Peter Bjorn and Johnの最新作。前作はFMでもよく流れていたし、CMでも使われたりしていたわけで、北欧独特のポップさが非常に支持されていたのだなと思う。
さて、今作であるがYoung Folksばりのどキャッチーな曲がないぶん、地味な印象を受けるかもしれない。リードトラックであるLay It Downにしてもフックはあっても前面に押し出すようなところは無く、アレンジも控えめである。
適度なローファイサウンドとでも言おうか、あまり熱を帯びないスタイリッシュな感じで、雑多な要素を見事にまとめ上げている。率直に言うと、そのスマートさが物足りなさにつながっているところもある。かっこいいんだけど、もう一つポップミュージックとしての求心力に欠けるようなところも見られる。
しかしながら、そこは聴き手の感性次第なのかなという気もする。つまりは完成度の高さを持って一方的に提示するようなタイプの音楽ではなく、聴き手のセンスとのケミストリーによって如何様にも変わるポップなのだろうと思う。よく練られているが、ありがちな密室性はここにはない。聴き手の入り込む余地をうまく作っている(自分はなんとなくすんなり入り込めないのだが・・・)。
所々にTalking Headsあたりのテイストを感じたり、Beckのようなスペイシーなモダン・ポップもあったりと前作よりもさらにそのポップセンスは広がりを見せている。ただ個人的にはあんまりスタイリッシュでなくても、メロディーを前面に押し出した曲をいくつか入れても良かったんじゃないかと思う。というくらい、いいメロディーを持った曲が多い。才能、センスは随所に感じられるアルバムだと思う。
おすすめ度★★★(18/04/09)