こんにちは、サバイバル・アンナです。

 

 

5月30日にThe Spectator(UK)がアップしたミアシャイマー教授のインタビュー動画です。

冒頭から13:35までを、Q&Aの形で要約しました。

 

 

<切り抜き要約始まり>

 

 

質問)ウクライナはロシア本土の攻撃を許可されるべきだ、というマクロン仏大統領の最近の発言をどう思いますか。

私の見解では、そのような攻撃は成功の確率が低いでしょう。しかし、ロシアのS-400防空システムが防御に失敗すれば、ロシアの反撃は深刻なものになる。危険なのは、西側、主に米国がこの戦争に引きずり込まれて大国同士の戦いになることです。

 

 

質問)当初は誰も今のウクライナの状況を予測していなかったと思います。バイデン政権は武器供与で後手に出ていたようですが。

その通り。2022年開戦の年には、地上戦と経済制裁のコンビネーションでロシアを打倒すると自信を持っていた。しかし、その後ロシアが動員を行って有利なパワーバランスへとシフトしたのです。そこで西側もエスカレーションラダーを上がるべく、新しい兵器や戦略を試みたのですが、失敗しています。

 

 

質問)「エスカレーションラダー」を、視聴者にも分かるよう説明してください。

どの二国間の争いでも、時間とともに両国が、武器や戦略、動員数などをエスカレートさせ、戦闘目的のラダー(階段)を上がって行きます。相手国より優位なラダーに上がることはエスカレーション・ドミナンスと言います。

 

 

質問)もし西側が戦いの初期段階でもっと多くの兵器を投入していれば、状況は変わっていたでしょうか。

少しは良かったかもしれませんが、今の戦況に大きな差はなかったと思います。ロシアに勝つ唯一の方法は、我々が参戦することだったと思います。しかし、米国は大国同士の戦いを望んでいません。ロシアは何千もの核弾頭を保有しています。今のところバイデン政権は賢明に戦いを避けてきています。しかし西側の地上軍を投入しない限り、ウクライナが勝つことはできないと思います。兵士の数ではロシアが圧倒し、兵器の生産能力においても、ウクライナはもとより西側をもロシアは上回っています。

 

 

質問)今の西側の目的は何だと思いますか。

これ以上ウクライナの領土が奪取されないようロシアの戦闘を妨害し、より有利な条件の交渉に持って行くことでしょう。

 

 

質問)プーチン政権はいずれかの時点で崩壊するという議論もあるようですが。

西側ではプーチンは第二のヒトラーのように描かれることが多いですが、ロシア外交エリートたちを見れば、彼はそれほど強硬派というわけではありません。プーチンが誰かに替わることがあれば、ウクライナに対してもっと強硬な人物である可能性もあるでしょう。

<終わり>