「-1-」 からのつづきです。
努力が報われ、晴れて有名私立中学に入学すると、名門の紋章である憧れの「制服」を着ることができます。
すると、どうでしょう?
この制服を着ると、知らず知らずのうちに、何もしなくても希望する一流大学に合格できるんじゃないか、という幻想を抱くようになってしまいます。
勉強をするためにその学校に入学したはずなのに、この制服を着たとたん、勉強をしなくなってしまうのです。
しかし、本業の勉強ができず、中身が伴わなくても、名門校の制服のブランド力が「ザ・優等生」の身分を保証してくれるので、自分のプライドも親のプライドも満たされてしまう。
コレが「落とし穴」!!
名門の中高校一貫校に入学できたからといって、必ずしも、希望する一流大学に合格できる切符まで手にしたわけではないのに、世間体がいいと、ついつい流されてしまい、努力することなくブランド力に甘んじてしまいがちに。
せっかく高い学費を払い、交通費、時間もかかる私立中学に入ったのに、大学受験に、とっても重要な基礎学力を身に付けるための中学3年間を無駄に過ごす。
基礎ができていない状態で、高校の勉強をスタートさせても、土台がぐらぐらで、応用力は身につかず、難関大学レベルには全く手が届かない学力のまま、受験期を迎えることになってしまうのです。
これでは、コスパもタイパも悪すぎます。
私立の進学校では自由な校風というところも多く、自主性が重んじられ、先生たちも勉強熱心な子には力を入れ、学力、能力を伸ばそうとしますが、そうでない子にはあえて手を差し伸べないし、強制もしない。
自主的に勉強する子が入る学校だからです。
そもそも、親に言われ、無理やり勉強をして、中学受験を経験した子は、自分から進んで受験勉強をしてきたわけではないので、自主性に欠ける子が多いのではないかと思います。
自主性を重んじる学校に入ったのに、自主性がないまま、ただ漫然と中学、高校時代を過ごしてしまうと…。
同じ学校で同じ制服を着ているのに、自主的に勉強に励んできた同級生とは明らかに学力の差が生じます。
最高学府に入学できる子がいると思えば、下の方では、卒業するのがやっと。
自分や家族のプライドが満たされる大学には、なかなか手が届かず、多浪の道へ進むことも。
自慢できることといったら、
「僕の高校は毎年、東大や京大に何十人も入るんだ!!」
と、自分のことはさておき、母校の同級生のことだけ(悲)。
でも悲しむ前に…、
こんな落とし穴があっても、そこに落ちなければ良く、たとえ、落ちてしまったとしても、ジャンプして抜け出せば良いのです。
その学校に入学しさえすれば、自動的に難関大学や一流大学、医学部に合格できるといった「幻想」から一刻も早く目覚めてください。
そして、名門のブランド力にあぐらをかいて、ただ時間を過ごすだけでは勿体無い。
せっかく合格できた名門校です。
向学心のある優秀な同級生が周りにたくさんいます。
彼らの背中を見て、良いものをたくさん吸収してください。
そして、その学校に見合うように、自主性、主体性を持って、積極的に勉強に励んでください。
先生や、同級生からの評価も変わり、それまでとは違った学校生活を送ることができるかもしれません。
「中学受験合格」が「人生の最終目標」ではないことを、親も子供も忘れてはいけないと思います。
そして、将来、何をしたいか、どうなりたいか、その上でどこに進学するのかと、お父さんお母さんも、子供さんのずっと先のことまで見据えて、中学、高校の6年間を見守っていく必要があると思います。
中学受験の際、
「〇〇中学に合格さえしてくれたら、後はもう勉強しなくていい。」
なんて、ついつい口走ってしまったお父さんお母さん、
あの時の一言、ぜひ、今、ここで悔やんでください。
子供が、自分の明るい将来が見えないまま、名門である母校の自慢をするしかないのは、虚しいことです。
みんなが憧れるキラキラの有名私立中高一貫校の「制服」は、ただ着るだけで願いを叶えてくれるわけではありません。
「ご~かく せ~ふくぅ~♪♪」
なんて、ドラえもんがポケットから「ひみつ道具」でも出してくれたらいいんですけど…。
現実の世界では、そう簡単に、願い事は叶いませんよね。
そう言えば、今日は七夕ですね🎋
(おわりです)