
グラスゴー出身の4ピースバンド、グラスヴェガスの2nd。1stが思いの外激賞されたのが印象に残っている。「思いの外」というと失礼に当たるかもしれないが、個人的には、ど真ん中ストレートな音なんだけど、シーンでどう評価されるのかなという心配があったからだ。
しかし、アラン・マッギーが「ジザメリ以来の衝撃」と最大級の賛辞を送り、各雑誌でもUKロック復権の旗手のようなとらえ方をされるようになる。1stはその期待に応えるような力の入った名作だと思う。
2ndはプロデュースをフラッドが担当。レコーディングもロスで行われたようで、イメージ的には開放感のあるスタジアム・ロック寄りになるのかと思いきや、劇的な変化は特に感じなかった。
スケール感がありながらもどこか憂いを含んでいるメロディーは健在で、80'sの薫り高きThe World Is Yours、Youなど序盤のアンセミックな曲達のインパクトはかなり強い。
逆に後半は、バンドのちょっとした野心が感じられる。たとえば副題にHomosexualityとついた2つの曲がある。これ、順番もなぜかPt.2.が先なのだが、組曲的な流れを感じさせる曲となっている。なぜこの順番なのかはわからないが、この辺ももう少し整理したら良かったような気がする。また、ラストのChangeはピアノとリーディングという異質な1曲であるが、こういう曲が今のままでは収まりが悪い。そこがもったいないような気がする。様々なアイディアを飲み込めるような「幅」が欲しい。
すごくポジティヴなメロディーラインと、ややライトなシューゲイザーサウンドは、聞き手にとって非常にキャッチーな魅力を持っているし、バンドにとっても大きな武器だろう。バンドもそこには自覚的であるし、何せこの確信に満ちあふれた音を聞けばわかる。この「迷いのなさ」は非常に気持ちが良い。シューゲイザー的であっても、この音は全く下を向いていない。そこにひたすら特化していく、という道を行くのもまたおもしろいと思う。
★★★★(17/10/11)