「シャドウバース」というゲームは個人競技であるにも関わらず、多くのチームが存在します。
その目的はチームごとに様々です。
チームと言っても、実態はお金などを稼いでいないアマチュアプレイヤーの集合体であり、
社会的に何か責任があるというわけではないので、
シャドバに最近関わり始めたプレイヤーの皆さんは「サークル」「同好会」等と認識して頂いた方が、
間違いや誤解は少ないかもしれません。
ともあれ、本記事は、カードゲームに必ずつきまとう
「調整」にスポットを当て、個人競技で敢えてチームを作って調整することの意義を改めて皆さんに問いかけるものです。
あくまで「大会で入賞するための調整」に関してのみスポットを当てたメッセージです。
それ以外にもよくある目的である、「一緒に楽しむ」「非公式の企画を作る」「オフ会や飲み会を行う」などについては、
今回の記事では考えないものとします。
・チームを組むことで考えられるメリット
・チームを組むことで考えられるデメリット
・メンバー公開制チーム(オープンチーム)と非公開制チーム(クローズドチーム)の比較
・結局、「調整」を目的とする場合、良いチームとはどういうチームなのか
の4ステップに分けて説明をしていきます。
<チームを組むことで考えられるメリット>
物理的・時間的なメリットとして、ルームマッチの量を増やせる
ルームマッチの量を増やしその結果を共有することで、個人では出来ないだけの研究を行うことができます。
運営事務局の発表によれば、ランクマッチにおいて勝率51.0%以上のデッキタイプが12種類ある、とのことです。
ここで、
・12種類のデッキタイプ間の相性はどうなっているのか
・何のデッキを意識して、どういったカード選択をしていくのか
などを確かめるために、12種類のデッキの総当たり戦を行う場合、66通りの組み合わせを試さなくてはなりません。
もちろん、1~2回では正確な相性がわからないので、仮に各10戦行うとしても660戦。
1戦あたり10分としても、110時間(2人で行うため、のべ220時間)はかかる計算になります。
もちろん、「10戦程度では信用できない、正確な相性は測れない」と考えるのであれば、必要な時間はさらに伸びます。
直近のRAGEの準備期間はナーフ発表を挟んだため、実質的には2~3週間でした。
2~3週間で110時間(のべ220時間)というのは、ルームマッチどころかランクマッチすら、個人で行うには困難なプレー時間です。
「全デッキの納得できる総当たり戦・相性検証」ということを実現したうえで大会に臨みたいと考えた場合、
その時点で「1人で研究する」という選択肢は消えることになります。
知識を交換することで、必要なルームマッチの量を減らせる
全12デッキの相性検証をするとして、その時間を短縮するとしたら、役に立つのは知識です。
例えば、「白狼エルフVS教会ビショップ」の相性を検証したい、としましょう。
ここで、チーム内のあるプレイヤーが言いました。
「その検証はナーフ前に自分も行ったが、純粋な白狼に対しては、4:6くらいで教会ビショップに有利がついた。
エルフ側が相性を有利にしようと思うなら、ニュートラルにしなくてはダメだと思う」
この発言をメンバーが受け入れた場合は、ルームマッチそのものを行う工程を減らすことができ、研究時間を短縮できます。
ただし前提として、知識が機能するには、持っている知識がある程度正しい必要があります。
では、その知識の正しさの裏付けになるものは何か、というと、他の同レベルのプレイヤーの同意を得られる内容か、
という部分が大きいと思います。
シャドウバースというゲームは正解のプレーや構築を1から思いついたり、1から説明したりするのは難しい場合があります。
しかし、あるプレーや構築が正解か否か、ということについては、概ね半数以上が同意する内容は正しい、という傾向にあると思っています。
以上2つのメリットをまとめると、
・ルームマッチを行う時間を物理的に増やせるのみならず、
議論や知識のすり合わせを行うことで、重点的に行うべきルームマッチを選別したり、逆に省いたりすることができる。
つまり、「チームを組むことで、人数倍以上の、研究時間の短縮ができる」ということが、最大のメリットといえます。
ただし、そのメリットを享受するためには、以下2つの前提も必要です。
・メンバー同士が、ゲームの戦術については腹を割って意見交換ができる
・持っている前提知識がある程度(60%程度)正しい
60%としたのは、個々の能力が不完全だとしても、間違いの量が半分未満に収まっていれば、
多数の意見を聞くことによってお互いに修正し合える可能性が高いためです。
<チームを組むことで考えられるデメリット>
・情報もれの危険性
以上のメリットで挙げました、ルームマッチの結果や、それに基づく相性認識・デッキ構築などは、大会で勝つための生命線となるものです。
逆に言えば、貴重な時間を投資して得たそれらの情報がチーム外に流れた場合、多大なる損失であるという見方もできます。
このデメリットを回避するには、
・ゲームの戦術に関しては、口が固い人をメンバーに選ぶ
ということが明確に必要です。調整という観点からは、デッキや戦術についてしゃべらない人であればそれで良く、
