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より転載
刑務所で大川隆法先生の教えに出会い、人生が180度変わった!
2014.06.18
Fさん(30代・男性)
この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第253号より転載し、編集を加えたものです。
救われた人生
「たとえ地獄に堕ちたって、そこでもオレはうまく立ち回っていくぞ」
暴力団の組員として抗争の日々を送り、殺すか殺されるか、という世界にいた私は、そんな不遜な思いで生きていました。
私の人生は、まぎれもなく大川隆法先生の教えによって、ギリギリのところで救われたのです。
19歳で暴力団へ
思い起こせば、幼い頃から親が手を焼く子どもでした。片時もじっとしていられず、やんちゃばかり。そんな私を母は躍起になってしつけ、私はますます反発していったのです。
反抗的な幼少期を過ぎ、中学生になる頃には典型的な不良少年に。
高校生になると、金髪に短ランという改造制服姿で、仲間とバイクの暴走行為に明け暮れていました。
そして、まともに通うこともなかった高校を2年で中退すると、遊び友達の兄貴分から誘われて、都内にある指定暴力団の構成員になったのです。
懲役7年の実刑
上下関係のある組織に入ったことで、逆に真面目になったような気持ちでいました。顔を売って、風俗店や博打事でみかじめ料をとったり、私をアニキと慕う弟分ができたりすると、何か偉くなったような気になったものです。分不相応なケタ違いの金を手に、浴びるように酒を飲み、その挙句に暴力沙汰を起こし……。生活は荒んでいきました。
そんな時、暴力団同士の大きな抗争が起きたのです。「組の看板がかかってる。頼むぞ」。兄貴分から拳銃を渡され、誇らしさでいっぱいでした。「オレは選ばれた」、と。
そして発砲事件を起こし、銃刀法違反で逮捕されることに。誰かにケガを負わせることはなかったものの、懲役7年の実刑が確定。26歳の時でした。
そして、独居房に
送られた刑務所には、前科十数犯という再犯者が多く収容されていました。並みいる強面の中で、「なめられてたまるか」とばかりに、他の受刑者を威嚇したり、言葉尻を捕らえていちゃもんをつけたりと、気の休まることのない日々を送り始めたのです。
「刑期を終えれば、オレだって幹部だ」とヤクザの世界での栄達を心の支えにしていましたが、面会に来る組の人間が語る外の話に、取り残されていく焦りも感じていました。
その苛立ちは、刑務所内で暴力事件を起こすという形で爆発。独居房(どっきょぼう)に入れられたのです。
三畳一間にトイレ付きの独居房では、冷たい床に膝をついた姿勢で、長時間の反省を要求されます。
「こんなに薄暗い場所で、オレはいったい何をしてる?」
自問自答を繰り返しました。そして、どうして自分がこんなに激しい性格なのかを考えていました。
「人を殺すか殺されるか、自分はどうしてそういう極端な人生を歩んでいるんだろうか。仕方がないと思っていたけど、この悲しさはなんだ――」
仏法真理との出会い
許された時間の中でつづる日記には、何度も「人間になりたい」と書きなぐりました。
そんな日が、3カ月ほど続いた頃でしょうか。ふと見上げた小さな窓から、流れ行く雲が見えました。じっと見ていると、雲がみるみる龍の形になっていったのです。
なんとも言えない神々しさに打たれ、思わず両手を合わせていました。
不思議な体験をした翌日。新聞を見ていて、書籍のランキング上位に紹介されていたある本に興味をひかれた私は、何か予感めいたものを感じて、取り寄せてみることにしました。
それが、大川先生の著書『奇跡の法』との出会いでした。
「これは、今までの本とは違う」
そこには、武士道や論語などを読んだ時に感じた、「いいな」という思いとははるかに次元の違う、「何か」がありました。「他の本も読みたい!」と、強烈に願ったことを覚えています。
刑務所では月に6冊まで本を買えます。それまでは時代小説なども好きで読んでいたのに、全部大川先生の本にしました。
強奪の人生
まず、衝撃を受けたのは、『太陽の法』に書かれてある、「愛に生きなさい」という教えでした。
「ほんとうの愛」が、「与える心」にあると知り、私は驚きました。ヤクザの世界でも、「義理」とか「義侠心(ぎきょうしん)」というものはあり、自分はそれを大事にしてきました。ゆえに、下の者に慕われ、上の人にはかわいがられていました。しかし――。
「それは結局、上にはかわいがられ、下からは尊敬されたい、という欲のためにしていた『にせものの愛』じゃないか――」
自分のやっていることが悪だなんて思ってもみませんでした。しかし愛を与える側の価値観を知ったことで、私は気づかされたのです。自分が行ってきたことは、暴力や組の力によって、人を怖がらせて生活の糧を奪う、まさに強奪する人生だったと。
