戦略的な育成型移民政策
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幸福実現党  
江夏正敏の闘魂メルマガ vol.41

2015年6月2日発行
より転載
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江夏正敏 幸福実現党
政務調査会長のオフィシャルブログ
http://enatsu-masatoshi.com/

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1、江夏正敏の「闘魂一喝!」
「戦略的な育成型移民政策」

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●国家としての戦略を持つべき
前回のメルマガでも指摘したように、日本は「労働力を提供してくれる外国人は受け入れたいが、そのまま永住してしまうような移民は嫌だ」という政策を採り続けてきました。
その結果、「管理なき外国人の流入」となり、なし崩し的な不法滞在も発生しています。
やはり確固とした方針に基づき、移民政策を展開する時期が来ています。
移民受入れを無制限とまではいかないでしょうが、今のままでは厳しすぎます。
また、世界のトップレベルの国として、世界に情報発信すべき立場にあるという自覚を持つならば、やはりそれだけの責任を感じ、
もう一段、外国人を受け入れる努力が必要です。
ですから、移民に関してはポジティブに考え、国家として戦略を持つべきです。

●正式に日本に入国できるようにする
ピーター・ドラッカー氏は「日本は今後、絶対に移民政策をやらなければいけなくなる。ここから逃げることはできない」
「年間50万人の移民を受け入れないと、日本経済が成り立たなくなるという試算もある」と言及しています。
いくつかの条件をつくりながらも、「日本が好きで、日本のために働きたい」という外国人には、一定の条件を満たしたなら、正式に日本に入国できるようにし、
永住権、移民への道を開く必要があるでしょう。

●外国人研修・技能実習制度の見直し時期
現在、滞在中の外国人研修生・実習生は16万人ぐらいいます。
良心的な受入れをされている所もありますが、劣悪な労働環境を告発する者や、研修先から逃亡する者が目立っています。(前回のメルマガで問題点を指摘しました)
やはり、外国人の就労期間を3年に限っているところに問題があります。
3年間で外国人の滞在を打ち切る制度では、日本に骨を埋める決意の優秀な人材の確保は難しいからです。
かつての人口増時代においては「定住防止型」の外国人政策にも一理ありましたが、人口減時代の日本が採るべき外国人政策は「定住促進型」にあります。
移民政策の見直し時期が来ているのです。

●新たな移民政策のポイント
移民政策で重要なことは、専門技術職の移民を引きつけ、移民を社会に融和させる方針を確立することにあります。
当初から日本社会の一員として受け入れ、将来は日本国民になってもらうことを視野に入れて、安定した法的地位と待遇を保障しなければなりません。
もともと専門知識や高度技術を有する外国人は米国、英国等の英語圏を目指しているのが現状です。
漢字圏の日本には来ないと率直に認めて、日本は「人材育成型」の移民政策を採るべきでしょう。
外国人が日本の学校できちんと日本語や先端技術を学べるようにし、職業支援も積極的に行って、国内で「有能な人」に育ってもらうようにするのです。

●人材育成型移民政策(坂中案)
ここで、移民政策研究所所長の坂中英徳氏の「人材育成型移民政策」が幸福実現党の考え方に近かったので、坂中案を参考にしながら移民政策を述べていきます。
それは、外国人を「獲る」のではなく「育てる」という考え方です。
そのポイントは「日本の高等教育機関や職業訓練機関で外国人を一人前の職業人になるように育成したうえで、就職を支援し、永住を認める」というもの。
少子化で大学や農業高校などの教育施設に定員の余裕が出るので、そこに外国人を入れて教育し、将来の社会人、国民を養成します。
日本の教育機関で専門知識や技術を持つ人材に育てるので、発展途上国が教育した人材を奪い取るものではありません。
さらに、母国に帰っても、母国の経済発展に貢献する人材となります。
そして、職業専門学校で専門知識・技術・技能を身に付けた外国人には、移民を切望している農林業、水産業、病院、介護施設、町工場などの職業を開放します。
さらに、大学、大学院を卒業した外国人には、日本人の学生と対等の立場で就職戦線に参加し、しかるべき職業に就いてもらえるようにフェアに扱います。