誰々とデートしたとか自分の仕事は何々ですと言う話に関しては、口が軽くとも特に問題ないと考えます。
また、口の固さは人格、実績・腕前はカードゲームの地力の問題なので、必ずしも比例関係にありません。
見極めるには、普段のツイートや配信が参考になるでしょう。
・情報が偏る危険性
上記「情報もれの危険性」とは逆サイドの危険性です。
話を簡単にするために、ミッドレンジネクロと土ウィッチが環境2トップであるBO1大会に出ると仮定します。
10チーム中9チームが「ミッドレンジネクロは土ウィッチに対して勝率40%である」と結論付けたとしましょう。
しかし、あなたのチームでは「ミッドレンジネクロは土ウィッチに対して勝率80%である」と結論付けてしまい、
更にその間違いに気づくチームメンバーもいませんでした。
その結果、9チームの人間たちが土ウィッチ、あなたのチームだけがミッドレンジネクロを持ち込み、
あなたのチームの人間だけがみなDay1を突破できず、早々にドロップしてしまいました。
先程も書きました通り、シャドウバースは「そんなに複雑ではない」ことが魅力の1つでもあるゲームなので、
多人数の意見を聞けば概ね正しい結論が出ます。
しかし、一部の部分をうっかり間違えた結果、デッキ選択や戦術全体がゆがむ危険性もあります。
このデメリットを防ぐには、基本的には情報封鎖体制を取りつつも、
「ここの判断を間違えると大変なことになる」
というごく一部の情報のみ、第三者や外部と情報交換をすることによって確かめる、という方法が妥当でしょう。
全ての情報をフルオープンに開示してしまっては、研究をしていない人と差をつけることが出来なくなってしまいますので。
<メンバー公開制チーム(オープンチーム)とメンバー非公開制チーム(クローズドチーム)の比較>
「メンバー公開制チーム」(オープンチーム)とは、例えばSVGやAxisのように、
・各メンバーがチームタグを出場選手名につけている
・チームアカウントやチームHPなどがあり、そこからメンバー一覧を確認できる
というチームのことです。
「メンバー非公開制チーム」(クローズドチーム)とは、例えばぱんだ氏とマトモ氏のように、
「チームやグループを名乗ってはいないものの、よく通話や情報交換をしている」ため、
実質的には共同調整のような体を成している人間関係やグループのことです。
「調整」に関していえば、結局の所、メリットで挙げた、必要なルームマッチや最低限の集合知を確保できるかが問題です。
なので、調整だけを考えるなら、オープンチームかクローズドチームか、にこだわる必要は一切ありません。
その人たちがどの程度ルームマッチ及び意見交換を内部で行っているのか、が全てです。
敢えて違いを言えば、対外的なインパクトの違いでしょう。
・オープンチームは「メンバーの誰かが良いことをすればメンバー全員が褒められる」「メンバーの誰かが悪いことをすればメンバー全員が咎められる」ということになりやすい。
良くも悪くも、チームの活動や実績が連動しやすいといえます。
クローズドチームからは、「一緒に調整した誰々さんがマネーフィニッシュしました」などのメッセージは発信されるものの、「同じチームの人がマネーフィニッシュしました」ほどのインパクトは、対外的には与えていないと思います。
(あくまで比較の話であり、マネーフィニッシュ自体を否定するわけではございません)
<結局、「調整」を目的とする場合、良いチームとはどういうチームなのか>
以上をまとめますと、
<メリットを得るために>
1.チーム内部でのルームマッチが回数多く行われている
2.プレイングや構築の正確性に関して、60点レベル(半分以上の局面で正しい判断ができる)以上の人が集まっている
3.きちんと統率がされていて、幽霊部員などが発生しない状況であれば、人数は多ければ多いほど良い
仮に使用候補デッキが12種類(相性検証にルームマッチ110時間、のべ220時間投資する)気であれば、10~20人程度は欲しい
<デメリットを避けるために>
4.チーム内部の情報をチーム外部にしゃべる人がいない
5.偏った結論や間違いを指摘できる、「第六感」的な鋭い指摘力、もしくは、
内部の情報を小出しにしながら外部の情報を引き出せるようなコミュニケーション能力を持った人が1人以上いる
という5つの条件を満たせるのが、個人的には「良いチームだ」と言えると考えています。
(何度も言いますが、あくまで、デッキ調整にチームの目的を限定した場合です)
僕個人も、同様の条件を満たすクローズドチームで調整を行い、直近のRAGEでは10人中半数以上(自分を含む)がDay2進出、メンバーの1人がマネーフィニッシュという成績で終われたので、大きく間違ったことは書いてないのかな、と思います。
ただし、あくまでこれは僕個人の「ガチ志向を掲げているのであれば、こういうチームがふえたらいいな」という意見なので、
チーム選びなどで迷っている人や、チームのマネジメントに困っている人に、参考程度に見てもらえればな、と思っています。
これだけが正しいという主張をする気はございませんので、その点はご了承ください。
また、当ブログの内容を受けてのご質問やご意見に関しては返信いたしますので、
何かあればtwitterのDMまでメッセージをください。