朝,レイ・ハラカミが亡くなったことを知る。享年40歳。自分とほぼ同い年。死は知らぬ所に潜み,ふっと肩に手をかける。もちろん普段からそんなことを考えているわけではない。でも,誰にだって死は訪れるし,「その時」なんてそうそう分かるものではない。だからこそ「今」を生きるべきなのだろう。生きるべき,というよりは,そうするしかないのだ。人生の中にある縛り,のようなものなのかもしれない。でも,その縛りの中で,かくも美しい音楽を作り続けたレイ・ハラカミ。
この日も雨。スタートはグリーンのクラムボンと決めていた。最近よく聴いているのだけど,ここ数年の作品はほとんど聴いていなかった。そして,その数年の作品がとても素晴らしいことに気付いたのだ。
時間ちょっと前に着きそうだったのに,その前に「パンと蜜をめしあがれ」が聞こえてきた。「早い」と思ったら,サウンドチェックだった。原田郁子の「バッチリ」という声で,チェックは終了。
「KANADE Dance」で始まったステージ。歌詞はないけど,観客に「おはよう,楽しんでいってね」というメッセージが伝わってくる。この曲,というかクラムボンの曲,そして存在自体がそうだけど,緑に囲まれたこの場所にとてもよく合う。軽快なナンバーとロックしてるナンバーが良いバランスで織り交ぜられ,メリハリが利いている。
6曲目の「バイタルサイン」。「ぼくにも ゆずれないものが あるんだ」という歌詞で始まるこの曲。この曲も最近知ったのだけど,「おわらない ぼくはまだ歩いているよ」というところで,今の自分とすごく重なって抑えられなくなってしまった。涙だってバイタルサインの一つだ。大げさかも知れないけど,生きてるんだなぁと思った。
「あかりfrom HERE」ではTHA BLUE HERBのイル・ボスティーノが登場。被災された方々などに捧げられたこの曲であるが,最後にレイ・ハラカミの名前がコールされた。
そしてラストの曲「Folklore」。長いMCがあって,原田郁子がレイ・ハラカミのことを偲んでいた。そして自分たちにできるやり方で彼を送り出そうと言って,演奏を始めた。空に向かって声を,音楽を届けようと,最後は観客と一体になって歌い,その歌声を聞きながら彼らはステージを去った。
1. KANADE Dance
2. NOW!!!
3. GOOD TIME MUSIC
4. 波よせて
5. Re-雨
6. バイタルサイン
7. シカゴ
8. あかりfrom HERE
9. Folklore