●外国人犯罪対策
この人材育成型移民政策は、外国人犯罪に対しても効果があります。
というのは、不法入国、社会保険なしの危険就労、さらに低賃金、これらを放置しているからこそ、犯罪に手を染める外国人が増えるのです。
日本語を含む十分な教育を受けた外国人を、安定した法的地位と職業が保障されている「移民」で受け入れればこそ、治安の悪化を防ぐことができます。
なぜなら、日本に適応し、それなりに仕事がある移民は問題を起こさないからです。
また、定住外国人の子供たちの多くは、言語能力に問題があって、学校の授業についていけていないのが現状です。
低学歴ゆえに適当な就職口もありません。そして、成人になっても、生活保護に頼って生きていくしかなくなるのです。だからこそ、育成型が必要となるのです。
また、人材育成型移民政策は、入国時の移民の大半は10代、20代の留学生が主流になります。彼らは若いので、社会に融合する柔軟性があります。

●移民年次受入れ計画
具体的には、年次ごとに受入れ計画をつくり、秩序正しく移民を受け入れていくことも検討すべきでしょう。
まず、政府は世界各国の国民を公正に入れることを移民政策の基本に据え、移民の受入を円滑に進める「移民協定」を多数の国と締結します。
その上で、「日本の移民政策は公平を鉄則」とすることを「移民法」(新法)に定めます。
移民の受入計画は内閣が策定し、国会の承認事項にします。
計画の策定にあたっては、国民の好感度の高い移民の出身国に配慮し、年間の国籍別受入枠を決定します。
特定国の国民の寡占化を許さない移民政策を鉄則とします。世界的な視野と公平な立場から、年間の国別の移民枠を決定すればよいのです。
例えば、反日思想に凝り固まった移民の入国を許さない方針をとるべきでしょう。
となれば、反日教育に熱心な韓国や中国からの移民を厳しく制限しなければなりません。
「移民を希望するなら、反日教育を止めよ」ということです。

●移民の条件
「移民が日本人として生活できるような環境を、どうしたらつくれるのか。
どういう教育をして、何を誓わせて、どういう活動をすれば、日本人と同じように扱えるのか」を考えなければなりません。
言語の問題はやはり重要です。日本語がわからず就職できない外国人が犯罪に走りやすいので、最低限、日本語の読み書きが中学卒業レベルに達しておくことが必要でしょう。
その意味で、育成型移民政策は最適です。
そして、日本で5年間働き、犯罪をせず勤務状況が良好で、税金をしっかりと納めていること。
さらに「日の丸」「君が代」を受入れ、いざというときは日本のために戦うことを宣誓すること。
このようなことをしっかりと議論したうえで、移民、日本国籍の取得の条件を明確にしておくことが大切です。
移民問題は、単なる労働力ではなく、一人の人間として受け入れる覚悟が必要であり、そのためには移民の人権も尊重する制度も整備しなくてはなりません。

発展・繁栄している夢の国・日本として、移民の受入をポジティブに考え、智慧を出し合いながら秩序ある移民政策を掲げる時が来ているのです。

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2、編集後記
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平和安全法制の国会での議論を聞いていると憂鬱になります。
戦後の平和は「憲法9条」があったからだという左翼の主張。
近隣諸国に軍備拡張、覇権主義の野心を持った国があることに目を背ける人々。
自衛隊員の誇りを傷つける心ない発言。
私たちの政治活動の至らなさを痛感する今日この頃です。

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◆ 江夏正敏(えなつまさとし)プロフィール 

1967年10月20日生まれ。

福岡県出身。東筑高校、大阪大学工学部を経て、宗教法人幸福の科学に奉職。

広報局長、人事局長、未来ユートピア政治研究会代表、政務本部参謀総長、
HS政経塾・塾長等を歴任。

幸福実現党幹事長・総務会長を経て、現在、政務調査会長。
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