幸福実現党ニュース
[HRPニュースファイル1206]
&[HRPニュースファイル1207]
より転載

「実体経済」と「金融経済」、「資本主義」と「バブル」
――【前篇】&【後篇】

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◼︎「実体経済」と「金融経済」、「資本主義」と「バブル」――【前篇】


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【2014衆議院選挙】

今、必要なのは
「安い税金」「小さな政府」、
新たな繁栄のための成長戦略です!
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http://hrp-newsfile.jp/2014/1872/

文/HS政経塾スタッフ 赤塚一範

「アベノミクス」「消費増税」「財政赤字」など経済政策では様々な議論があり難しいと言われることも多々あります。

マクロ経済は、それぞれ「実体経済」と「金融経済」について分けて考えると理解しやすいのですが、これがマクロ経済を難しくしている原因でもあります。

◆実体経済について

まず、「実体経済」とは商品やサービスがどれだけ、需要されるか、そしてそれがどれだけ供給されるかという「モノ」中心に経済を捉える考え方です。

需要側とは、モノを買う側のことで、一人一人の個人(家計)の消費、そして企業などの機械や工場の購入などの設備投資、そして、政府の公共事業が挙げられます。

一方で、供給側とは主に企業がどれだけのモノやサービスをつくれるかに関わってくる問題で、企業の生産性、労働者の生産性、労働者人口、生産性の高い資本が整っているかに関わってきます。

このそれぞれの商品やサービスごとの需要を合計したものが総需要、供給を合計したものが総供給です。実体経済において一年間にどれだけ需要し供給されたかを表したものがGDPです。

◆金融経済について

実は、この「実体経済」には、お金やお金の貸し借りによって発生する債券など金融資産の取引は含まれていません。これらを「実体経済」と対比させて「金融経済」と呼ぶことにします。

債券とは、お金を貸した証明書のようなもので実体はなく、「実体経済において、借りたお金を使い、起業するなり何らかの富を生み出して利子をつけて返済します」という約束です。

この金融資産には預金・社債・国債・株式などが含まれます。金融資産はモノと違い現金に換えやすいという特性(これを流動性と呼びます)によってある種の購買力を持ちます。

例えば金融資産である預金は、現金化していなくとも高い流動性のため、経済学では貨幣として扱います。

金融資産は購買力を持つため実体経済において影響を与えますが、そのものは、ただの紙切れであったり、電子的な記号であったり、ある種の信用に基づいて存在しています。

このように現実の経済はモノ中心の「実体経済」と目に見えない信用に基づいた「金融経済」が複雑に影響し合いながら存在しています。

◆アベノミクスと消費増税

アベノミクスはデフレからの脱却を目的としていますが、デフレとは、モノが売れず余っている状態、供給過多の状態で「実体経済」での議論です。

デフレから脱却するために、法人減税などで企業が投資をしやすくしたり、株高による資産効果で個人消費を活発化させたり、直接公共事業を増やしたりして需要を増大させ「実体経済」を刺激するのです。

消費増税がデフレを悪化させると良く批判されていますが、それは消費増税が需要を減退させ「実体経済」に悪影響を与えるからです。

◆増税による国債の返済の問題点(1)(政府の約束違反)

また、よくある議論が「国の借金は国民の借金であり、財政再建のための消費増税はやむなし」と言うものです。

これは「金融経済」の議論ですが、以前のHRPニュースで田部氏も指摘しておられる通り、政府にお金を貸した証明である国債は国民にとっては資産となります。

日本国民にとって国債が返済されないと困るのは当たり前ですが、増税によってお金を返すのであれば、国民は何の得もありません。

増税による財政再建が間違っているのは、国債というのは「政府が『実体経済』において何らかの富を生み出して利子をつけて返済する」という約束だったにも拘わらず、富を生み出せなかった責任を国民に押し付け、合法的な強奪である課税によって返済をしようとしているからです。

これは政府の約束違反です。これは借金をした人が、お金の貸手の家に強盗に入り、そのお金を翌朝、強盗に入った家に返済しに行くのに似ています。

また、社会保障を国債で賄うことの危険性もここにもあります。社会保障は将来富を生み出す類のものではないので、借金で賄ってはいけないのです。履行できない約束をしてはいけません。

