Real Estate のセカンドアルバム。彼らのことを調べようとすると、バンド名が邪魔してなかなか情報が見つからないのだが、彼らは米ニュージャージー出身の3人組。一昨年にリリースされたファーストは優しいメロディーと、ゆるめのギターサウンドが高く評価されていたが、The Morning bendersやAvi Buffaloあたりのバンドと比べるとやや地味な印象があるかもしれない。
しかしながら、このセカンドは彼らの代表作とも成り得るほどの、素晴らしい作品だと思う。ノスタルジックなサウンドとメロディー、リヴァーブのかかったギターなど、前作と比べてさほど変わったところはない。しかし、モデルチェンジはなくても、各パーツが改良されている。
1曲目Easyから、ノスタルジアの洪水と言わんばかりに、郷愁的なギターリフと、ソフトタッチの歌が鳴り響く。フォーカスをやや甘めにして、リフレインの多いメロディーラインが彼らの楽曲の特徴だと思うのだが、小細工的なものが無くて、非常に朴訥とした深い味わいがある。3曲目It's Realはシンプルかつメランコリックなギターロックで、サーフ・エッセンスの堂々たる据わり具合にドラムスの陰もちらほら見える。
特筆すべきはどの曲も天然的な魅力にあふれていることだ。ピュアで瑞々しい感性がにじみ出ているというか、
衒いのなさが良い方向に働いている。この手の音楽には、計算が見えてうんざりしてしまうバンドもいたりするのだが、彼らは素直に思うがままに音楽を作り上げているような感がある。それでいて、音的には絶妙なさじ加減ができている。この「天然さ」は大きな魅力だ。
★★★★☆(11/11/11)