[HRPニュースファイル1006]
より転載

集団的自衛権行使の本質を問う

http://hrp-newsfile.jp/2014/1458/

岐阜県本部政調会長 加納有輝彦

◆20年前の警告が今現実に

今を遡ること20年前、朝鮮民主主義人民共和国を建国した金日成の死去(1994.7.8)より4日後の7.12に東京ドームで開催された講演会「異次元旅行~仏法真理のもとに地球を一つに~」にて幸福の科学グループ・大川隆法総裁は、北朝鮮の核保有疑惑に関し、「これは疑惑ではなく、北朝鮮はすでに核兵器を保有しております。」と警鐘を鳴らされました。

また、中国の軍事的拡張主義、覇権主義の脅威にも言及され「このあとに来る軍事的拡張主義が恐ろしい。」「ベトナム沖の油田、その他、経済的利権になる所に対し、触手をのばすことが危険である。」と同じく警鐘を鳴らされました。

今、その警鐘が現実のものとなりました。

大川総裁より警鐘が鳴らされた20年前より我が国が対北朝鮮、中国の軍事的拡張主義に対し、しっかり対応していれば、「集団的自衛権」に関し議論が紛糾して喧々諤々たる現在の国内状況はなかったのではないかと悔やまれます。

事実は、当時の村山政権から時代が逆回転をし、阪神大震災、オウム事件、民主党政権の迷走、東日本大震災、自虐史観の蔓延等々、20年の停滞を経験し、未だ脱出していない状況が続いています。

◆南シナ海の危機的状況

ここにきて南シナ海における中国とベトナム、フィリピンの衝突がにわかに頻発し、ベトナムでは反中デモが開かれ、中国人の死者が出るなど事態は緊迫しています。

中国のベトナム、フィリピンへの挑発行動は、先月4月のオバマ大統領の日本を含めたアジア4か国訪問の直後に起こっています。

オバマ大統領は、同盟・友好国にアジア重視の政策は不変であり、安心して欲しいと保障するためアジア4か国を訪れました。

しかし、行く先々で「我々の目標は中国に対抗することではない。中国を包囲することでもない。」と中国を気遣う姿は、尋常なものでなかったと田久保忠衛氏(杏林大学名誉教授)が産經新聞の正論(5/16)で述べておられます。

大川総裁は5月17日、静岡県浜松市にある中部正心館で行った法話「愛が時代を動かす」の中で、中国はアメリカが何もできないところを世界に見せて、この海域を実効支配できるところをPRしていると分析しました。



そして中国とベトナム、中国とフィリピンの戦争が差し迫っている、いつ戦争が始まっても不思議でないと警告を発されました。

◆戦争勃発の危機

これに関しては、同日夜のTBS「新・情報7daysニュースキャスター」に出演した藤原帰一東大教授も、中国とベトナム、フィリピンの間に戦争の危険が高まっているとコメントしていました。現役東大教授のコメントとしては踏み込んだもので、それだけ危機的状況にあることが分かります。

また、15日に官邸で行われた安倍首相の集団的自衛権行使に関する記者会見を受け、翌日の東京新聞が朝刊で『「戦地に国民」へ道 』と赤旗新聞顔負けの大見出しを一面に打ちました。

しかし行使反対を鮮明にした東京新聞の長谷川幸洋論説副主幹も、18日に関西の人気民放番組に出演し、集団的自衛権に関して、日米同盟それ自体が集団的自衛権の発動であると、その必要性を認識していると発言し、東京新聞の論説と一定の距離を示していました。

このように中国とベトナム、中国とフィリピンの戦争の危機が現実となった今、個別的自衛権では対処できない集団的自衛権の必要性が認識されてきます。15日の安倍首相の記者会見の説明は、邦人保護の説明が中心であり、必ずしも集団的自衛権の必要性を説明できていないと容認派、反対派双方から批判が出ています。

◆集団的自衛権問題の本質

問題の本質は、例えば、中国とベトナムが戦争状態になった時、日系企業も多いベトナムの「助けて下さい」という要請を全く無視し、アメリカまかせで済むかという事です。

植民地を解放してくれたと未だにアジアの人々から尊敬されている日本が、果たして「無視」「見殺し」にできるのか。私たちの先輩が命をかけて勝ち得た「尊敬」を、私たち子孫が反故にしてしまってもよいのでしょうか。

17日の講演で大川総裁は「全体主義とは、人々を愛する神仏の心を無視した国家の暴走」と定義付けられました。

さすれば、集団的自衛権を戦争に巻き込まれると忌避し、己の安全のみを考え、第三国の紛争に知らぬ存ぜぬを貫くことは、これまた人々を愛する神仏の心を無視した利己主義という横暴に他ならないのではないでしょうか。

