駿河行政書士事務所 12月7日の日記・業務報告~旅館営業許可と申請権者との関係 | 阪神尼崎の行政書士 駿河行政書士事務所のブログ

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阪神尼崎と鳴尾・甲子園で行政書士をしています。

こんにちは、駿河行政書士事務所です。

 

旅館業営業許可について、ちょっと視点を変えて記載してみたいと思います。

 

守秘義務がありますので、事例は記載できませんが、現在、旅館営業の件で、調査している事例があります。

 

全く事例は同じではないのですが、非常に参考になる役所の照会がありました。

 

賃貸借権係争中の施設についての営業許可の可否について(昭和26年7月31日法務府法意1発第46号)

 

という照会です。

 

営業許可と私法上の関係についての論点です。

 

それは、

 

1.旅館の賃貸借権について係争中に当事者相互から同時に許可申請のあった場合、いかに取り扱うべきか。

 

2.右の場合、1名が先に申請し、他が後より申請して来た時は、先の者を優先的に取り扱うべきか。

 

3.右の場合、建築物所有者でない者が申請書に所有者に賃貸承諾書を添付し得ないとき、これを却下してよろしいか。

 

4.右の場合、提訴中のときは、事件解決まで許可を保留すべきか。

 

です。

 

結論は、

 

ある施設の賃借権について所有者と第三者の間に争がある場合に、右の施設について両者がそれぞれ旅館業及び飲食店営業の許可を申請をしたとき、都道府県知事は、当該施設の私法上に権利関係について争いがあること、又は同一施設について二重に申請があったことを理由としては、両者のいずれに対してもその許可を拒むことはできない。

 

つまり、行政は、二重に旅館業営業許可を与えていいし、さらに、2.のように、順番に関係なく許可を与える必要があり、それを拒む法的な根拠はないということです。

 

これは旅館業の性質は、公衆衛生取締の見地から旅館営業に関してなされている一般禁止を特定に者に対して解除する行政行為であるからです。

 

つまり、申請に対して許可を与えるか否かは、もっぱら公衆衛生取締の見地から決定しなければならないから、

 

許可をするか否かの際に、私法上の事情は考慮するものでもなく、また許可を与えても旅館業の経営の禁止の解除したにとどまりますので、当該施設で営業ができるという排他的使用権を与えたということでもないからです。

 

当該施設で二重に旅館業の許可が下りた場合、誰が経営するかについては、当事者間の私法上の関係・契約によって決定されるべきものというわけです。

 

許可の段階と、その後の経営主体の段階とは区分して判断することになります。

 

この照会に出されている解釈は、事案はことなりますが、現在の調査中の旅館業営業許可について、非常に参考になる照会です。

 

係争中の物件だけではなく、空き家や所有者の不在など、様々な事案にも応用できそうな気がします。