佐野元春&ザ・ホーボー・キング・バンド 『ALL FLOWERS IN TIME』 | Surf’s-Up

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1月19日(水) 札幌市教育文化会館 大ホール


行ってきました。


結論から言うと、めちゃめちゃ素晴らしいライブでした。




何が素晴らしいのか、説明がなかなか難しい。


最近ではやたらと声量の衰えを指摘されますが、


今回のライブでは現状の自分と誠実に向き合っている元春の


「格闘」と「挑戦」が生々しく伝わってきた。




30周年アニバーサリーということで、王道のセットリスト。


しかしながら、今回はあの「VISITORS」から多くのナンバーを披露した。


このチョイスは、今の元春のヴォーカルスタイルでも十分対応できるという点と


時代が一回りして、また今の空気感と共鳴するようになったこともあるだろう。




そして、来週に控えたセルフカバーアルバム「月と専制君主」からも数曲披露した。


元春クラシックを今の声で、今のアレンジで歌いたいという気持ちから作られたアルバム。


これまたとても自然体というか、すごく洗練された感があって、僕は好きである。


というか、佐野元春が苦手だという人がいたら、ぜひ聴いてほしいアルバムである。



そのように自然体で臨む場面もあれば


「ガラスのジェネレーション」「欲望」「Rock'n Roll Night」では、ありったけの思いを乗せて


振り絞るように歌っていた。これらのナンバーがまた鳥肌ものだった。


声は出ていなくても、そこに宿る魂の炎がメラメラ燃えていた。


特に「Rock'n Roll Night」の「街はBlue Bird~」の下り。凄まじかった。


鬼神のごとく、という表現も決して大げさではない、圧倒的なパフォーマンスだった。



これ以上書くとネタバレが過ぎてしまうのでやめておくが


50を過ぎても、ここまで自分と向き合い闘えるだろうか?


元春はライブ中「年齢なんて関係ない」と言った。


真っ直ぐな瞳で、そんな言葉を言えるような人間になれるだろうか?



でもきっとそんな人に、ロックンロールは微笑んでくれるんだろうな。