フジロック・ブルース(2) 7月29日 ホワイト ソウル・フラワー・ユニオン | Surf’s-Up

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音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

 朝から雨・・・予報やニュースではもっとひどい雨が予想されたけど、何とかなりそうな雨だ。

今期はゴアテックスのコートに加えて、ポンチョも持ってきた。上はポンチョ、下はコートの下、そして長靴というコーディネートとしてはイマイチながら、雨対策としては最高ではないだろうか。むれず、濡れず、リュックごとすっぽり隠してくれる。


 今年はシャトルバスの列も例年より短く、早めに会場に着くことができた。バス降り場から見えてくる苗場の光景に心躍る。


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 アクト一発目は、迷わずソウル・フラワー・ユニオン。サウンドチェックでメンバー全員が登場。「松葉杖の男」をフルに演奏して中川が「サウンドチェック、終了~」と叫び、「月光ファンファーレ」へとそのままなだれ込む。


 いつも例えようのない感動をくれるソウルフラワーのライブであるが、今回はなぜか泣けることが多かった。例えば「荒れ地にて」


 声はまだ聞こえる ハラへらして夢を喰う

 ここがどこであっても 風がはらんだ荒れ地だろ

 

 そして「神頼みより安上がり」の


 一人旅の途中で ふらついたりしても

 夢はずっと踊ってる 神頼みより安上がり


 いつもこのフレーズにやられてしまうのだが、今回は涙がこぼれてしまった。中川敬の歌には嘘が全くない。どんな嘘や欺瞞でも見抜き、惑わされぬようそれらを飛び越え、必要な真実だけを伝える。自分自身もやはり嘘が嫌いだ。最近は傷つけないようにとつかれる嘘が正直辛い。それが優しさやいたわりだとわかっていても。傷つけられても良いから、本当だけで向かい合って欲しい。ここが「荒れ地」だってことはわかっている。でも「踊り続ける夢」がそこにはある。だからこのフレーズを聴くだけで自分の気持ちはファイティングポーズを取れるのだ。どんな困難や悲しさ、トラウマとも戦っていける。


 ソウルフラワーらしく、東北や沖縄に向けられたメッセージ性の強い内容であったが、それ以上に音楽の力強さがネイティブなグルーヴと相まって、より音楽性の高いものになっていた。メッセージだけでは、人の心を高揚させることは難しい。そこに確かな音楽があるからこそ、苗場に「踊る阿呆」があふれかえるのだ。ラストは「続・うたは自由をめざす!」。ステージからメンバーが居なくなっても、会場は「苗場からうたは自由をめざす!」と歌い続ける。いきなりフェスのハイライトなシーンが訪れた。


月光ファンファーレ
荒れ地にて

風の市
満月の夕
神頼みより安上がり
海行かば 山行かば 踊るかばね

ブルー・マンデー・パレード
続・うたは自由をめざす