「ザリガニのなくところ」
書評で気になって図書館に予約したところ、忘れた頃に連絡が。
大変面白かったです。
書いた方は動物学者。故に動物や昆虫の生態と人間のそれとを上手に対比させたりなどします。人間も結局のところ動物と同じです。
不遇な境遇に生まれついてもたくましく成長して生きていきます。自分の才能で生活を立てていく過程は気持ちのよいものでした。そのきっかけをつくった後の結婚相手との出会いは「運」でしかありません。色々あったけど最後は円満、で終わってしまうと小説としては面白くありません。
ちゃんとその辺上手に描くのはプロの小説家ではないのにさすがと思いました。
現在某大国の会社の日本法人で働いていますが、拠点のある土地の街の名前がでてきて、そこで働く会ったことのない同僚に思いを馳せたりしました。リモートミーティングで話す彼女の落ち着いた朗読者のようなトーンが頭の中で鳴り響き、いつかお会いしたいと思いました。
「羊は安らかに草を食み」
これも書評で気になって予約してかなり時間が経ってから連絡がきて読みました。
これもすごく面白かったです。仲良し老女たちの平和な旅物語、ではすみません。見てきたかのような壮絶戦争体験が描かれます。年端のいかない少女2人が凄まじい体験をして満州から引き揚げ、そして何十年も経た後再会します。旅にアテンドするお友達2人もそれぞれの人生を背負っています。後は死ぬだけ、の思いがスケールの大きい計画を実行させます。
実際にあのような戦争体験をした子供たちがいたことを思うと、安らかに草を食める今の子供たち、(まあちょっと今は難しい問題ありますけど)平和を享受できて本当によかった。
映画になったらどんなキャストがいいかな~なんて想像をめぐらすのも小説の楽しみだったりします。まあさんを旅に送り出す現夫は是非よい人に演じていただきたいものです。