The Liberty Web
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8221
より転載

本当にプーチンがやったのか?マレーシア機撃墜事件でロシア制裁強化
2014.07.30
 
{D539CDC7-AA73-40A6-B002-7B27872BEF94:01}

ウクライナでのマレーシア航空機撃墜事件を受けて、欧米諸国はロシアへの追加制裁を決めた。アメリカは基幹産業であるエネルギーや防衛、金融関連の企業への圧力を強める。EUもロシアの政府系金融機関の資金調達を禁止したり、石油掘削技術の提供を禁止したりするが、ロシアへの依存が強い天然ガスは対象から外す。アメリカの制裁にEUが足並みを揃えた形だ。
 
日本はこれまで、ロシア政府の関係者へのビザ発券停止などの制裁を行ってきたが、28日に追加制裁を表明。クリミア編入やウクライナ東部の混乱に直接関与していると見られる個人や団体の日本国内の資産を凍結することを決めた。ロシア外務省は「非友好的で近視眼的な歩み」と非難している。
 
ただ、きっかけとなったマレーシア機の撃墜に関しては現地での国際調査が進んでおらず、不明点が多い。アメリカの国家情報長官室は27日に親ロシア派が砲撃した証拠だとする衛星写真を公開。ロシア領内から多連装ロケット砲が発射され、ウクライナ軍の陣地に着弾した跡が写っているとした。
 
だが、現時点では、ロシア政府や軍が撃墜に直接関与している決定的な証拠はない。仮に親ロシア派によるものだとしても、彼らがロシア政府や軍のコントロール下にあるとは限らない。アメリカの情報当局の関係者も、次のようにコメントしている。「ミサイルを発射したのが誰か、また、ミサイル発射の際にロシアの工作員が立ち会ったかどうかも分からない。親ロシア派が誤って撃ち落としたというのが最もありうる説明の仕方」(22日付AP通信)。
 
アメリカは事件の全容が不明な段階でロシア制裁を強め、包囲網を作ろうとしていると言わざるをえない。経済的なダメージを受けるロシアは、中国と接近せざるをえない事態に追い込まれつつある。このまま制裁を強め、仮に、「日米対中露」という対立構造ができてしまえば、「第二の冷戦」とも言える事態となり、日本は安全保障上、極めて危険な状況に陥る。
 
秋に予定されているプーチン大統領の訪日について、ラブロフ露外相は28日、「招待があれば検討し受け入れる」と話し、日本の制裁をけん制した。日本の菅義偉官房長官は「日露関係はわが国の国益に資するよう進めていく」とコメントしているが、中国とロシアの接近を防ぐことこそ国益になることを見逃してはならない。中立の立場で事態を見つめながら、外交判断を行うべきだろう。(晴)
 
【関連書籍】
幸福の科学出版 『プーチン大統領の新・守護霊メッセージ』 大川隆法著
 
幸福の科学出版 『「忍耐の時代」の外交戦略 チャーチルの霊言』 大川隆法著
 
【関連記事】
2014年7月号記事 Part2 プーチンはヒトラーの再来ではない - この"独裁者"は天使か? 悪魔か? プーチンの正義
 
Web限定記事 「独裁者」と批判される ロシア・プーチン大統領が語る大戦略
 
2014年6月13日付本欄 「プーチンTシャツ」がロシアで大人気 西側諸国こそ「冷戦構造」から脱却せよ


ウクライナ問題と日本の役割
[HRPニュースファイル1079]
より転載


http://hrp-newsfile.jp/2014/1611/

文/HS政経塾第2期卒塾生 幸福実現党世田谷区代表 曽我周作

◆マレーシア航空撃墜事件

ウクライナの上空でマレーシア航空が撃墜された事件から約2週間が経過し、ウクライナ問題がさらに出口の見えないものになってまいりました。

今回の撃墜事件は、事件発生直後からロシア製の地対空ミサイルのBUKが、親ロシア派によって使用されて発生したという見方が出ています。

しかし、そもそも「親ロシア派」というものの、親ロシア派の「ドネツク人民共和国」の実態として、それを率いているのはロシアの諜報機関であるGRUの関係者であると指摘されています。

