- Former Lives/Benjamin Gibbard
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Death Cab For Cutieのフロントマン、ベンジャミン・ギバードのソロアルバム。
デスキャブの最新作が、個人的にはそんなにグッと来なかったタチです。
なんとなくメロディーも含めて、抑揚の無さが気になって。全体的な印象として平坦な感じがしたんです。
なので、このソロアルバムも、すごく期待していたわけではなかったんですが、これが実に素晴らしい作品でした。
基本線はシンプルで心地よいサウンド。ソロである分、綿密なサウンドスケープに重きを置くのではなく、ソングオリエンテッドなシンプルなサウンドにまとめ上げています。
デスキャブも非常にメロディーの立つバンドでしたが、今作の方がずっと親しみやすさが感じられます。3曲目Teardrop Windowsなんて、なんか米ドラマの主題歌とかになりそうなくらい、直球のギターポップです。メロディーに起承転結があって、この王道感はデスキャブにはないもの。
Duncan, Where Have You Gone?やBroken Yolk In Western Skyも同タイプの曲で、ここで発散するポップネスは、きっとベンがこれまでなかなか出すことができなかったものだと思う。
そして、ソロの自由さを100%生かし、遊び心も満載。
童謡のようなSomething's Rattling (Cowpoke)なんかもデスキャブでは絶対できないタイプの曲。また、フォークやカントリーなどバンドではわかりづらかったルーツ的な音楽性もここでは随所に感じることができる。
デスキャブを基準に置くと、物足りなさを感じてしまうかもしれないけど、誠実で暖かいポップ・アルバムとして聴くと、すごく魅力的な1枚だと思う。これもよく聴きました。
★★★★(1/1/13)