ジョン・キューザック扮するスタンレーは元軍人で現在はホームセンター勤め。
妻グレイスは現役の軍曹で、イラクに出征中。二人の娘は母の帰りを待ちわびている。
スタンレーは妻がいない中、娘達と上手く接することができない。
家庭での会話もぎくしゃくしている。
そんな中、妻の戦死という悲しい知らせが届く。
子ども達にどう伝えたらいいのか、混乱するスタンレー。
苦肉の策で、子ども達と一緒に旅行に出かける。
無邪気に喜ぶ8歳の次女ドーン、何かを勘ぐってしまう12歳の長女ハイディ。
遺された家族が、それぞれの立場で揺れ動く心情を丁寧に描いた作品である。
特にラスト近く、スタンレーが留守電にメッセージを残すところから、海岸で母の死を語り始めるまで
泣けてしまってしょうがなかった。
その語りも初めの方だけで、子ども達に打ち明けてからの会話はあえて聞こえないようになっている。
その行間というか、観ている側への「余白」がずしりと重い。
短い映画であるし、終始トーンは暗い。
しかし、エンディングでは愛する人の死を受け入れることで家族が再生していくという「希望」がはっきりと見える。
力強くはないが、最後に凛とした姿を見せる3人に何だかすごく救われたような思いがした。
なかなか良い映画でした。
最近コンスタントにDVDを観ているので、時々紹介します。お勧めあったら教えて下さい。