「アングリマーラ」の逸話のように
「ほんとうの愛」と、自分の考えていた愛や思いやりの落差に、私は苦しみました。しかし、『大悟の法』に登場するアングリマーラの話に励まされました。
昔、インドでアングリマーラという殺人を犯した大悪人が仏陀に出会い、修行して過去の悪業を清算して変わった(最終的に「阿羅漢(あらかん)」という最初の悟りを得ることができた)というお話です。
もちろん、自分は殺人はしていません。しかし、罪を犯し、人々を傷つけたアングリマーラのあの生き方は間違いなく自分そのもの――。アングリマーラは自分にとって目指すべき理想となりました。
光の玉が目の前を
そうして何冊か大川先生の本を読むうち、本に書かれている、「反省」や「禅定」(心を静め、集中した宗教的な精神状態を保つこと)についても取り組み始めました。座禅は、最初の5分位我慢すれば、不思議と冬でも寒さを感じませんでした。消灯時間を過ぎても、暗闇の中でこっそり座禅をして、過去の反省に取り組みました。
ある日、静かに姿勢を整えて目を閉じると、掌(てのひら)くらいの光の玉が目の前をいくつも通り過ぎていく感覚を味わいました。
そのうち、10代の頃からの人生が見えてきました。不良行為を続ける自分を諌(いさ)める母親の言葉と泣き顔。身体能力を買って運動部に入るよう勧めてくれた先生。無茶な運転でバイク事故を起こした時は、彼女や仲間が駆けつけてくれたこと――。
「こんなにたくさんの人が、自分のことを思ってくれていた。オレのために泣いてくれていた……」
そのことに気づくと、涙がこぼれ落ちてどうしようもありませんでした。
「なんて自分勝手な――。支えてくれる人が泣いていても、自分の欲望を達成するためだったら傷つけてもいいだなんて、なんて多くの人を傷つけてきたんだ」
悪い心を克服して、必ずやり直してみせる。――私は、そう心に誓っていました。
大川先生の本を10冊近く読んだところで、「信仰」という感覚に目覚め始めました。出所したら必ず更生してみせる、そして必ず幸福の科学の会員になろうと強く思ったのです。
アウトローな思いとの葛藤
大川先生は、「すべての人は皆、心に仏性(ぶっしょう)を宿し、この世で魂修行をしている存在である」と教えてくださっています。この仏法真理の世界観は、私の周囲への接し方を劇的に変えました。
刑務所にいる人たちは、身から出た錆とはいえ、更生しようと頑張っている人たちです。「どっちが力があるか」などと争うこと自体、ばかばかしいことだと思うようになりました。
それよりも、仏の教えを学ぶ感動を、一人でも多くの人と共有したくなりました。刑務作業の休み時間になると、周囲の人をつかまえては、本の感想を伝えたり、読むよう勧めました。そのうち、「こういう生き方をしたいね」などと話せる人が出てきて、本当に楽しかったです。
けれど、現実に目を向ければ、私は相変わらず暴力団員の服役囚でしかありません。
いくら真理の書を読んでも、出所した後も、裏社会の方法で生活の糧を得たいというアウトローな思いは消えません。自分の中にある悪に通じる心、それに、すぐカッとなる性格も、簡単には変えられそうもありませんでした。
130回読んだ『仏陀再誕』
ある時、「大川先生の本を精神安定剤として読むだけではだめだ。自分の心を直したい」という思いが湧いてきました。そこで美しい文体に感動した『仏陀再誕』を100回読むことにしたのです。
『仏陀再誕』に出てくる”大男のたとえ”の話などは、はじめは子ども向けの話かと思いましたが、読めば読むほど深い内容だと気づきました。「まるでコントロールできない自分の心みたいだ」と。経典に無駄な言葉は一つもありません。しかし100回読んでも、「まだ、変われていない」という気持ちは消えませんでした。
そんな時は、「本人は現状を不本意に思って退転するのかもしれませんが、私は『もう少しなのに、惜しいな』と思って見ているのです」(『幸福の革命』より)という大川先生の言葉に励まされて、読み続けました。
結局、130回読みました。その頃には自分でも柔らかい雰囲気が出てきたように思え、 気がつけば、統御できなくてあきらめかけていた怒りの心があまり出なくなっていたのです。出所後、もっと違う生き方が出来るんじゃないか、という思いも芽生えてきました。誰も傷つけない人間になりたいと――。
“カタギ”になる強い決意
刑期を終える頃、私をアニキと慕う服役中の弟分たちに言いました。「お前らが願っていることは、もうオレにはできない」と。そして出所後、迎えにきた組の者に「カタギになる」、ときっぱり伝えたのです。
出所後、私は、組での栄達を約束された、胸を張れる立場にありました。ですからその決意表明はある意味で、裏切りを意味しました。私はその場で組織から離れることになったのです。
