怒ってるんじゃないよ 愛だよ | Surf’s-Up

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音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

時間ができたので


マイケルのThis Is Itを観てきた。



今年行われるはずだった、ロンドン公演のリハーサル


映像ではその様子が淡々と流される。



感傷的になるような場面はほとんどない。


でも、むしろそういうものなんだと思う。



構成、ダンス、ステージセットの破格さはいうまでもない。


トースターと呼ばれる、人が飛び出すシステムや


CGで何千人もの人が踊っている映像を作り上げたりするところは


とても興味深かった。


自分自身がこういう「ショー」的なものを観たことがないので


簡単に判断はできないが、徹頭徹尾目の離せないすごいショーになっただろう。



そのどれもが最新鋭なものであるのだが


唯一過去から変わらずにあり続けているものもあった。


それは「彼」。



リハーサルの中で、突然イヤモニを外すシーンがあって


演奏が終わったあと、「音が大きすぎる。僕は自分の耳で演奏を聴くから」と


イヤモニを拒否するんです。


今や常識であるイヤモニ。新しいものになじめないのではなくて


マイケルには必要ないんですね。


イヤモニなんかない幼少の頃から幾度となくステージを務めてきたマイケルにとっては


道具の手助けを借りる必要がない。


それでも、全く拒否するのではなく


「音を小さくして」という程度にとどめたことが


個人的に一番ジーンとしました。



リハーサルの中で、マイケルはさほど細かい指示は出さない。


それでも、タイミング、動き、演奏など様々な面に渡って、自分の感性で指示を出していく。


「このベースをもっとファンキーに」といって、口で演じるマイケル。確かにファンキー。


でも、指示の出し方が優しい。



注文を付けても「怒ってるんじゃないよ 愛なんだ」と必ず付け加えるマイケル。


これ、学級で説教する事があったら、拝借させて欲しい。



自分自身、そんなに夢中になったことはないが


Thriller,BadはラジオやMTVを観れば毎日何かしらかかっていたような気がする。


Smooth Criminal、Man In The Mirrorあたりは中学生の頃よく聴いていましたが。



そんな自分でも思いっきり引き込まれた2時間でした。


「人間離れ」している部分と思いっきり「人間」な部分。


そこのバランスをもう少し上手く取れたら、とも思ったけど


そのアンバランスさ、ギリギリのところでなっているからこそポップなんだろう。