- Lonerism/Tame Impala
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オーストラリアのバンド、Tame Impalaのセカンド。2009年にはサマソニで来日を果たし、2010年にはファースト「Innerspeaker」をリリース。この頃から英米でかなりの注目を集めていたようだが、僕は全然知りませんでした。
このセカンドは、あのNMEでは2012年のベストアルバムの1位になり、pitchforkでも確か9点だったと思う。9点ってなかなかない。もっとも僕は全然この点数をあてにしていないんですが。
音楽性は簡単に言うとサイケ感あふれるロック。中後期ビートルズのエッセンス(ヴォーカルがジョン・レノンみたい)に、現代流のサウンドスケープを上手く組み込んでいると思う。
マーキュリー・レヴや近作のフレミング・リップスあたりが独自の色を出しながら推し進めてきた路線を想起するかもしれないが、彼らの場合はもっとオーソドックスな音を出しているように感じられる。
なんというか、前者はサイケデリアを高次的なものに発展させるためにどうアプローチしていくか、そこに表現の欲求を見いだしていたような感がある。
それに比べるとTame Imparaの場合は、サイケの本質である高揚感や陶酔感を感じられる仕掛けを、いかに楽曲に作り上げていくか、そこに重きを置いているような感じがするのだ。
その仕掛けはメロディーにもあるし、サウンドプロダクションにも巧妙に組み込まれている。
60年代を感じさせるメロウさ、暖かみのあるアナログチックな音色など、サイケ・ロックの鉄板的要素を基盤にしつつも、Tame Imparaならでは、と言える世界観を楽曲ごとに構築できている点はさすがだ。
ただ、個人的に「やんちゃ感」を勝手に期待してしまっていたため、これまた勝手な「物足りなさ」も感じてしまった。なかなか最初の印象というものは拭えないもので(笑)。1stはかなり「やんちゃ」してるという評判を聞いたことがあるので、これを機会に聞いてみようかな。
★★★★(23/1/13)