事務所を借りてから、
ゆっくりゆっくり準備している。
あまり妥協せずに物や考えを形にしていこうという、
駿河堂にしてはかなり「冷静」な行動が定着しつつある。
・・・・というか、更年期的症状が、うまい具合に?いつもの衝動に
ブレーキをかけてくれているようにも思える。
デスメタルな激しすぎるライブが、ゲリラ的に開催されるため
否応なく衝動は足止めされる・・・・。
薬剤が何も効かないことが多いので、自然に任せているが、
一番最近の症状は、今までで一番つらかった。
だが、
そのつらさの中で、昨年からずっと探し求めていたものが、
理想的な形で見つかったのだっ。
それも、ほとんど関連がないような方向から導かれた。
それは、子供達関連で必要だったため、ネットであるものを
取寄せたことに始まる。
「ベビー ロック」
・・・・ん?どこかで聞いたような名前・・・・
ああ、あれは「ベビー メタル」か。
英文字表記だと「L」と「R」の違いがあり、意味も違う。
だが、日本語では同じ「ロック」表記。
単純な駿河堂は、意味が違おうがなんだろうが、
すべてが「ロック(ROCK)」。
単純に、気分が揚がる。
全く違うジャンルにも、ロックが存在する嬉しさでいっぱいだ。
それに、
形状が、なんだかバンドみたいでいい感じ。
それぞれの糸が、リズムにのって規則的にからみ合い、
美しい縫い目を表現する・・・・
これって、やっぱりロックバンドと同じだよね。
しかも、
この機械用の糸を買いに、おつかいに行った時のこと。
事務所から一駅のところにある、老舗の手芸店。
その6階には・・・・
「ロック」がわんさか!
これほど羅列された「ロック」は、初めて目にする。
その6階の1区画は、およそ縁のないと思われた世界で
駿河堂に感動を与えてくれたのだった。
その時はまだ、求めていたある事業展開の取っ掛りを
旧体制のルートにゆだねるしかないか・・・・と7割がた決めていた。
どちらかというと、あきらめていたに近い。
悶々としながら、連絡せざらるを得ない責任感にかられていた。
そんな時、
デスメタルのゲリラライブが開催され・・・・
重要な予定とともに、その連絡の機会も吹っ飛んだ。
苦しみが多少おさまっている時、
連絡事項に対応するため、必死でスマホを手に取っていた。
そこには、ネット注文した「ベビー ロック」関連で、
「ベビー ロック」ブランド商品の広告が出ていた。
その広告には・・・・
求めていたある単語も載っていたっ!
クリックしてみると、
それはまさに旧体制に頼らない、直接の事業展開を可能にする
そのものだった。
駿河堂の展開したかった「ROCK」が、「ロック」によって
激痛を伴いながらも導かれた、幸福な瞬間だった。
この世界を、旧体制に任せるわけにはいかない。