時の政権の解釈で憲法が変わってしまうとすれば、「立憲主義」を破壊するものであると手続き論でいろいろ批判されていますが、こうした批判について、大川総裁は「法律のために人間があるのではなく、人間のために法律がある」と指摘されました。

憲法の遵守や、その改正手続きにこだわって、日本人の生命、安全やアジアの平和を危機に陥れてしまえば、元も子もありません。現状は、憲法改正の手続きを踏んでいては間に合わないほど緊迫した状況にあります。

大川総裁は、結語として「『国民を護り、世界の平和に寄与する』という一点を貫くべき」であり、「愛の行為が、同時に神仏の願う正義とも一致していくよう、努力すべき」と主張しました。

厳格な法律論・手続き論に拘泥し、国民の生命を危機に陥れることのないよう幸福実現党は、引続き、安倍首相が公明党に遠慮して言えない正論を訴え続けてまいります。
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月刊ザ・リバティ 
大川隆法総裁 法話レポート

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7844 より転載

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大川隆法総裁 法話レポート
 
安倍政権 集団的自衛権容認へ
「国民を護り、世界の平和に寄与すべきだ」
 
「愛が時代を動かす」
 2014年5月17日 
 
 
 安倍晋三首相が、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使容認に向けて検討を進めていくと表明したことで、議論が巻き起こっている。
 この安全保障政策の大転換に対し、一部メディアからは「日本が戦争できる国になる」「憲法に基づいて政治を行う立憲主義からの逸脱」といった批判の声もあがっている。自民党と連立を組む公明党も同様の慎重論で、政権の足並みは大きく乱れている。
 この問題をどう考えるべきなのか。幸福の科学グループ・大川隆法総裁は5月17日、静岡県浜松市にある中部正心館で行った法話「愛が時代を動かす」の中で、集団的自衛権についての見解を述べた。
 
 
日本はアジアの平和を守る責任がある

 大川総裁は、集団的自衛権の行使容認を急ぐべき理由として、日本の尖閣諸島有事のみならず「中国とベトナム、フィリピンの戦争がいつ始まってもおかしくない」という国際情勢の緊張を挙げた。
 
 現在、南シナ海において中国とフィリピン、ベトナムの衝突が多発している。
5月6日には、ウミガメの密漁をしていた中国漁船を、フィリピン当局が拿捕し、中国側が反発するという事件が起こった。
 7日には、南シナ海・西沙諸島付近の海域で、ベトナムの巡視船が中国の公船による衝突を受け、ベトナムの船員に6人の負傷者が出た。問題となった海域は、ベトナムの排他的経済水域に当たるが、中国が石油の掘削を始めていた。
 このように、南シナ海の状況は緊迫したものになっている。
 
 大川総裁は、アメリカのオバマ大統領が政権末期で力を失い、軍事的にも「撤退」に入っていること、クリミア問題でロシアへの備えに戦力を割いている状況が、この背景にあると語った。中国はアメリカが何もできないところを世界に見せて、この海域を実効支配できるところをPRしていると分析した。
 
 そうした中、不法な攻撃を受けた隣国を救うためにアメリカが戦っているのに、日本が「集団的自衛権の行使が認められていない」といって何もしなければ、「近隣諸国の日本に対する不信感が生まれ、ASEANのリーダーとしての日本への信頼感は、大きく失われていく」と警告。
 日本にとっても、有事の際はこの地域に進出している日系企業を保護する必要がある。また、原発停止でエネルギー供給が不安定化する中、中国が同地域の制海権を握れば、中東から石油が運ばれるルートも断たれかねない。
 
 大川総裁は、「アジア・オセアニア地域の平和の維持のために、力を行使できるような日本にならなければならない」とリーダー国家としての自覚を促した。
 
 
善悪を判断する智慧は、神仏の心を探究する中に得られる

 こうした状況にも関わらず、日本では集団的自衛権の行使容認や憲法九条改正への反対論が根強い。その背景には「戦争は全て悪」という考え方があるが、大川総裁はそれに対して「善悪を判断する智慧がない」と喝破した。それは突き詰めていえば、「神仏の心が分からないということ」だと述べた。
 
 人々を助け、社会の秩序を護るために、警察官が実力行使するのと、自分の利得のために、人を不幸に陥れてもかまわないと考える犯罪者が実力行使するのとでは、価値判断において違いがある。
 これを現在の国際社会に照らして述べれば、国民の信教や言論の自由を奪い、武力を背景に他国の権益を侵そうとしている中国や、自国民が飢えに苦しんでいるのに核兵器を作り続けている北朝鮮の中には邪悪なるものがあり、それを防ぐための武力行使は必ずしも悪とはいえないということだ。
 
