リチャード・アシュクロフトのソロ1stシングル、A Song For Loversのジャケットは男女が熱いキスを交わしている写真である。しかも結構官能的な感じの。
初めて見たときは、何とも思わなかったが、写真のそれがリチャードと恋人ケイト・ラドリーとのもので、そのケイトはSpiritualizedのジェイソン・ピアースの元恋人だと知ったときの衝撃は忘れられない。
傑作「宇宙遊泳」には、元メンバーかつ元恋人であったケイト・ラドリーへの想いが綴られた曲がある。あれだけのアルバムを作ることができたのは、当時彼女を失った事へのショックや痛みがあったから、と当時は言われていたように思う。
おそらくあのジャケットをジェイソンもどこかで目にしただろう。
その時の気持ちはどうだったのか。
興味本位なのではなくて、当時もしケイトに対する思いがまだあったとしたら、
その事実をどんな風に感じたのか知りたいと思うのだ。
Spritualizedは翌年、さらに大傑作アルバムLet It Come Downをリリース。これもまた、どうしようもないくらい に傷つき、心がむき出しになったジェイソンがそこにはいる。
人は心の痛みとどう対峙していくのか。
先の大震災で、愛する人を突然失ってしまった人はたくさんいるはずだ。
それ以外でも、事故や病気で失う人もたくさんいるだろう。
「死」以外の理由で、愛する人を失う人はもっとたくさんいるだろう。
痛みは消えていくのか、それとも永遠に刻まれるのか?
そんなことさえわからない、自分の人生経験の浅さにも驚いてしまうんですが。
神様、僕の声が聞こえますか?
愛する人が傍らを去り
生きていたって、満たされるだけのものがない
全てを失ったも同然です
神様、見てください、僕のありさまを