“徐々に、グローバルなプラットフォームがいくつか出てくると思います。私たちが経験したことを見た国々は、金融インフラの脆弱性、既存のたった一つのシステムに依存することへの脆弱性がよく分かったからです。このような理解は徐々に広がっています。”

エリヴィラ・ナビウリナ ロシア中央銀行総裁 7月1日タス通信

 

 

こんにちは、サバイバル・アンナです。

 

 

現在、制裁下でSWIFT(国際銀行間のネットワーク)が使えないロシアがどのように貿易決済を行っているのか、検索してみたらこのような見出しが。

 

“イラン、ロシアとCBDC(中央銀行デジタル通貨)開発に合意”

 

“ロシア、デジタル通貨クロスボーダー決済プラットフォームBRICS Bridge開発へ”

 

“中国企業、ロシア取引にテザー・ステーブルコインで制裁かわしていた”

 

“ロシア、暗号通貨での貿易決済へ法可決 今年スタート予定”

 

もはや、デジタル通貨決済のフロントランナーといった様相です。

この中のデジタル通貨クロスボーダー決済プラットフォーム「BRICS Bridge」は、10月に予定されているBRICS会合で詳細が明かされると見られています。ブロックチェーン技術でドルを使わずに決済が可能になるものとしては、すでに中国が国際決済銀行(BIS)と共同開発している「mBridge」が実用段階の手前にあり、香港・タイ・UAEの中央銀行らとテストを重ねています。しかしこれは、BISという国際機関が関与するため、ロシアは加入できません。制裁リスクを回避したい国々にとってBRICS Bridgeは待望の決済プラットフォームになると思いますが、ブロックチェーン界ではこれまで幾度となく巨額の資金が流出するサイバー攻撃が起きています。ロシアにとって、サイバー空間での新たな戦いが始まる予感もします。

 

 

“ロシアではすでに、ゴールドなどのコモディティを含むトークン化資産のための「デジタル金融資産(DFA)枠組み」が整備されている。トークン化されたDFAを国内での支払いに使用することは禁止されているが、同国は最近、国境を越えた支払いへの使用を可能にする法を可決した。さらにイランの関係筋は、ロシアと共同で中央銀行デジタル通貨の開発と、トークン化資産での支払いに向け取り組んでいると話している。”

7月19日Ledger Insights

 

上の抜粋記事の「ゴールドなどのコモディティを含むトークン化資産」は、西側の金融界でいう「リアル・ワールド・アセット (RWA)のトークン化」のことで、世界最大資産運用会社のブラックロックが “今後最も成長が期待できる市場”と力を入れています。現実世界の資産(株や債券から土地、農場などあらゆるもの)をトークン化することで、取引の迅速性、流動性、履歴の透明性が高まり、従来の現実資産取引方法を一変させると言われています。ロシアが制裁下の決済にいち早く取り入れるとは、ちょっと驚きですね。