幸福の科学に入れない焦り
出所後は、大型免許を取得し、トラックの運転手を始めました。
会員になりたくて、幸福の科学の精舎や地元の支部に何度も行きました。でも、なかなか中に入れません。東京正心館も2回行きました。栃木県にある総本山・未来館や総本山・日光精舎にも行きましたが、結局、車で前を通り過ぎてしまいました。所用で四国を訪れた時、偶然にも聖地・四国本部精舎に遭遇しましたが、周囲をまわるばかりで、外観を携帯電話のカメラで撮ったりして帰ってきてしまいました。
だんだん、焦ってきました。「これ以上離れたらまた前の世界に戻ってしまう。でも、自分のような者が、支部や精舎に行っていいものなのか」。迷ううちに、月日は流れていきます。意を決して、地元の支部を訪問したら休館日。正直ほっとしました。
結局、出所して1年後、3回目にしてようやく支部の門をくぐることができたのです。
幸せな時間の中で
お願いして、その日のうちに入会させていただくことができました。そこに至るまでの経緯を、支部長や集っていた先輩信者の方々に、洗いざらい話すと、感極まりました。それから1カ月間、定期券を買って毎日支部へ通ったのです。
朝は祈りから始めて、法話ビデオを拝聴。そして作務(さむ:心を磨くことを目的とした清掃)をしたり、支部の仲間と学び得たことを話したり。それは幸せな時間でした。支部の誰もが私の過去を知っているのに、差別するでもなく、心の修行を誓い合った仲間として、あたたかく受け入れてくれたのです。
この方が私の主なんだ
入会してから3カ月後、思いがけないことがありました。東京正心館で行われる大川総裁の法話を直接拝聴する機会が与えられたのです。
前日はドキドキして眠れませんでした。恥ずかしい話ですが、もし、大川先生が普通の人間に見えたらどうしよう、と不安だったのです。
しかし、大川先生が登壇され、言葉を発された瞬間、そうした杞憂(きゆう)は吹き飛び、すうっと涙が流れてきました。「やっぱり、この方が、私の主なんだ。エル・カンターレなんだ!」という強い確信がこみ上げてきたのです。
過去清算の秘法
しかしその後、法話を拝聴して感動した心と、日々の生活の中でかかってくるストレスや、時折わいてくる悪なる心のギャップに、私は苦しみ始めました。
今こそ、精舎で『 過去清算の秘法』―特別灌頂―(※)を受ける時だと思いました。支部長に相談すると、秘法を受ける前に、『若き日のエル・カンターレ』の4、5、6章を精読することを勧めてもらいました。『若き日のエル・カンターレ』には、主のあれほど素晴らしい生き方の中でも、反省の時があり、「二度死んだ」と書かれており、深く心を動かされました。
「とりあえず今の自分は切腹だ」と思いました。
案内の職員さんに「儀式のときは何も持たずにお入りください」と告げられ、「ああ、死にに行く自分には何もいらないな」と思い、身一つで向かいました。
儀式を終え、主への感謝を捧げた時、「醜かった私も、今の私も、同じように主は愛してくださっていたんだ」ということを体感しました。その主の思いが、胸に伝わってきた瞬間、涙が止まらなくて、周りをはばかることなく嗚咽(おえつ)してしまいました。それほどの主の愛を感じたのです。
(※)「過去清算の秘法』―特別灌頂(かんじょう)―:罪の多い人生を悔いている人が、主より許しを与えられ、光に満ちた人生を歩んでいくための秘法。
与えられた生命を輝かそう
私の心の修行は、始まったばかりです。
まだまだ反省は苦手ですし、広大無辺な仏の教えは生涯かけても学び切れないだろうな、とすら思います。しかし私には、手取り足取り導いてくれ、支えてくれる幸福の科学の仲間がいます。
この頃は、町を行き交う人の顔を見ても、「あの頃の自分のように、心に激情を秘めて苦しんでいる人がいるのでは」と、胸が痛むようになりました。かつての仲間にも、仏の教えを伝え続けています。「よくやるよ」という反応もありますが、私の変化に驚き、同じく幸福の科学の仲間になった方もおられます。
私の人生を、「波瀾万丈だね」という方もいるでしょうけれど、ただ、欲望に振り回されていただけのことだったのだと今は思えます。
これほどの教えを学んでいながら、ただ悪が消えただけではだめだと思うのです。修羅の人生から救ってくださった仏には、どれだけ感謝してもしきることはできませんが、与えられた生命を精一杯輝かせていきたいと心から誓っています。
この記事は、毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第253号より転載し、編集を加えたものです。
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