あちぃ、本当に暑い。

明日からは台風が来るとか言ってますが、真面目に勘弁して欲しいです。

関東には来ないようですが、多少は影響を受けるでしょう。

それに、西日本と言うか、九州地方を中心にもうどれ位雨降ってますかね?

まぁ、二次災害が起きないことを祈っております。

 

さて、織田信長が活躍した戦国時代、前回は「戦国時代は超デフレ&プチ氷河期&産業革命前」について書きました。

毎年毎年、給料が減り、毎冬凍死の危険におびえ、餓死の危険におびえる。

全力で働き続けて、漸く生きていく最低限の食料が確保できる、訳です。

令和元年の今からは想像もできませんが、昭和の大東亜戦争後にも似たような状況はあったようです。

 

しかし、戦国時代はそんなにあまくない(爆)!

この状況で、人々を更に絶望の淵に叩き込んだ奴らが居ます。

それが、寺社勢力。

 

経済に関わる人、あるいは近年私が読んでいる織田信長関連の書籍は、必ずこの寺社勢力の説明が出てきます。

何故かと言いますと、それだけ凄い奴らで、寺社勢力の凄さが分かると、信長様の偉大さがようやく分かるのです!

寺社勢力は、真面目にぶっ飛んだやつらで、今回はどれだけ凄い力の持ち主か?どれだけ人々を絶望の淵に叩き込んでくれた奴らか?を書いてきます。

 

1.寺社勢力とは?

そもそも、なんで寺社勢力?なのですが、当時は神仏混交だったからです。

神道と仏教が合体していたので、日本の神々と仏教の仏様が実は同一の存在である、と言う定義になっていました。

なので、比叡山の僧兵が朝廷に強訴(武力による談判)をする際、日枝神社(だったはず)の神輿を担いでいった訳です。

神社と仏寺は各々権力を持っていましたが、戦国時代は合体していたため、更に強大な権力に成っていた訳です。

 

2.日銀である

前回話に出た「永楽銭」。

戦国時代の唯一の通貨ですが、誰が支那大陸から日本に持ち込んだのか?

答えがズバリ寺社勢力です。

空海、最澄、栄西、などは日本に仏教の経典を持ち込み、布教に努めましたが、当然持ち込んだのはそれだけじゃありません。

最強の権力の源泉が、この「永楽銭」だと思います。

令和の時代では、日本銀行が日本銀行券を「円」として刷りますが、当時は通貨は「永楽銭」しかなく、しかも当然支那大陸でしか製造されませんでしたので、これを持ち込む寺社勢力こそが日銀に当たる訳です。

 

3.朝廷とズブズブの関係

そもそも、物部氏対蘇我氏まで遡ると思うのですが、仏教勢力が勝利した時から朝廷と仏教勢力の協力関係は始まりました。

皇室の一族、公家の一族の中には、寺に預けられて座主を務める者も多々いました。

当時は長男のみが家を相続しますので、次男以降は寺に預けられてそれなりの地位を得る場合が多かったのです。

勿論、本家に何かあれば戻ることもできます。

従って、真言宗、天台法華宗などは朝廷と言う最高権力とズブズブの関係にある、つまり絶大な権力を持っていた訳です。

これには、戦国時代の日銀である、と言うのも大きいと思います。

お金の力は常に大きいのです。

 

4.室町将軍家ともズブズブの関係

こちらは朝廷との関係と同じような理由に寄ります。

但し、宗派によって朝廷と関係が深いもの、あるいは将軍家と関係が深いもの、と別れるようです。

禅宗、日蓮宗はどちらかというと将軍家より、但し鎌倉の将軍家だった気がしますが。

日蓮宗は6代将軍、義教と大衝突したりしていますしね。

15代将軍義昭は興福寺に預けられていたので、松永久秀も手が出せずに助かりました。

日蓮宗は信長と関係が深く、その理由は鉄砲を使用する際に必要な硝石の輸入ルートを、日蓮宗が抑えていたため、とされています。

日蓮宗の京都での総本山的なお寺が本能寺で、それ故信長は本能寺に良く宿泊していたそうです。

まぁ、これでお分かりのように、将軍家だけでなくて大名ともズブズブの関係であった訳です。

武田「信玄」とか上杉「謙信」とか島津龍伯(義久)とか、影響は多大なものです。

 

5.総合商社である

支那大陸から輸入したのは「永楽銭」だけではありません。

他にも色々と日本では手に入らないものが輸入されたでしょう。

鉄砲は支那大陸からではありませんが、結局種子島から広まったため海外から、と言う点では同じかもしれません。

他にも金銀の精製技術とか、香辛料、火薬、鉄の精錬技術、医薬品、肥料などなど、日本で手に入らないものは寺社勢力が輸入した訳です。

なので、ここから買うしかありません。

現在で言えば丸紅とか三井物産とかの、総合商社にあたるでしょう。

 

