どうして、私立医学部希望者に多浪生が多いのでしょうか?
世襲制、エゴ、親子がともに持つプライドの高さによる執着、家の財力、そして、本人の意欲の無さなどがあげられるのではないかと思います。
ドラ息子君、ドラ娘ちゃんたちに、そんなにかけるお金があるなら、目的を持って真に医学を学びたいが、家庭の事情で行くことができない優秀な学生にそのお金を回してほしいものです。
学力的に、私立なら入れる医学部もあるのに、国公立となると、かなりハードルが高くなるため、止む無く諦める学生もいるようです。
かたや、何年かかってもいいから、私立でもどこでもいいから医学部に入れば良しとする家庭の子供の場合。
「現役で医学部なんて、無理だって。」
と、はなから努力をすることもなく。
1浪目でだめなら、
「また来年があるっしょ!!」
さらに、2浪目でもだめな時は、
「予備校を変えちゃう?」
そして、三年目、四年目と。
私の友人は、ある知人について、こう話してくれたくれたことがあります。
「その人、ごろうですよ、ごろう…。」
「えっ?」と私。
すると、
「名前じゃありませんよ、五郎じゃないんです。5浪なんですって、その人。」
と、友人は何とも言えないあやしい笑みを浮かべていました。
そして、その後、彼はやっと入った医学部でさらに留年を重ねたとのこと。
そうなんです!!
勉強が嫌いな人、努力をしない人は、医学部に入ってはいけないのです。
こんな人も同じです。
勉強を、一生懸命、頑張っているのに成績が上がらない、要領がつかめなくて身に付くまでに時間がかかってしまうため、何度も失敗を繰り返す。
そんな人は、緊急を要し、即断を迫られ、人の命を預かる仕事に適切な対応ができるでしょうか。
いいえ!! キャパオーバーです!!
そんな状況におかれたら、頭から発火して、赤色灯が回転し、サイレンが鳴りっぱなしになってしまいます。
一を聞いて十を知ることができる人間でないと、緊迫した現場では適切な対応ができません。
難解な医学書や英語の論文もいくつも読みこなし知識として身に付けられる。
現場では上司や先輩から見て聞いて多くのことを学び体得できる。
「なんだったっけ~?」
なんて、頭をぽりぽりかきながら、のんきに一人だけ次元の違う行動をとっているようでは救える命も救えません。
これまで挙げてきた内容だけからしても、勉強が嫌い、努力はしない、要領が悪いなんて類の人たちが、いかに「医者」に向いてないかは明白なはずです。
さらに、体力も必要です。
お日様の光は苦手で、体を動かすことは嫌い。
ジャンキーなおやつ片手にコーラばかり飲んでゴロゴロするのが大好きな君も、もちろん向いていません。
頭も体もキレッキレに機敏に動く人が、その能力を生かし人のために尽くすことができる人。
こんな方に、こんな方であればこそ!! 私は、是非とも、こんな方に、「医者」になって頂きたい!!
タスキをかけ街頭に立ち、選挙演説ばりの熱量で、拳を握り、熱く語ってしまいましたが…。
悲しい哉、私は知っています、こんな現実を。
(-2-へつづきます)