政府はこれを「助け合い」という美辞麗句で飾っていますが、これは単なる返済の当てのないバラマキに過ぎず、政府の「富者から貧者へ」「現役制代から引退世代へ」の富の合法的な強奪・分配に過ぎません。

政府はこれ以上国民を騙してお金を巻き上げるべきではありません。
(つづく)
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■「実体経済」と「金融経済」、「資本主義」と「バブル」――【後半】

文/HS政経塾スタッフ 赤塚一範

http://hrp-newsfile.jp/2014/1874/

◆増税による国債の返済の問題(1)(信用収縮による恐慌)

国債の増発や企業の借り入れの増大は「将来は利子をつけて返します」という信用が増えることを意味するので「信用拡大」と言います。

この「信用拡大」は銀行を仲介した場合、預金通貨の増大を伴います。一方、借金の返済をどんどん済ませていくことは債券の消滅を意味するので「信用収縮」と言います。

これも通常、預金通貨の減少を伴います。借金の返済による「信用収縮」は個人の金融資産の減少を意味しますので不況をもたらします。

マネタリストの総帥であり、新自由主義の旗手の一人であるミルトン・フリードマンは、1929年の世界大恐慌の原因は「貨幣量の減少である」という実証分析を行っています。

実体経済に何ら問題が無かったとしても、「信用収縮」が起ると、実体経済における需要側である消費や投資が縮小し、それは供給側で工場の閉鎖、企業の倒産、大量の失業者を生み出します。

フリードマンは、GDPの増大よりも、貨幣需要の増大の方が大きい現象を「貨幣は贅沢品である」と表現しています。つまり文明が発達すればするほど、文明の発達の速度以上に大量の貨幣や金融資産が必要となるのです。

このように財政均衡主義に基づいて、国債を償還することは「信用収縮」を引き起こし、経済を恐慌へと導く可能性があるのです。

◆資本主義とバブル

一方、日銀が大量の貨幣を市場に供給することでバブルを懸念する声もあります。現代では特にバブルとは実体経済からかけ離れて金融資産の価値が大きくなりすぎることをバブル呼ぶことが多いと言えます。

自由主義市場経済では人びとが、価値があると信じるだけ価値があります。

例えば、ダイヤモンドは平時であれば価値がありますが、砂漠の中でさまよってしまえばダイヤモンドの価値はコップ一杯の水の価値よりも劣るでしょう。

このように市場経済においては人の「主観」に価値の基礎をおくので、多少の価値の揺らぎ市場の揺らぎは仕方ない面もあります。

しかし、価値も感じないのに、ただ値上がりのみを期待して投機する場合、バブルが発生しやすくなります。

かつてのオランダでは「チューリップの球根」が、馬車や屋敷一軒にまで価値が上昇しました。

また、かつてのイギリスでは、投機ブームの結果「大いに利益になる事業をするのだが、それが何であるか誰も知らない会社」といった怪しい会社の株式までもが取引されるようになりました。

このようにバブルではきっと値上がりするという一種の熱気が市場を支配することによって成り立ち、人びとが熱狂から覚めたときに破裂します。

◆資本主義には正しい宗教が必要

ただ、気を付けるべきは、バブルの否定は資本主義の否定となりやすいことです。バブルを抑制しようとする様々な規制は、新たなことに挑戦しようとする企業家精神に対して向かい風を吹き付けます。

また、バブル潰しによる「信用収縮」は恐慌をもたらします。大切なのは、バブルを問題視することではなく、どうやったら膨れ上がった信用に現実を追いつかせるかということです。

その意味で、熱狂に乗り利益を上げようとする投機家でなく、ある種の倫理観を持った銀行家、投資家、企業家の存在が重要となります。

彼らがバブルを単にバブルで終わらせることなく、信用を実体経済の発展に結び付けるのです。

ドイツの社会学者マックス・ウェーバはその倫理を、禁欲を旨とし神の栄光を地上にあらわさんとしたプロテスタンティズムの精神に求めました。

彼らは職業を自らの使命と捉え勤勉に働き、禁欲をもって蓄財に励み投資を行いました。彼らの宗教的倫理や使命感が、理想など目に見えないものをこの世に現実化させたのです。

このように宗教と経済は矛盾するどころか、むしろ経済が正しく運営されるには宗教的な基盤が必要となってきます。

幸福実現党は、日本に正しい自由主義経済を根付かせる正しい宗教政党として頑張って参ります。
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