県民に昔から『杉山』姓が多いことと、現在のスギ人工林の面積は全く無関係であることも判明した。

さらに花粉症発症率が高いこともスギ林の面積とは関係が無さそうである。


ということは・・・

どうやら、僕が考えた『杉山姓が日本一多い静岡県民はスギ花粉症の発症率が高いことと相関関係がある』という民俗学的な仮説について、全く因果関係は無さそうでした(^ ^)


お騒がせしましたm(._.)m