 大川総裁は、本法話の中で、中国や北朝鮮といった全体主義国家について触れ、「全体主義とは、人々を愛する神仏の心を無視した国家の暴走」と定義づけた。
 無神論、唯物論を国是とする国においては、この世で勢力を拡張し、利益を求め、命を長らえて繁栄することが最高のことだと考えるようになる。そうした国においては、政治指導者たちが、「邪魔者を消していく」という思想が横行し、人々が各自の幸福のために自由を行使することが許されなくなる。
 
 一方、神仏を信じ、霊的世界を信じる立場に立つならば、「永遠の生命のなかでの善悪とは何か」を考えるようになる。ゆえに、こうした立場に立つ信仰者たちは「信仰心に基づいて善悪を判断し、正義を実現していく勇気」が必要とされていると強調した。
 
 
「法律のために人間があるのではなく、人間のために法律がある」

 集団的自衛権の行使容認に向けて憲法解釈を変更するという安倍首相のやり方については、「立憲主義を守るために、時の内閣が解釈を変更するのではなく、選挙や国民投票といった手続きを経て、憲法を改正することが必要だ」という意見もある。
 
 こうした批判について、大川総裁は「法律のために人間があるのではなく、人間のために法律がある」と指摘した。
 憲法の遵守や、その改正手続きにこだわって、日本人の生命、安全やアジアの平和を危機に陥れてしまえば、元も子もない。もちろん憲法9条を改正するのが筋であるが、現状は、憲法改正の手続きを踏んでいては間に合わないほど緊迫した状況にある。
 
 大川総裁は、「『国民を護り、世界の平和に寄与する』という一点を貫くべき」であり、「愛の行為が、同時に神仏の願う正義とも一致していくよう、努力すべき」と主張した。
 
 日本には今、国家レベルで、智慧を伴った愛の行為が求められているといえるだろう。

(関連書籍)
「現行日本国憲法」をどう考えるべきか――天皇制、第9条、そして議院内閣制 
大川隆法著(幸福の科学出版刊)

How we should view the current constitution of Japan.

侵略国家にも「第9条」を適用するのか。
「天皇制」はどうあるべきか。
「議院内閣制」「大統領制」は是か非か。
現行憲法の矛盾と限界を考える。
{0727A24F-F412-44EE-83D9-42E459BF2B0C:01}


    まえがき

 私はすでに「新・日本国憲法 試案」というものも発表している。それは聖徳太子の「17条憲法」に似たスタイルの、プラグマティックな考え方をも加味した規範的な近未来憲法である。だが、幸福実現党の現状及び、その影響力からみると、まだ当分の間、現行日本国憲法の解釈とその一部修正案の検討という過渡的な考え方も必要だと考えた。
 そこで本書では、大きくは3つほどの論点に絞って、現行憲法の解釈について、私見を述べた。天皇制、第9条、そして議院内閣制についてである。私の考えを理解する上で、より情報量が豊かになったと思う。
 現行憲法には、まだ多々論点があるので、折々に新しい論点を追加するつもりである。憲法は単に、字句の解釈をしておれば済むものではなく、その底に、哲学、法哲学、政治哲学が必要であり、価値観がからむものなので、広くは宗教思想がベースとして必要かと思う。

 2014年 1月29日
     幸福の科学グループ創始者兼総裁    幸福実現党総裁       
     幸福の科学大学創立者 大川隆法

    あとがき

 おそらく、本書の内容は憲法学者や法律の実務家からみても、大胆すぎる意見に感じられることだろう。
 ただ、宗教家として分類されている私だが、東大法学部で、「私法」「公法」「政治」のすべてのコースをマスターした法学士でもあるので、憲法学について法律知識のない土俵で議論しているつもりはない。卒業後、最高裁や、東京高裁に進んだ友人・知人に比べて、法律学の勉強ができなかったという記憶は全くない。
 また、宗教家としての側面からの説明だが、本書の元になる講義をするにあたっては、東大法学部教授で、憲法学、英米法などの権威で、退官後、最高裁の判事もなされた故・伊藤正己(まさみ)先生からも霊指導を直接受けている。この点、内容について、全くの素人意見だとは言わせるつもりはない。
 伊藤元教授には、学生時代、丸1年間、「法学」の基礎を教わっているので、気心は通じ合っている。本書が日本の未来を考える上で、何らかの指針になることを願っている。

 2014年 1月29日
    幸福の科学グループ創始者兼総裁   幸福実現党総裁       
    幸福の科学大学創立者 大川隆法

☆幸福の科学出版

(関連動画)
◼︎未来ビジョン
『岡崎久彦、集団的自衛権を語る!』
2010年 9月 4日放送

◎YOUTUBE動画◎


◼︎未来ビジョン
安倍晋三 - なぜ今、憲法改正が必要なのか
2011年 9月 3日放送

◎YOUTUBE動画◎