フジロック・ブルース(7) 7/30 グリーン クラムボン | Surf’s-Up

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 朝,レイ・ハラカミが亡くなったことを知る。享年40歳。自分とほぼ同い年。死は知らぬ所に潜み,ふっと肩に手をかける。もちろん普段からそんなことを考えているわけではない。でも,誰にだって死は訪れるし,「その時」なんてそうそう分かるものではない。だからこそ「今」を生きるべきなのだろう。生きるべき,というよりは,そうするしかないのだ。人生の中にある縛り,のようなものなのかもしれない。でも,その縛りの中で,かくも美しい音楽を作り続けたレイ・ハラカミ。


 この日も雨。スタートはグリーンのクラムボンと決めていた。最近よく聴いているのだけど,ここ数年の作品はほとんど聴いていなかった。そして,その数年の作品がとても素晴らしいことに気付いたのだ。


 時間ちょっと前に着きそうだったのに,その前に「パンと蜜をめしあがれ」が聞こえてきた。「早い」と思ったら,サウンドチェックだった。原田郁子の「バッチリ」という声で,チェックは終了。


 「KANADE Dance」で始まったステージ。歌詞はないけど,観客に「おはよう,楽しんでいってね」というメッセージが伝わってくる。この曲,というかクラムボンの曲,そして存在自体がそうだけど,緑に囲まれたこの場所にとてもよく合う。軽快なナンバーとロックしてるナンバーが良いバランスで織り交ぜられ,メリハリが利いている。


 6曲目の「バイタルサイン」。「ぼくにも ゆずれないものが あるんだ」という歌詞で始まるこの曲。この曲も最近知ったのだけど,「おわらない ぼくはまだ歩いているよ」というところで,今の自分とすごく重なって抑えられなくなってしまった。涙だってバイタルサインの一つだ。大げさかも知れないけど,生きてるんだなぁと思った。


 「あかりfrom HERE」ではTHA BLUE HERBのイル・ボスティーノが登場。被災された方々などに捧げられたこの曲であるが,最後にレイ・ハラカミの名前がコールされた。


 そしてラストの曲「Folklore」。長いMCがあって,原田郁子がレイ・ハラカミのことを偲んでいた。そして自分たちにできるやり方で彼を送り出そうと言って,演奏を始めた。空に向かって声を,音楽を届けようと,最後は観客と一体になって歌い,その歌声を聞きながら彼らはステージを去った。


1. KANADE Dance 

2. NOW!!! 

3. GOOD TIME MUSIC
4. 波よせて 

5. Re-雨 

6. バイタルサイン 

7. シカゴ
8. あかりfrom HERE 

9. Folklore