呑まれ溶けゆく


あいつの打ったボールは

夕焼けの中へ飛びこんでいった


白い球体が

赤に埋め込まれていくのを

肩ごしに振りかえる 俺は


視界のはしを走っていく あいつの

天然パーマの柔らかい髪とか

上背があるのとか

厚みのある肩とか

過ぎ去ってく


好きだ


陽が沈んでいく

赤く

雲がかかっていく

毒々しいほど赤く

流れてく 雲

黒色みたいな灰色みたいな

暗い色して

毒々しいほど赤い


好きだ


放ったボールの手のままだった

こぶしを握って

汗をふいた


視界がにじんで


あいつが何かを叫んでる

俺に

俺を含めたみんなに


よく通る声

というわけでもないのに

すべてをもってく

圧倒的な振動で