先日、NHKEテレのAIに関する番組で、日本におけるAI(人口知能)の第一人者である松尾豊・東京大学特任准教授が人間の認知の構造について次のように解説していました。
・人間の認知構造についていろいろな学者、研究者が述べているが、せんじ詰めれば次のような二階建て構造であると考える。
・一階部分: 環境→「知覚」↹「運動」 (ここは犬やサルと同じ)・・・具体的現実的な体験
・二階部分:「言葉」(言語)の層 (犬やサルにはこの層はなく、人間にはある)
・一階と二階は、人間においては連合している。AI研究に於いて一階→二階への道筋は、ある程度実現されているが、二階から一階へは これからで、AIが「言葉」を聞いて「知覚の層」を作り出すことができれば(例えば、犬という言葉を聞いて、犬の具体的な姿形を描き出すようなことか)AIが「意味が分かった」といえるかもしれない。
この一階部分は、陳那の説では「現量」に相当し、二階部分は「比量」に相当するでしょう。仏教論理学では、1500年前にすでにこうした議論が行われていたということでしょう。