BO3では、「強力なデッキを2つ使う作戦」、「特定デッキを2タテする作戦」が存在すると、いくつかの攻略記事や、有志のプレイヤーより語られていました。

 

しかしながら、多くの人が知っているのはそうした作戦が存在する、ということだけであり、

「じゃあ本当はどちらがいいの?」ということについては、はっきりとした結論は示されないままでした。

(或いは、「人による」「練習時間による」という、ある種あいまいな返答でした)

 

本記事は、この問題に対する1つの真実を、確率計算の見地から提供するものです。

また、ドラゴン・ネクロ以外のリーダーを愛している人にも希望を持ってほしい、という願いもあります。

 

まず、本記事を書くにあたって、私は1つのexcelを作りました。

「デッキ名とBO1単位の勝率を入力すれば、自動的にBO3での総合勝率を計算してくれる」

というシートです。

(下記リンクから皆さんも自由にダウンロード&閲覧ができます)

 

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1rknD3Bti3Y15qXbUaBjCStJ15y0xpYHklufPY0tNM1E/edit?usp=sharing

 

上記のexcelを用いた計算からわかった真実を、まずは箇条書きで示します。

 

真実① 完全ミラー構成(デッキが80枚同じ・プレースキルも同じ)の場合、デッキを出す順番は勝率に影響を与えない

 

真実② デッキパワーが同程度と仮定するならば、流行デッキのミラー構成にするよりも、片方のデッキの軸をずらした方が平均勝率が高まる

 

真実③ 「特定デッキ2タテ作戦」で挑む場合、あるデッキに対して7割の勝率が出れば、その横のデッキに対しての勝率は1割でも、BO3では勝ち越せる

 

真実④「単純に強いデッキを先出しできれば有利である」という定石が通じないペアリングがある

 

以下、対応する入力例と共に解説していきます。

 

真実① 完全ミラー構成(デッキが80枚同じ・プレースキルも同じ)の場合、デッキを出す順番は勝率に影響を与えない

 

上記シート内「入力例1」をご覧ください。
記憶に新しい所では、ファミ通カップの前後「ドロシー+OTKペアで、どちらを先に出すべきか」の議論が上がったと思います。

確率から見た結論を言うと、レシピやプレースキルがまったく同じならば、どちらを先に出しても総合的な勝率は変わりません。

仮にデッキ間に明確な強弱があるとしても、です。

 

ドラゴンネクロミラーで、どちらが強いかは未だ議論がありますが、当入力例では「ネクロがやや有利」として計算をしています。

もちろん、

・有利不利のデッキを入れ替えた場合

・より勝率に偏りがある場合(ネクロが7割ドラゴンを取れる、など)

であっても、腕とデッキが同じならば、最終的な勝率は50%で変わりません。

 

つまり、(相手がパチンコドラゴン、手帳ネクロなど、ミラーの少ないアーキタイプを使っていない限り)ミラーマッチでどちらを先に出すか悩む必要はない、という事です。

 

真実② デッキパワーや勝率の合計が同程度ならば、流行デッキのミラー構成にするよりも、片方のデッキの軸をずらした方が平均勝率が高まる

 

入力例2、入力例3をご覧ください。

こちらは、「エルフ+ネクロ」「ネクロ+ビショップ」VS「ドラゴン+ネクロ」のBO3勝率割り出しです。

(なお、勝率については仮定で入力したものであり、実際と異なる可能性がある事はご了承ください)

緑セル内の%の合計が200となる点はドラネクミラーと同じです。が、

 

・1戦目のリーダー選出で読みかった場合は勝ち越す

・1戦目のリーダー選出で読み負けた場合は負け越す

 

という要素が増えています。それでも、

 

・勝率を平均すれば、バランスよく戦えるデッキを2つ並べるよりも、偏った有利を持つデッキを置いてうまく当てた方が、平均勝率が上がる

 

ということが、数値からわかって頂けると思います。

 

真実③ 「特定デッキ2タテ作戦」で挑む場合、あるデッキに対して7割の勝率が出れば、その横のデッキに対しての勝率は1割でも、BO3では勝ち越せる

 

「入力例4」をご覧ください。

信じられない話ですが、片方のデッキに70%勝てる場合は、もう片方のデッキに10%しか勝てなくても、BO3では勝ち越せます。

ただ現実的には、1つのリーダーだけを対策すると、そのリーダーを使っていない対戦相手と勝負になりません。

 

「ドラゴン&ビショップに7割勝てる超越ウィッチ」

「ドラゴン&ロイヤルに7割勝てる手帳ネクロ」

のように、tier1から1リーダー、tier2から1リーダー、2つのリーダーをガンメタしたデッキを2つ作る、くらいのレベルまで完成できれば有効、というのが、現実的にトーナメントで使用できるボーダーラインでしょう。

 

2タテ作戦はその不安定さから多くのプレイヤーに嫌われてはいますが、

2~3種類のデッキに対して7割勝てるデッキを作れれば、他のデッキには1割勝てるだけでも、選択肢になりうる

という計算結果は、tier2リーダーのファンにとっては十分に希望が持てる数値です。

そうしたデッキを開発出来る人はもちろん少数で、開発にも労力がいることと思いますが、

開発さえされれば多様なリーダーを使った作戦が取られ、メタが循環するのではと思い、

今回のデータの公開に踏み切りました。

 

真実④「単純に強いデッキを先出しできれば有利である」という定石が通じないペアリングがある

 

「入力例5」をご覧ください。

アグロメタドラゴンが、相性的・勝率的にコンシードビショップの上位互換である、と仮定した場合の勝率シミュレートです。

この場合、感覚的に考えてしまうと、

上位互換デッキである「アグロメタドラゴン」は先出しし得であると思い込んでしまいます。

しかしながら、入力結果を見ると、初戦が

・コンシードビショップVS相手のネクロ

・アグロメタドラゴンVS相手のドラゴン

のいずれかになった場合の方が総合勝率が高いため、強い方を押し付けるのではなく、

「相手がどちらを先出しするか」という読みに勝つことで勝率が高まることになります。

 

このように、「実際に開幕のリーダー選出でどのようなマッチを作れればいいか」は、イメージと、確率による計算結果とでは違う場合があります。

ですので、気になる方は確率計算機に色々な場合を入力してみるといいでしょう。

 

<その他、BO3計算機の使い方>

・自分が普段、戦績を記録しているお気に入りデッキの勝率を入力し、

 それを元に「もう片方のデッキで必要とされる勝率」を計算。

 デッキ決めの一方針とする。

 

・既にデッキが決まっている人も「リーダー選出で読み勝たなければいけないマッチ」「リーダー選出について、悩む必要がないマッチ」を見極めることができる

 

等、シンプルなツールではありますが、ここには書ききれない位の活用法があります。

BO3をより楽しむために、ご活用頂ければ幸いです。

 

最後に免責事項を2つ。

 

①サンプル数値について

「入力例」で入力されている勝率数値は、考え方や活用法を伝えるための仮の数値です。

実際のマッチアップがこの通りにならない、ということは十分にありえますので、

数値に異論・疑問のある方は、ご自身の調整の中から最善解を探して頂ければ幸いです。

 

②私自身の選択がどうだったかについて

ここ最近で出た大会では

・ドラゴンを7割倒せる

・ネクロを7割倒せる

デッキを1つずつしか見つけられていないので、2タテ作戦は行わず、ドラネクを使っています。

今後新たなデッキが出てくれば、あるいは開発できれば、2タテに作戦をシフトするかもしれません。

また、東RAGEには出場予定はございません。