お世話になりました | Surf’s-Up

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音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

かつては3枚に1枚くらいは邦盤を買っていたような気がする。


今は年間で10枚ちょっとだろうか。それくらい聴かなくなった。


しかし、この4枚はすごくよく聴いた。

Syrup16g/Syrup16g

キラキラ!/曽我部恵一バンド

ZAZEN BOYS 4/ZAZEN BOYS

カンテ・ディアスポラ/ソウルフラワーユニオン




Syrup16gが解散したのは今年のことだった。

運良く、本当に運が良くその時間を一緒に過ごすことができたのだけど、

未だに解散したことを、いちいち確かめないと飲み込めないような、そんなショックがあった。

今もその状態。全く厄介なバンドだ。

「明日が見える歌をいっぱい作った」 武道館でそう言った五十嵐

彼の言う明日は、どんなものなのだろう?

それがわかるまでは、死ねないね。



全力でいることがかっこわるい、そういう価値観もあるだろう。

でも、曽我部恵一はその壁を木っ端微塵に1枚のアルバムで打ち砕いた。

完璧なアルバムではないかもしれないが、全力で走っているアルバムだ。

たった一つのことを伝えるために、全力を出せる曽我部恵一。

そしてそれは、間違いなく最高に「キラキラ!」している瞬間なのだ。

いつまでもその瞬間を見ていたい。



唯一無二のグルーヴ。

honnojiは大げさな言い方かもしれないが、革命的な1曲だと思う。

金属的だけど、有機的。虚無的だけどしなやか。

ザゼンの音を形容するとしたら、矛盾した言葉がいくつも浮かぶ。

つまりは分析不能なのか。向井秀徳にしてみたら痛快だろう。

聴き手を翻弄する素晴らしいロック。



政治的メッセージはあんまり得意ではない。

しかし、このバンドの武器はそれだけではなく、弱さや辛さを全て向こう見ずなパワーに変えてしまうところだ。

下手に同情することは絶対にしない。むしろ、全てを音楽の力に変え、解放する。

「天国は満席 地獄はゼネスト 神も悪魔もそっぽ向く」

こんなに八方ふさがりでも 中川敬は叫ぶことを決してやめない。

仮に国境線上でも路地裏でも、きっと彼らの歌は勇気と安らぎを与えてくれる。