したがって、この長く続くウクライナ問題は、単なるウクライナの内政問題であるわけではありません。

現状としては事故から2週間がたちますが、事故現場の捜索活動も親ロシア派の抵抗で十分に行えていない状況であるといわれています。

事故の後からの当面の争点としては、
(1) この撃墜は誰が行ったのか
(2) この撃墜は何の兵器によってなされたのか、その調達はどのようになされたのか

これらの2点がまず挙げられるかと思います。

◆親ロシア派の誤射

『エコノミスト』では「ミサイルはロシアから供給され、要員もロシアで訓練された」と主張しています。

また、このような撃墜は高度な兵器と訓練がなければできないことだといわれており、ロシア側の関与が疑われています。

そして、当初から親ロシア派の誤射であるだろうといわれています。

これら西側諸国の主張する内容が全て真実であると仮定しても、エコノミストのいうように「西側諸国が厳しい制裁をロシアに課して、プーチン大統領とその仲間を国際社会の協議の場から追放すること」が事の解決につながるのかといえば、それは大いに疑問があります。

ただし、同じく西側諸国の主張する内容が全て真実であると仮定して、ロシアのプーチン大統領も、西側諸国が主張するとおりのことが事実であることを知っている、つまり、ロシアが供与した地対空ミサイルBUKで、親ロシア派がマレーシア機を誤射したということを知っている可能性も当然あります。

クリミア編入など、ロシアの思惑が貫かれた部分も多分にあったと考えられる一連のウクライナ問題ですが、このマレーシア機撃墜はプーチン大統領にとって大誤算であった可能性もあるでしょう。

◆日本の役割

西側諸国の主張する内容が真実であると証明された場合、プーチン大統領は更なる窮地に立たされるかもしれません。

EUに続き日本もロシアに対して追加制裁を決定しましたが、今後日本国政府としては米国追随型で制裁に進むだけなのかどうかが試されているでしょう。

この期に及んでもなお、ロシア政府側から、この秋に日ロ首脳会談が行われることに期待感を示す意見が出されるのは、もちろんロシア経済にとって対日関係が極めて重要であることも一因でありますが、やはり同時に、日本に西側諸国とロシアとの仲立ちを期待する意味合いも含まれているでしょう。

日本までもがアメリカを中心とする西側諸国の激しい「怒り」の波に乗りすぎると、追い詰められたロシアが中国と接近し、中ロが組んで日本に本格的な脅威を与えるようになる危険性があり、それは日本として最悪のものであります。

今回のマレーシア航空の撃墜事件は、プーチン大統領としてもかじ取りを一気に困難なものにした「不測の事態」であった可能性があります。

安倍首相率いる日本政府としても非常に対応の難しい問題であるかもしれません。

ロシアのプーチン大統領にとっても国際社会の責任ある国家の一つとして、この問題の解決に向けたプロセスに進めるよう、西側諸国とロシアの中で泥沼化しつつある問題の解決に向けて、我が日本国政府が国際社会の舞台で重要な調停役を見事に果たされることを切に期待するところであります。


(参考)『Economist』より
Russia’s president is implicated in their crime twice over. First, it looks as if the missile was supplied by Russia, its crew was trained by Russia, and after the strike the launcher was spirited back to Russia. Second, Mr Putin is implicated in a broader sense because this is his war. The linchpins of the self-styled Donetsk People’s Republic are not Ukrainian separatists but Russian citizens who are, or were, members of the intelligence services.
…The West should impose tough sanctions now, pursue his corrupt friends and throw him out of every international talking shop that relies on telling the truth

http://www.economist.com/news/leaders/21608645-vladimir-putins-epic-deceits-have-grave-consequences-his-people-and-outside-world-web
--------
◎幸福実現党公式サイトhttp://hr-party.jp/
◎HRPニュースファイルサイト(バックナンバーがご覧いただけます)
http://hrp-newsfile.jp/
◎購読は無料です。購読申込はこちらから(空メー ルの送信だけでOK) ⇒
p-mail@hrp-m.jp
◎新規登録・登録解除はこちらから ⇒ http://hrp-m.jp/bm/p/f/tf.php?id=mail
◎ご意見・お問い合わせはこちらから ⇒ hrpnews@gmail.com