6.座

油、紙、針、木綿、などなど。

全て神社が利権を握っていて、一定の金額を納めない限り販売する権利を貰えませんでした。

「座」と言うやつです。

戦国時代は闇で販売する人も多数居たそうですが、見つかれば当然とっちめられます。

「座」は要するにカルテルなので、物価高の原因になります。

総合商社から買えるものも高いですが、それを売りさばくにもお金が必要になります。

当然、それを最後に買う人は更に高いお金を支払うことに成ります。

時代劇とかでお百姓さんが薬とかを中々買えないのは、こう言う理由です。

 

7.市

「市」とは市場のことです。

物は市場でないと効率的に売る事が出来ません。

所が、当時は日本全国でも1,500万石、つまり人口は約1,500万人しかいない訳です。

そうそう市場が開けるほど、人口が居ません。

織田信長の政策に、良く「楽市」が入っていますが、実際にはそこまで「楽市」は実施されなかったようです。

小説とかをみても、「岐阜城下町」とか「安土城下町」、例外的に秀吉が「長浜城下町」で実施した位です。

秀吉が実施したところ、周りの領地の農民が長浜に移住してしまい、苦情が殺到して信長が取りやめさせた、そうです。

 

そもそも、井沢氏によると「城下町」自体が信長が始めた制度で、当時それ程人口が集まる場所はたった一つ、「門前町」です。

つまり、寺社勢力のおひざ元だけです。

「門前町」は例外的に人口が多く、お金も沢山落ちるために「市」が恒常的に開けた訳です。

商人が商売をするためには、「門前町」の「市」で売る必要があり、この為にどうしても寺社勢力に取り入る必要がありました。

これも利権の一つです。

 

8.やくざである

文字通り、今で言えば暴力団です。

先ほどの「座」の決まりを破ると、初めはこう言う人達がやってきて制裁を加えます。

当時の寺社勢力の中では要するにごろつきのレベルで、安いお金で雇われていたと思われます。

時代劇とかで、お百姓さんの妻とか娘をさらおうとして、「遠山の金さん」とかに返り討ちにあっていたのは、時代が全然違いますが彼らでしょう。

 

9.警察である

ええぇ!と思われるでしょうが、やくざを撃退すると次は警察が来ます。

今度はきちんと武装してきて、相当強い人たちです。

彼らも金で雇われていると思われますが、やくざとはレベルが違います。

訓練もしているので、生半可な武力では倒せません。

大名とかがもし彼らと対立することがあれば、このレベルならまだ何とか撃退できるでしょう。

 

10.軍隊である

警察も撃退すると、最後に「僧兵」または「神人」とか呼ばれる人たちが来ます。

こいつらは最早「自衛隊」、軍隊です。

大名と言えど、大勢力でないと負けてしまいます。

松永久秀が興福寺にかくまわれた足利義昭に手も足も出せなかったのは、こう言う理由です。

少なくても13代将軍の足利義輝すら殺害した久秀が、手も足も出せない、と言うのはどれだけ興福寺の武力がすさまじいかを証明しています。

因みにですが、戦国時代最強の寺社勢力、本願寺はこれに該当しません。

彼らはまた別の種類の軍隊です。

 

11.国交省である

要するに、道を作って関所を作り、お金を取り立てていました。

高速道路や電車が全て寺社勢力に牛耳られていたと思ってください。

しかも滅茶苦茶高い上に区間が短いw

これで物価が上がる訳です。

逆らっても良いですが、その場合はやくざ→警察→軍隊を撃退する決意が必要です。

勿論、お百姓さんにはどうするすべもありません。

 

12.財務省である

税金と言うか、当時は年貢ですけれども、それも寺社勢力の領地では当然彼らが決めています。

他の大名の領地にも攻め込んでますし、そう言う意味では財務省です。

 

まぁ、この他にも貸金業、土地の売買、人身売買、なんでもござれです。

ぶっちゃけ、今で言えば殆どの省庁+日銀+総合商社+金融業全般+暴力団→軍隊が合体したような勢力です。

しかも、朝廷と将軍家ともズブズブです。

例えば、お百姓さん達が高い年貢を払わされ、物も買えず、妻や娘を奪われても、泣き寝入りするしかない、何故なら暴力団→軍隊がやって来るし、仮に大名であった場合も朝廷と将軍家が出てきます。

やりたい放題ですね。

高速乗ると5km毎に1万円取られ、電車は1駅で千円取られる、何買っても消費税は50%、ヤフオクとかやる場合は全て1回千円払え、逆らうと、、、あ、所得税は50%ねw、おぉ、美しい奥さんと可愛い娘さんじゃないか、貰っていくよwと言う世界です。

 

毎年毎年、給料が減り、毎冬凍死の危険におびえ、餓死の危険におびえる。

全力で働き続けて、漸く生きていく最低限の食料が確保できる、世界でこれをやられる訳です。

ぶっちゃけ、生きていくのが嫌になりますね。

しかし、そんな彼らを救ってくれる存在もありました。

次は彼らを救ってくれた存在について書きます。